IT業界は人手不足に陥っている中、今後のキャリアステップとしてエンジニアを目指そうと思っている人は少なくありません。
データベースエンジニアの需要があると聞きつけ、
「データベースエンジニアになるにはどうしたらいいの?」
「スクールがいいの?それとも独学で目指せるの?」
なんて疑問を持っていませんか?
データベースエンジニアを目指す方法は、大学や専門学校に通うかプログラミングスクールに通うなど様々な方法があります。上記3つの方法を探していても適切な方法がわからなかったりしますよね。
そこで今回は、データベースエンジニアになる方法を解説するのはもちろん、未経験からなる方法やスクール選びのポイント、おすすめのスクールを紹介します。
また、データベースエンジニアになる際にいくつか疑問や質問もあると思うので、FAQも解説しています。
データベースエンジニアを目指そうとしている人にとって、今抱えている悩みを解決できる記事となっていますので、参考にしてみてください。
データベースエンジニアについてより詳しく知りたい方は、以下の記事でデーターべースエンジニアについて網羅的に解説しているので良ければ合わせて見てくださいね。
→今更聞けない!データベースエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性、資格も紹介
データベースエンジニアの仕事内容とは?
データベースエンジニアの仕事はその名の通りデータベースに特化したエンジニアです。設計〜運用までの一連のデータベースに関する業務を担当します。
データベースの運用業務だとまずはデータベースエンジニアではなくインフラエンジニアとして監視・運用・保守業務にあたります。ある程度経験を積んで、データベースに関する知識が身に付いたら、設計や管理などの業務を担当します。
基本的にデータベースエンジニアの求人は設計などの上流案件が中心です。運用の求人もありますが、実際のところはSQLチューニングなど管理業務も任されるものと思っておきましょう。
また、基本的に1つのチームにデータベースエンジニアは1人。データベースに関する専門家として、チームを率いる役割を任されるので、ハイレベルなデータベースの知識・経験やリーダースキル、協調性が求められます。
こちらの記事にてデータベースエンジニアの仕事内容について詳しく解説しているのでご一読ください。
→データベースエンジニアの仕事内容を徹底解説!キャリアプランや年収も紹介
データベースエンジニアになるには学歴が必須?
データベースエンジニアに限らず、IT業界は経験が重視されるので学歴は必要ありません。しかし、大卒か高卒かだけで初任給が違いますし、応募できる企業の質にも差が出てきます。
特に情報系の学科を卒業していると、未経験OK以外の求人でも学校で学んだ内容を評価して採用してくれることもあります。それに今はデータベースエンジニアにデータベース以外のスキルが求められる時代です。
広く深くITに関して学べる情報系学部卒は、後々のキャリア形成の面でも有利でしょう。したがって、将来エンジニアになりたいと思っているのならできる限り大学に進学しておくのがおすすめです。
未経験からデータベースエンジニアになるには?
それでは、未経験からデータベースエンジニアになるにはどのようにキャリアを積んでいけば良いのでしょうか。キャリア形成の例を4つ見ていきましょう。
それぞれについて、以下で詳しく解説していきますね。
未経験OKの会社に入社する
データベースを専門に取り扱っている会社だと、未経験者OKのデータベースエンジニアの求人も多いです。ただ、いきなりデータベースエンジニアとしての業務を任せてもらえるというわけではありません。
ヘルプデスクなどの業務を通してデータベースについて学んでからとなります。下積み期間の目安は1〜3年程度。
基礎が身に付いたら運用など簡単な仕事からスターとし、スキル次第で設計など上流の業務も任せてもらえるようになります。会社によっては最終的にデータベースエンジニア以外の仕事を任されてしまうこともあるんです。
未経験OKの企業に就職する場合、実際にやりたい業務を任せてもらえるかだけは口コミなどで確認しておきましょう。
大学・大学院で学ぶ
時間やお金の面で働きながらだと大変ですが、大学・大学院で学ぶという選択肢もあります。データベースエンジニアはデータベースだけでなくプラスαの知識も求められる時代です。
特にデータサイエンス系に強いエンジニアの需要が高くなってきています。働きながら大学に通うのは大変ですが、夜間部や通信制も増えており、社会人でも学業と仕事を両立もできます。
情報系の大学・大学院を出ていると、データベースエンジニアはもちろん、自分が希望するIT系のキャリアの大半を実現できるでしょう。卒業してすぐにデータベースエンジニアになれる可能性もありますし、時間やお金を犠牲にしてもメリットのほうが大きいです。
専門学校で学ぶ
未経験で、大学・大学院よりも実務を意識して学びたいなら専門学校がおすすめです。実習が多く、スケジュールも詰められているので、集中して勉強に取り組めます。
専門学校は基本的に全日制なので、社会人だと仕事と両立しにくいのが難点。ただ、夜間部が設置された専門学校も東京都内を中心に増えており、働きながら通う人もいます。
専門学校は就職サポートが手厚さがメリット。面倒見の良い職場にも巡り会える可能性が高いです。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールでもデータベースに関して学ぶことはできます。ただ、プログラミングスクールで学べる内容はインフラエンジニアとして運用業務ができる程度。
インフラエンジニアは未経験OKの求人も多いので、できるなら大学や専門学校に通ったほうが良いでしょう。場合によってはプログラミングスクールもスクールによっては独自のコネクションを持っており、仕事を紹介してもらえることがあります。
また、短期間で集中して即戦力クラスの実力を身につけられるメリットもあるので、特にIT業界未経験で就職活動がうまく行っていない人は検討してみてください。
データベースエンジニアになるためのスクール選びのポイントは?
データベースエンジニアに必要な知識が学ぶ場所には様々な選択肢がありますが、結局はどこが良いのでしょうか。スクール選びのポイントは以下の3点です。
1年以内にIT業界に就職したいならプログラミングスクールがおすすめです。プログラミングスクールはカリキュラムが半年〜1年程度なので、仕事とも両立しやすいでしょう。
次にIT業界での経験がある人におすすめなのは大学・大学院です。データベースエンジニアのような専門的な分野で上を目指すには学歴が求められます。大卒・院卒なら別のキャリアへも進みやすいので時間を工面して大学・大学院に通ってみましょう。
そして手厚い転職支援を受けたいなら専門学校がおすすめ。専門学校はカリキュラムが詰め込まれている分通学が大変です。ただし、学校独自のコネクションで仕事を紹介してくれることが多く、希望する進路も実現しやすいでしょう。
転職活動の条件によって選ぶべき学校は変わってきます。転職までの期間や学びたい内容などに応じて、条件に合ったスクールを選んでください。
データベースエンジニアになりたい人におすすめのスクールを紹介
それでは、実際にデータベースエンジニアになるために必要な知識が学べるスクールにはどんなところがあるのか3つ紹介していきます。
それぞれについて以下で見ていきましょう。
大学・大学院
キャリアアップ・キャリアチェンジをしたい社会人向けのカリキュラムが用意されている大学・大学院は増えてきています。仕事をしながらでも学歴を手に入れられるのが大きなメリットでしょう。
それでは、社会人でも通いやすい情報系の大学・大学院を見ていきましょう。
北海道情報大学
北海道情報大学は北海道に拠点を持つ通信制の大学です。マーケティング要素が強い情報系の学部が設置された通信制大学は増えていますが、プログラミングなどしっかりITについて学べる通信制大学となると、北海道情報大学のシステム情報学科一択でしょう。
北海道情報大学は通信制なので講義の組み方が自由。学費も選択する講義の数によって変動するシステムで仕事と両立しやすく、学費も安く抑えられて、社会人にとってはありがたい大学ですね。
北海道情報大学ではデータベース技術、データベースシステムのような、データベースに特化した講義も用意されています。通信でも通信制でもデータベースをはじめインフラ系をしっかり学べるのは魅力的ですね。
筑波大学社会人大学院
その名の通り筑波大学社会人大学院は社会人のための大学院です。働く人を対象としているので夜間制となっており、スクーリングでも仕事としっかり両立させられます。
筑波大学自体ネームバリューがありますし、国立で年間の学費が50万円程度なのもありがたいところです。社会人大学院で学べる内容はデータサイエンスの要素が強く、データベースに加えてAIについても詳しく学べるのが強み。
データベースエンジニアにもAIの知識が求められる時代なので、稼げるデータベースエンジニアを目指すにはベストな環境でしょう。周りも社会人なので、高いモチベーションを持って学習に取り組めるはずです。
ただ、社会人大学院は人気が高く、倍率は毎年2倍〜3倍程度となっています。英語や数学など入学するための受験勉強の時間も確保しないといけないのが大変です。
スクーリングに関しても職場の理解が必須なので、周りとの調整をしたうえで受験しましょう。
東京電機大学工学部第二部
特にシステム開発の分野で活躍したいと思っている人におすすめなのが東京電機大学です。ソフトウェアとハードウェア両方についてバランス良く学べる学校なので、データベースエンジニアはもちろん、それ以外の分野でも活躍できるだけの実力が身につきます。
東京電機大学は実践に重点を置いている学校なので、実習は多めです。社会人にはなかなか大変な条件ではありますが、卒業後にすぐに活躍できるだけの実力が身につくでしょう。
東京電機大学には社会人過程と言ってすでにIT業界での実務経験がある人向けのカリキュラムも用意されています。そのため、IT業界未経験の人だけでなく、下流工程から上流工程に移りたい人にもおすすめの大学です。
専門学校
専門学校も仕事と両立しやすい夜間部が増えてきているので、働きながら専門学校で実習を積んですぐに活躍できるだけの実力を身に着けたい人におすすめでしょう。それでは、データベースエンジニアになるのにおすすめの専門学校を紹介します。
HAL東京情報処理学科
どちらかと言うと開発寄りの学科ではありますが、HAL東京情報処理学科ではデータベース設計について学べます。こちらの学科は夜間の2年制なので、仕事と両立するにあたって負担が少ないがメリットでしょう。
カリキュラムは1年目でプログラミングなど開発に必要な知識を学び、2年目でAndroidアプリ開発などの実践を行います。フルスタックエンジニアが求められる時代なので、開発とインフラ両方をこなせるデータベースエンジニアを目指したい方におすすめの学校です。
日本電子専門学校高度情報処理科
3年制の全日制なので、社会人からするとハードルが高めではありますが、データベースエンジニアの即戦力となれるだけの実力を身に着けたい方におすすめの学校が日本電子専門学校です。
日本電子専門学校は日本初のオラクルアカデミー導入校。データベースをはじめ、最新のOracle製品が使える環境にあります。データベースに関する教育にも力を入れており、Oracle Goldやデータベーススペシャリストなどの関連資格合格者も多数。
先生もSE経験者という環境で学べるので、専門学校でありながらかなり高い技術・知識を身に着けられます。
日本工学院ITスペシャリスト科
2022年から新しく設置されるのが日本工学院のITスペシャリスト科です。様々なコースが用意されており、中でもデータベースエンジニアに進みたい方におすすめなのがAI・システム専攻。AI技術を用いたシステム開発について学べるコースで、データベース学習にも力を入れています。
資格取得のためのカリキュラムも充実しており、2年次で基本情報技術者やOSS-DB、3年次で応用情報技術者やOracle Master、4年次でデータベーススペシャリストの合格を目指せます。ちなみに基本情報技術者に関しては午前試験が免除されるので、資格取得の面でもかなり有利な専門学校と言えるでしょう。
プログラミングスクール
なかなか専門学校や大学に通う目処がつかない場合はプログラミングスクールと言う選択肢もあります。プログラミングスクールでも実際に機材に触れて学習ができるところを中心に紹介するので、スクール選びの参考にしてください。
Winスクール
Winスクールは全国展開をしているプログラミングスクールです。こちらではデータベースに特化したカリキュラムはありませんが、ネットワークの運用〜構築まで学べるカリキュラムが用意されています。
ネットワークはデータベースエンジニアとして必要な知識ではありません。しかし、未経験からインフラエンジニアとしてキャリアを積んでいくにあたって、知識が0の状態と構築レベルの知識がある状態では、最初に担当できる案件のレベルに差があるでしょう。
ネットワークの経験があれば早くデータベースに関わる仕事ができるようになります。またデータベースエンジニアにも幅広いインフラの知識が求められる様になってきています。したがって、ネットワークからデータベースエンジニアとしてのキャリアを形成していくのも一つの手です。
KENスクール
KENスクールも全国展開をしているスクールで、スクーリング形式で学べます。KENスクールではSQL講座が用意されており、データベースに欠かせないSQLに関する知識を深める事が可能です。
インフラエンジニアとして働いていると、現場によってはSQLを使う機会が少ないことがあります。そこでKENスクールでは、データベースエンジニアになるにあたって、SQLを中心に不足しているデータベースの知識を補えます。
isaPCスクール
これまで紹介してきたスクールと比べると知名度は劣りますが、手厚いサポートを受けたい方にオススメなのがisaPCスクールです。個別指導形式なので、自分のペースで無理なく学べます。
たくさんコースが用意されていますが、中でもおすすめなのがMicrosoft Role-based試験取得コース。こちらのコースでは所謂MCPと呼ばれるMicrosoft社の資格合格を半年で目指します。
Microsoft社製品は多くの会社で利用されているうえ、MCP自体がそもそもIT業界で高く評価されている資格です。データエンジニアなどの資格を取得しておけば、未経験でもデータベース案件に配属してもらえる可能性が高くなるでしょう。
データベースエンジニアになる際のFAQ
データベースエンジニアになりたい人は様々な悩みを抱えているはず。簡単になれる職業ではないので、少しでも不安を解決できるように、データベースエンジニアになりたい人に多い悩みと解決策を紹介します。
未経験からでもデータベースエンジニアは目指せるんですか?
これまで解説したとおり、未経験からデータベースエンジニアを目指すのは不可能です。データベースはシステムの基礎となる重要な部分。基本的にはインフラエンジニアとして3年〜5年ほどデータベース運用の経験を積んでから、データベースエンジニアとして働くのが一般的です。
大卒・専門卒以上だと、学校でデータベースに触れる機会が多く、未経験でもデータベースエンジニアとして採用してもらえるかもしれません。それでも大学や専門学校に通うには1年〜4年の時間を必要とします。
どちらにしろ未経験からデータベースエンジニアになるには時間がかかるでしょう。5年ほど先を見据えて、希望するキャリアを実現するにはどんなスキルが必要か逆算して、資格の取得や業務に取り組んでください。
データベースエンジニアって将来性どうなんですか?
データベースエンジニアの将来性に関しては、大手がオンプレミス、中小がクラウドに需要が偏ることが予測されています。そのため、クラウドが使えるデータベースエンジニアは比較的仕事に困らないでしょう。
それに対して大手は雇用が安定している分人気が高いので、将来的にデータベースに特化したエンジニアを目指すのは狭き門となっていくことが予測されます。ただ、データベースに強いエンジニアの需要は無いわけではありません。
プラスαのスキルを身につけることで活躍できるのは確かです。需要を見極め、クラウドやデータサイエンスなど、データベース以外のスキルを身につけて、仕事に困らないデータベースエンジニアを目指しましょう。
→需要ない?データベースエンジニアの将来性と必須スキル、キャリアパス、平均年収なども紹介
データベースエンジニアに必要なスキルはなんですか?
データベースエンジニアはデータベースの専門家なので、当然データベースの深い知識が必須です。基本的にチームに1人で配属されることから、一つのデータベースの知識を深め、誰から質問されても答えられる状態を目指しましょう。
また、気質的な部分では、チームの人とうまくやっていける協調性や、チームをデータベースの面で引っ張る積極性もデータベースエンジニアに求められます。近年ではAI開発に関する知識を持ったデータベースエンジニアも増えてきています。
大量のデータを扱うAIの分野では、データベースを扱えるエンジニアはいても、データベースの最適化ができる人材は限られます。そのため、チューニングなどの経験があるデータベースエンジニアが必要とされているのです。
開発系の分野だと、データベースに加えてプログラミングの知識を持ったエンジニアはより重宝されるので、プログラミングを学んでみるのもありでしょう。
→データベースエンジニア必須スキル6選!身につける方法から学習方法も解説
データベースエンジニアの平均年収や最高年収はいくらですか?
データベースエンジニアの平均年収は489万円。IT業界全体で見ても高めです。最高年収は1,000万円以上になることも。
目安としては、運用など下流の業務で300万円〜400万円、設計など上流の業務で500万円〜600万円が相場です。年収800万円以上のラインになると、AI開発など+αの知識が求められます。
高年収のデータベースエンジニアを目指すにはデータベース+αのスキルが必須なので、需要を見極めて着実にデータベース以外の知識・経験も積んでいきましょう。
→最高900万!?データベースエンジニアの平均年収を公開!年齢別やキャリアパスも紹介
データベースエンジニアはやめとけって言われるんですが本当ですか?
データベースエンジニアはやめとけという意見が多いのも事実です。下積みが長いうえに、データベースに特化したエンジニアの需要が限られていることが原因として考えられるでしょう。
ただ、データベースエンジニアの需要が0というわけではありません。上流工程ができるデータベースエンジニアの求人はたくさんあります。
それに、クラウドなどトレンドの技術を抑えておけば、データベースエンジニアとして活躍できる場が広がるので、求人の少なさで悩むことはありません。
→ブラック労働!?データベースエンジニアがやめとけと言われる6つの理由
まとめ
未経験からデータベースエンジニアになるには、かなりの努力と時間が必要です。今から活躍できるデータベースエンジニアを目指すには、データベースだけでなく、AI開発などプラスαのスキルも必要になってくるでしょう。
将来的に幅広いスキルを持ったエンジニアを目指すには、社会人でも学校に通うのがおすすめです。学校だとデータベースエンジニアの実務に直接は関係ない内容も学ぶことになるものの、キャリアアップやキャリアチェンジがしやすくなります。
確かに学業と仕事の両立は大変です。しかし、将来的に受けられるメリットも大きいので、データベースエンジニアを目指すにあたって大学などへの進学をぜひ検討してみてください。