社会のIT化はまだまだ進んでいくのでIT業界は将来性に満ちている業界と言えます。しかし、IT業界は将来性のある業界のはずなのに、データベースエンジニアは将来性が無いという意見がちらほら。
そのため、データベースエンジニアという仕事に興味を持っていても、
「データベースエンジニアは将来性のない仕事なのにこれから目指して大丈夫なの?」
「自分がデータベースエンジニアになる頃には需要はなくなっていない?」
など、不安に思っている人もいるのではないでしょうか?
IT業界は流動性の激しい業界なので、自分が目指す頃には需要が下がってしまうのではと心配になりますよね。
確かに今データベースエンジニアの需要は下がりつつありますが、なくなるわけではありません。ただこれからデータベースエンジニアを目指すには、時代のニーズに適したスキルを身につける必要があります。
そこで今回は、データベースエンジニアの将来性やデータベースエンジニア以外のデータベーススキルを活かした仕事について解説します。
また、データベースエンジニアについてより詳しく知りたい方は、以下の記事でデーターべースエンジニアについて網羅的に解説しているので良ければ合わせて見てくださいね。
→今更聞けない!データベースエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性、資格も紹介
目次
データベースエンジニアの将来性ってどうなの?
正直なところデータベースエンジニアは需要がないわけではありませんが、将来的に今よりも需要が限られ、目指しにくくなっていくでしょう。現代ではクラウドの普及などにより、中小企業を中心にオンプレミス型のデータベースが必要とされない傾向が出てきています。
また、データベースに特化したエンジニアと言うよりは、データベースをはじめとするインフラ周り全般をこなせるエンジニアが求められるようになっています。この理由から今からデータベースエンジニアは減少傾向。目指すなら今よりも狭き門になることを理解し、他の選択肢も検討したほうが良いでしょう。
データベースエンジニアの将来性がない2つの理由
データベースエンジニアを今から目指すなら考え直したほうが良い理由は主に以下2つ。
それでは、データベースエンジニアの将来性が期待できない理由について詳しく解説していきます。
需要はあっても今以上に狭くなる
現代ではインフラのクラウド化が進んでいます。しかし大規模なサービスだとクラウドでは月々の課金額が高額になってしまうので、初期費用はかかってもオンプレミスの方が安上がりです。実際にAppleやDropBoxなど海外の大手企業はオンプレミス回帰の動きが出始めています。
このような背景から、データベースをはじめとするインフラ周りは、大手だとオンプレミス、中小企業だとクラウドというように分かれていく可能性が考えられるでしょう。
ただし、オンプレミス型データベースの需要がある大手は、雇用が安定していて待遇が良いことから人気が高いです。したがって、データベースエンジニアはハイレベルな人材の取り合いが起こり、狭き門となることが予測されます。
データベースのみに特化したエンジニアの需要が下がっている
インフラに関しては、データベースに特化した人材ではなく、データベースに加えてサーバーやネットワークなど一通りの知識を持った人材が必要とされています。また、データベースエンジニアは高年収が期待できる仕事ではありますが、年収800万円以上の求人はディープラーニングの経験があるような、いわゆるデータエンジニア領域の案件ばかりです。
このように、データベースエンジニアはデータベース以外の分野のスキルも持ち合わせた人材が必要とされています。データベースだけで仕事を獲得したり、稼げるようになったりするのは厳しいのが現状です。
データベースエンジニアの3つのキャリアパス
データベースエンジニアのキャリアパスは主に以下3つ。
定年までデータベースに関われる選択肢は限られており、データベースエンジニアを目指すならこの点も理解したうえで目指す必要があるでしょう。
それではデータベースエンジニアのキャリアパスについて解説していきます。
プロジェクトマネージャー
データベースエンジニアの進路として多いのが、プロジェクトマネージャーです。大体30代後半〜40代のタイミングで、データベースエンジニアからプロジェクトマネージャーにキャリアチェンジする人が多い傾向にあります。
プロジェクトマネージャーはプロジェクトの責任者として、予算や人員、スケジュールなど一連の管理を担当します。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアントのビジネス目標を達成するためにIT戦略を立て、必要なシステムの提案を行います。営業的な面も兼ねている仕事なので、エンジニアとしての知識・経験だけでなく、営業力・コミュニケーション力も求められる仕事です。
データベースエンジニアから直接目指すよりは、プロジェクトマネージャーからさらなるキャリアアップの選択肢として目指す人が多いです。
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリストはその名の通りデータベースの専門家です。クライアントにヒアリングを行い、求められる形のデータベースを提案・設計します。
上流工程の経験が豊富なデータベースエンジニアと捉えると良いでしょう。
データベースの知識を活かせる仕事はデータベースエンジニア以外にもある
これまで一般的なデータベースエンジニアのキャリアアップの選択肢を紹介しました。しかし、データベースエンジニアでも特に上流工程に携わるのは求人数が限られており、キャリア形成も難しいです。
それでは、先ほど紹介したデータベースエンジニアの一般的なキャリアアップの選択肢以外の、データベースの知識を活かせる仕事を以下つ紹介します。
それぞれについて見ていきましょう。
クラウドの知識を深めてクラウドエンジニア
先ほど解説したように、中小企業ではインフラのクラウド化が進んでいます。そのため、クラウドの知識を身に着けてクラウドエンジニアとして活躍するデータベースエンジニアも増えてきています。
クラウドエンジニアに求められる知識・経験は、Amazon RDSやAzure Cloud SQLをはじめとするクラウド型データベースに加え、クラウドでのネットワーク監視、サーバー構築など。
オンプレミスだけでなくクラウドにも対応できるデータベースエンジニアから、クラウドでインフラを一通りインフラを構築できるクラウドエンジニアを目指してみましょう。
プログラミングを学んでシステム開発
開発でもSQLを書くので、データベース知識が豊富なデータベースエンジニアが活躍できます。近年ではDevOpsと言って、開発と運用が協力してソフトウェア開発に取り組む手法を採用する企業が増えています。
ただ、ベンチャー企業を中心に採用されている手法なので、実際は同じチームが開発と運用両方を担当するのが現状。しかし、ベンチャー企業だと人材が開発に偏ってしまいがちです。
そこでデータベースをはじめ、運用の知識が豊富なデータベースエンジニアは重宝されるでしょう。
また、システムエンジニアについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてみてくださいね。
→システムエンジニアとはどんな仕事?年収や資格、将来キャリアパスも紹介
ディープラーニングを学んでデータサイエンティスト
大量のデータを分析するデータサイエンティストはデータベースを当然取り扱うので、データベースエンジニアの次のキャリアの選択肢として良いでしょう。実際にプログラミング・ディープラーニングを学んでデータサイエンティストになるデータベースエンジニアは多いです。
また、データサイエンティストは開発寄りでデータベースに特化した知識を持っていない人が大半。それ故にデータが重複したり破損したりしたまま放置されてしまいがちです。
そこでこれらのデータを修復し、データベースのパフォーマンスを向上させるデータエンジニアも高い需要があります。
幅広いインフラのスキルを磨いてインフラエンジニア
先ほど解説した通り今の時代のデータベースエンジニアには、データベースだけでなくサーバー、ネットワークなどインフラの一通りの知識が求められるようになってきています。
企業によってはプログラマーをはじめとする開発職が多いのに、インフラエンジニアを確保できないところも少なくありません。そのため、インフラ周りの作業を一通り丸投げできるインフラエンジニアは意外と需要があります。
また、インフラエンジニアについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてみてくださいね。
→【徹底解説】インフラエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性・必要なスキルも紹介
セキュリティの知識を深めてセキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアはデータベースエンジニアなどインフラ関連の担当者が兼ねていることが多いですが、近年セキュリティエンジニアのポジションを用意する企業が増えています。
サイバー攻撃が多様化かつ複雑化している現代において、社会のIT化を進めていくにはセキュリティの強化が必須です。そこで、大手や重要な個人情報を取り扱う企業を中心に、セキュリティのエキスパートであるセキュリティエンジニアが必要とされています。
データベースエンジニアに必要なスキルは?
データベースエンジニアは需要が狭いので、データベースだけの知識では将来性があまり期待できないのが現状。ただし、需要が0というわけではないですし、やりがいもある仕事なので、どうしてもデータベースエンジニアになりたい、もしくはデータベースエンジニアから先ほど紹介した仕事にキャリアアップしたいという方もいるでしょう。
データベースエンジニアに必要なスキルは以下の通り。
データベース設計は開発側にも影響を及ぼすので、開発側の事情を汲み取れるだけのシステム開発の知識も必須です。また、データベースエンジニアはチームに一人で配属されるのが一般的。
チームの人からのデータベースに関する質問に答えたり、データベースに関する提案をしたりする必要があるので、プレゼンをはじめとするヒューマンスキルも求められます。このように、データベースエンジニアに求められるスキルは多岐にわたります。
これだけ幅広いスキルが求められるのに、将来性は限られていることを考えると、やめとけと言われるのも無理はありませんね。データベースエンジニアに求められるスキルは以下の記事で詳しく解説しているので、お時間があれば読んでみてください。
→データベースエンジニア必須スキル6選!身につける方法から学習方法も解説
データベースエンジニアに必要な資格は?
データベースエンジニアを目指すにあたっては、資格を取得しておくと有利に働くことがあります。データベースに関する代表的な資格は以下の4つです。
特にOracle Masterの最上位にあたるGOLDや、基本・応用情報技術者のさらに上の資格であるデータベーススペシャリストは高く評価されやすい傾向にあります。また、データベースの知識はIT業界のどんな職でも必要とされるので、データベースエンジニアから他の職種にキャリアチェンジする際にも役立つでしょう。
資格の内容については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
→【2021年最新】データベースエンジニアが取るべき資格8選!
まとめ
データベースエンジニアの将来性は、大企業のオンプレミス回帰と中小企業のクラウド化により、需要が大企業に偏るでしょう。そのため、今まで以上にデータベースエンジニアは狭き門となっていくことが予測されます。
そこで、将来的に生き残れるデータベースエンジニアを目指すには、インフラ全般やクラウド、データサイエンス、マネジメントなど、プラスαのスキルを身に着けていくことが大切でしょう。
データベースエンジニアは目指すだけでも難しいうえに、生き残るのも難しいというなかなか大変な仕事です。しかし、データベースの知識はどんな現場でも求められるので、スキルさえ身に着ければどこでも活躍できること間違いなしでしょう。
自分の適性をよく見極め、自分に合ったスキルを身に着けて、将来的に生き残れるデータベースエンジニアを目指してください。