屋号でフリーランスエンジニアの収入が変わる?実例や決め方も紹介

「フリーランスエンジニアとして活動するなら、屋号は必要?」
「本名のまま仕事を受けるのって良くないの?…」
「屋号ってどうやって決めたらいいの?」

屋号をつけて活動するフリーランスエンジニアが周りにいると「このまま本名で仕事してていいのかな?」と心配になる人もいるのではないでしょうか。

そもそも屋号がどんな場面で役立つのかイメージが湧かない人もいますよね。

しかし結論、フリーランスエンジニアは屋号をつけて活動するべきです。屋号の有無で取引先からの印象が変わります。

そこで、今回はなぜフリーランスエンジニアに屋号は必要なのか、その理由を屋号のない弊害も交えて紹介します。また、屋号のつけ方や屋号の例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

屋号はフリーランスエンジニアの信用の証

フリーランスエンジニアにとって屋号は信用の証です。屋号を持つと、ビジネスに注力している印象を受けるため、取引先から信用を得られます。

ただ、本名でフリーランスエンジニアとして活動しクライアントから信用を得ていれば、無理に屋号を持つ必要はありません。

急に屋号を持つと次のような手間がかかるからです。

  • 取引先に挨拶回りが必要
  • 名刺を作成し直し
  • 請求書や領収書の宛名欄のフォーマット変更

しかし、節税のため法人化を検討している人は、上記の手間をかけてでも屋号を持つべきです。法人名を屋号にすれば、これまでの実績や信頼をそのまま引き継げます。

これからフリーランスエンジニアへ独立する人は、取引先から信頼されるために屋号を持つのが賢明です。信用されなければ案件の獲得は難しく、活躍できない可能性がありますよ。

屋号のないフリーランスエンジニアが陥る3つの弊害

つづいて、屋号のないフリーランスエンジニアが陥る3つの弊害を解説します。

  1. 継続案件を獲得しにくい
  2. スキルアップしにくい
  3. 営業活動の成果が出にくい

1.継続案件を獲得しにくい

フリーランスエンジニアが屋号を持たないで活動すると、ビジネスの真剣さが伝わりづらいため継続案件を獲得しにくくなります。

クライアントは高い精度で仕事をしてもらいたいため、まず単発の仕事で様子をみます。たとえば、1ヶ月の契約をして技術面だけでなくビジネススキルも総合的に判断しますよ。

無事に契約を継続してもらえればホッとできますが、契約終了となればまた案件探しから始めることになるのです。

一方、名刺やメールアドレスに屋号を使うだけで取引先に与える印象は変わります。取引先に業務をきちんと行う印象を与えるため、継続を前提とした案件や契約期間が長い仕事を得やすいです。

屋号を持たないと取引先にビジネスの本気度が伝わりにくく、良い印象を与えないこともあります。

2.スキルアップしにくい

屋号を持たない弊害として、低単価の案件獲得が多くなるため、スキルアップしにくいこともあげられます。

というのも、高単価の案件では振込先が屋号名義の口座でないと契約しない取引先もいるからです。

高単価の案件を取れなければ、多少のスキルがあれば誰でもできる単純作業や作業量が多い低単価案件も視野に入れなければなりませんね。

上記のような業務では単価を上げることは難しく、忙しいだけで新しいスキルも身につかないことが多いです。

取引先から信用を得るためにも屋号は重要になりますよ。

3.営業活動の成果が出にくい

屋号を持たないと、数多くいる同業者に埋もれてしまうため、営業活動の成果がでにくくなります。

人はストーリーに乗せて物事を覚えると記憶しやすくなります。たとえば、入学初日、全員の名前が書かれた名簿を見ても、名前を覚えられないですよね。

実際に、趣味やアニメの話をした人なら記憶に残ります。楽しい会話と名前をセットで記憶するからです。

営業活動も同じ。何かしらの物語に乗せて営業活動を行わなければ、名前を覚えてもらえず、ライバルに埋もれてしまいますよ。だからこそ屋号が大切で、得意な業務などを屋号としてつけると名前と顔、業務領域をクライアントに覚えてもらえるのです。

一方、屋号がなければ、名前を覚えてもらえず仕事を獲得することは難しくなりますよ。

フリーランスエンジニアが理解するべき屋号に関する基礎知識

ここからは、フリーランスエンジニアが理解するべき屋号に関する基礎知識を紹介します。

  1. 屋号は必須ではない
  2. 頻繁に屋号を変更すると信用が落ちる
  3. 屋号を使う場面

1.屋号は必須ではない

フリーランスエンジニアに独立したからといって、必ず屋号を持つ必要はありません。屋号をつけることが義務ではないからです。

そうなら「屋号を考えるのは手間だし、屋号はいらない!」と考える人もいるでしょう。

しかし、屋号を持つメリットは大きいです。たとえば、取引先から信用を得たり、ビジネスをしっかり行う印象を与えられます。結果として、仕事を得やすくなるのです。

一方、デメリットはほとんどありません。強いて言うなら、屋号の名前次第では業務の範囲を狭めてしまうことがあるくらいです。

屋号は必須ではありませんが、屋号を持つメリットは大きいので、屋号を持つことをおすすめしますよ。

2.頻繁に屋号を変更すると信用が落ちる

取引先への信用を落としてしまう可能性があるため、屋号はできるだけ変更しない方がいいです。

屋号を何回も変えると、取引先は「トラブルを起こしたのは?」と感じます。仕事に影響が出ないように、業務の依頼をしないことも考えられるのです。

とはいえ、屋号の変更は書類を提出する等の手続きがいらないため、好きなタイミングで変更はできます。確定申告書に変えた屋号名を記載するだけです。

どうしても屋号を変更する場合は、事業への影響も考え、慎重な判断で屋号の変更を行いましょう。

屋号は何回でも変えられますが、可能な限り変更しないことがベスト。一度決めた屋号をずっと使うイメージで屋号をつけるといいでしょう。

3.屋号を使う場面

フリーランスエンジニアが屋号を使う場面は次のとおりです。

  • 請求書や見積書など取引先とやりとりを行う書類
  • 銀行口座名
  • 名刺やホームページに記載

基本的には、屋号は取引先とのやりとりで使用します。だからこそ屋号は重要で、パッと思いついたものではなく考えてつけた屋号がいいですよ。

そこで、次からフリーランスエンジニアの屋号の決め方を解説するので、参考にしてくださいね。

フリーランスエンジニアが屋号を決める4つのステップ

ここからは、屋号の決め方を次の4ステップで解説します。

  1. 屋号で使える文字や記号を知る
  2. 一目でエンジニアだとわかる屋号の候補を出す
  3. 商標登録されている屋号と被っていないかを確認する
  4. ドメインにも活用できるかをチェックする

1.屋号で使える文字や記号を知る

まずは、屋号で使える文字や記号をおさえましょう。

基本的に屋号に使える文字や記号の制限はありません。しかし、次のような会社や銀行、労働金庫を連想させるワードは使用できないので注意が必要です。

  • 会社、inc.
  • 銀行
  • 信用金庫
  • 保険
  • 法人
  • 社会福祉法人

なお、法人名を屋号にする場合は使える文字や記号は決められているため、注意が必要になります。

  • ひらがな
  • カタカナ
  • 漢字
  • ローマ字
  • アラビア数字
  • & ’(アポストロフィ)
  • ,(コンマ)
  • -(ハイフン)
  • .(ピリオド)
  • ・(中点)

参考:法務省

上記の文字と記号を使って屋号にすれば、法人を設立した後も引き続き法人名で利用できます。

2.一目でエンジニアだとわかる屋号の候補を出す

つづいて、一目みてエンジニアだとわかる屋号の候補を出します。おおよその仕事がわかる屋号がベストです。

あまりにも業務範囲を絞り過ぎてしまったりエンジニアと気づかない屋号をつけると、仕事の幅を自ら狭めてしまうことにもつながります。

具体的には「Pythonが得意なフリーランスエンジニア」といった文言を入れてしまうと、その言語だけしか扱えないフリーランスエンジニアなのかと誤解を生みかねません。

逆に、カフェなどのエンジニアとかけ離れた言葉を使うと取引先の記憶に残りにくいです。

その他、屋号をつける際に気を付けるポイントは3つあります。

  • 読みやすい屋号
  • 聞きやすい屋号
  • 長すぎない屋号

屋号は取引先とのやりとりで使うものなので、「なんて読むの?」「聞き取れない…」とクライアントを混乱させる屋号は相応しくありません。

読みやすさと聞きやすさに重点をおいて、パッと見てエンジニアだとわかる屋号をいくつか出してみましょう。

3.商標登録されている屋号と被っていないかを確認する

つづいて、屋号の候補が商標登録されていないか確認します。商標登録されているワードは屋号に使えません。

商標登録とは、商品やサービスにつける名前やロゴを特許庁に登録すること。商標登録すると、無断使用などの権利侵害から法的に守られます。

商標登録されているものを屋号として使うとビジネスリスクを抱えてしまうため、よくリサーチする必要があります。

商標登録されているものはJ-PlatPatのサイトで調べられますよ。また、商号登録(屋号を法務局に登録すること)されているものは同一市町村で使えないので、こちらも登記情報提供サービスで事前に調べておきましょう。

4.ドメインにも活用できるかをチェックする

つづいて、屋号の候補でドメインが取得できるのかも調べます。ドメインをホームページやメールアドレスに活用できます。

屋号と同じドメインが取れるかはValue DomainX serverで調べられます。すでにドメインが取得されていれば、同じドメインは取れません。

屋号と同じドメインを取得できると、クライアントの信頼を得られるなどメリットが大きいですよ。

たとえば、屋号と同じドメインでホームページを開設するのも有効。実績を提示できたり、営業活動になります。また連絡先としてメールアドレスの作成も可能です。

屋号と同一のドメインが取れず、ホームページがない場合やメールアドレスがフリーのものを使うと、取引先に「この人に仕事を任せて大丈夫かな…」と不安を抱かれてしまいますよ。

屋号と同じドメインが取得できるのかも、フリーランランスエンジニアとして活躍するには重要です。

フリーランスエンジニアにおすすめの屋号例

屋号の決め方はわかっても「具体的にどのような屋号をつけたらいいの?」と疑問を持ちますよね。

そこで、ここからはフリーランスエンジニアにおすすめの屋号例をおすすめのワードや理由と合わせて紹介します。

また、名前を覚えてもらう意味合いでも、名前またはイニシャルとおすすめのワードを組み合わせた屋号がいいですよ。

具体的には次のとおり。

おすすめの屋号例おすすめのワードおすすめの理由
佐藤プロジェクトプロジェクト計画力やコミュニケーション能力に長けた印象を付けやすくするため
鈴木システムシステム開発力に長けた印象を抱きやすくなるため
田中Mテクノロジーズテクノロジーズ 技術力に長けた印象を抱きやすくなるため
STラボ ラボ IT分野に特化した印象を付けやすくするため
TAクラウド 得意の領域 専門性に特化した印象を持ちやすくするため

名前と屋号を合わせて覚えてもらえ、かつ読みやすく聞きやすい屋号がベストですよ。

屋号を決めたフリーランスエンジニアがやるべきこと

ここまで読み進めて屋号を決めたあなたは、一安心しているでしょう。ですが、屋号をつけただけでは取引先の信頼を得られません。

取引先の信用を得て仕事を獲得するために、フリーランスエンジニアがやるべきことは3つあります。

  1. 屋号名義の銀行口座を開設
  2. 屋号でドメイン取得
  3. 屋号入りの名刺作成

1.屋号名義の銀行口座を開設

屋号をつけた後にするべきことは、屋号名義の銀行口座の開設です。業務用として屋号名義の銀行口座を使うと、取引先に不安を抱かせることはありませんよ。

屋号のみで口座を開設することは難しいので、屋号と代表者の名義で口座を作ります。

個人口座とは異なるため、口座開設には次のような違いがありますよ。

  • 開設するまでに1週間ほどかかる
  • 自宅または事務所から一番近い支店の口座しか作れない

『屋号+代表者』の名義で口座を作るために必要な書類は4つです。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 印鑑
  • 開業届
  • 屋号を確認できる書類(納税証明書、商業登記簿謄本、事務所の賃貸契約書、確定申告書など)

屋号を確認できる書類では屋号が記載されているものを持参してくださいね。屋号を確認できる書類がない場合は銀行へ問い合わせしてみましょう。

2.屋号でドメイン取得

屋号を持ったら、ホームページやメールのアドレスに活用するため、ドメインの取得もしましょう。

ドメインには新品と中古があり、中古の場合は注意が必要です。中古のドメインとは過去に利用され、更新されず使われなくなったドメインになります。

中古ドメインは過去に問題を起こしている可能性もあるので、中古ドメインを取得する際には十分な調査をしてくださいね。

ドメインの取得は、お名前.comX serverで行えます。ドメインを取得すると、初年度に登録料、2年目以降は更新料がかかりますよ。

どこのサイトを使っても、かかる料金はそれほど大きくかわりません。登録料がおよそ100~1000円、更新料が1000~3000円ほどです。

『.com』や『.jp』、『.net』など利用するドメインによって費用が異なりますので、ドメインを維持する費用を考えて、決めることをおすすめしますよ。

3.屋号入りの名刺作成

つづいて、自分自身を印象づけ、事業のPRを手助けするツールになるため、屋号を入れて名刺を作成します。

フリーランスエンジニアが屋号入りの名刺を作る方法は3つあります。

  • デザイナーに依頼する
  • 自分で作る
  • 印刷会社のフォーマットを使う

自分で名刺を作れば費用をおさえられます。ですがデザインにこだわった名刺を作る場合はデザイナーに依頼することがおすすめ。

たとえば、ココナラなら何人もいるデザイナーの中から依頼する人を決められるので、イメージ通りの名刺ができますよ。

相手に渡したくなる屋号入りの名刺を作り、コミュニケーションツールとしても活用しましょう。

まとめ

今回はフリーランスエンジニアが屋号を決める方法やおすすめの屋号例、屋号を決めたらやるべきことを解説しました。

取引先から信頼を得られるため、フリーランスエンジニアとして活動するなら屋号をつけておくのが賢明です。

さらに屋号をドメインに活用すれば、ビジネスの真剣さも伝わり仕事も得やすくなりますよ。

ただもちろん、屋号を持てば案件を獲得できるわけではありません。

フリーランスエンジニアとして活躍するためには、取引先からの信頼を得ながら収入を増やすのがベストです。

弊社フリーランスのミカタでは、次のような高単価かつ継続前提の案件を豊富に取り揃えています。

出典:フリーランスのミカタ
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