「フリーランスエンジニアは単価交渉を行うと報酬を上げられるの?」
「単価交渉のやり方がわからない…」
フリーランスエンジニアの働き方に満足しているものの、理想の収入が得られていない人は多いですよね。
ただ、報酬をあげようと単価交渉しようにも取引先へどう伝えればいいのか、イメージが湧かない人もいるはず。
契約開始時から単価が変わらず、実力に見合わない報酬で働き続けては「もっと収入が上げられたはずなのに…」と後悔しかねません。
そこで、今回は例も交えフリーランスエンジニアが単価交渉する方法を解説します。単価交渉に欠かせないものや適したタイミング、うまくいかない時の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、フリーランスの案件をどう探せばいいのか、思うように条件へ適した案件が見つからない人は「フリーランスのミカタ」をご活用ください。
フリーランスのミカタには、リモート案件を中心とした中・長期間で働ける仕事を豊富に掲載しています。希望年収や稼働時間だけでなく、扱うプログラミング言語などを細かく指定して案件を探せるため、効率的に自分にあう仕事を見つけられます。
条件に適した案件を探している人は、ぜひ一度お試しください。
フリーランスエンジニアの単価交渉には「タイミング」と「根拠」が不可欠
大前提として、フリーランスエンジニアの単価交渉には「タイミング」と「根拠」が欠かせません。
単価交渉はタイミングをうかがい、取引先が納得するような根拠を明示してはじめて、受けいれられるものだからです。
そのため、フリーランスエンジニアは単価交渉するために事前準備が必要となります。なんとなくや思いつきでは取引先は単価交渉に応じてもらえないことを念頭に置きましょう。
単価交渉で必ず報酬が上がるとは限らない
フリーランスエンジニアは単価交渉のタイミングをうかがい、根拠を提示しても必ずしも報酬が上がるとは限りません。
取引先には、人件費にかけられる予算が決められています。加えて、プロジェクトの規模次第では複数のフリーランスエンジニアと契約したり、途中で増員する場合もあるのです。
複数のフリーランスが同時に単価交渉を行えば予算を超えることが予想されるため、取引先は応じづらくなります。
そこで、取引先はより継続的に案件へ参画し豊富なスキルを有するフリーランスエンジニアを優先し報酬を上げるのです。
他のフリーランスエンジニアとの兼ね合い次第では、フリーランスエンジニアがタイミングをうかがい根拠を提示しても、報酬が上がらない可能性があります。
不安な人はエージェントサービスの活用もおすすめ
単価交渉に不安を抱える人は、エージェントサービスの活用がおすすめです。
フリーランスエージェントを利用すれば、担当者に単価交渉を任せられます。なかでも、専属の担当者がつきサポート体制も充実した『フリーランスのミカタ』がおすすめです。
他エージェントでは、案件紹介や取引先との面談など業務ごとで担当者が変わるところもあります。
フリーランスのミカタなら、案件紹介から契約締結まで一人の担当者がフリーランスを担当するため、単価交渉の依頼といった伝達ミスが起こらず安心して利用できます。
なお、フリーランスのミカタがどんな案件サイトなのか詳しく知りたい方は、次の記事もあわせて参考にしてください。
→ フリーランスのミカタとは?サービス内容や特徴、メリット・デメリット、口コミも紹介
フリーランスエンジニアの単価交渉に適したタイミング
ここからは、フリーランスエンジニアの単価交渉に適したタイミングを、2つにまとめて紹介します。
契約の更新時
フリーランスエンジニアの単価交渉に適したタイミングは、契約の更新時です。
取引先は、評価しているフリーランスエンジニアでなければ契約の更新を行いません。フリーランスで活動する人は数多くいるため、契約を継続せずとも他のフリーランスエンジニアを募集し仕事の依頼をすればいいですからね。
取引先との契約を更新できれば、あなたのスキルや経験、人柄などの評価が高いことを意味するため、単価交渉を行すると応じてくれる可能性が高くなります。
取引先との契約更新の話がでてきたなら、単価交渉をするベストなタイミングです。
追加の仕事依頼を受けた時
追加の仕事依頼を受けた時も、フリーランスエンジニアの単価交渉に適したタイミングです。
仕事量が増えることに加えて、取引先はあなたが作業をこなせると期待しているからこそ追加で仕事依頼をします。
仕事量の増加に応じて取引先の期待に応えることになるため、単価交渉を行うのによいタイミングなのです。
加えて、取引先は追加の仕事を引き受けてくれると助かるため、フリーランスエンジニアの単価交渉に応じやすい状況でもあります。
そのため、取引先から追加の仕事依頼を受けた際には、単価交渉をするのがベストなタイミングなのです。
フリーランスエンジニアの単価交渉に欠かせない根拠
ここからは、フリーランスエンジニアの単価交渉に欠かせない根拠を、3つにまとめて紹介します。
これまでの成果
これまでの成果は、フリーランスエンジニアの単価交渉に欠かせない根拠の1つです。
具体的な実績を提示すれば、求めるレベルで仕事をこなせるうえに、真面目な仕事振りや人柄を期待して、取引先が単価交渉に応じやすくなります。
たとえば、前プロジェクトでアプリ開発の改善提案を行い、チーム全体で作業効率を上げる成果を出したと正確に伝わるように知らせるのが賢明です。
加えて、これまでの実績が単価アップの判断材料となるため、成果は多いほど単価交渉が成功しやすくなります。
そのため、携わったプロジェクトごとに実績をまとめて取引先へ伝えることが単価交渉成功へのカギなのです。
単価相場との相違
単価相場との相違も、フリーランスエンジニアの単価交渉に欠かせない根拠です。
取引先はフリーランスエンジニアに可能な限り長く働くことを期待します。人が入れ替わる度に募集をかけて契約するには手間がかかるうえに、フリーランスエンジニアが仕事に慣れるまで仕事がスムーズに進みませんからね。
取引先が単価交渉に応じやすくするためにも、任せられた仕事と同様の案件を検索して単価相場を確認するのが賢明です。
類似案件の具体的な仕事内容や契約期間とともに案件単価を取引先に伝えましょう。情報が正確であるほど取引先は、単価相場に近い金額で交渉に応じてくれやすくなります。
そのため、取引先の仕事内容と同様の案件は可能な限り案件数を多く提示するといいでしょう。
今後の貢献度
フリーランスエンジニアの単価交渉で欠かせない根拠には、今後の貢献度もあります。
取引先は、フリーランスエンジニアと契約を継続して仕事で貢献してくれることを期待しているのです。
そこで、習得中のスキルや知識を示し今後も貢献できると取引先に伝えると単価交渉に応じてもらいやすくなります。
特に、取引先の仕事に関連するスキルであるほど、貢献度は高いのです。たとえば、アプリ開発の担当であれば、クラウドのスキルを身につけると任せられる仕事の幅が広がるため、より取引先に貢献できます。
取引先への貢献度を上げるためにも、仕事内容に関連するスキルと知識の習得が欠かせません。
フリーランスエンジニアが単価交渉する3つの方法
ここからは、例も交えフリーランスエンジニアが単価交渉をする方法を、3つにまとめて解説します。
方法1:自身の成果をもとに交渉する
フリーランスエンジニアが単価交渉を行うには、自身の成果をもとに交渉を行う方法があります。
具体的な成果を提示すれば、取引先は単価アップの検討をしやすくなるのです。成果は詳細なほど、スキルレベルや知識量をイメージしやすくなります。
そこで、これまでの実績を次のように提示して、取引先の求めるレベルで仕事が可能と判断させ、単価交渉に応じやすくするのが賢明です。
いつもお世話になっております。○○です。
本日は、契約金額の相談をしたく、ご連絡を差し上げました。
先日、プロジェクトリーダーからアプリの売上が10%向上したと報告をいただいております。御社に貢献でき、私も嬉しく思います。
今後とも、御社とは末長く仕事をご一緒したいと願っています。
そこで、大変恐縮ですが、契約金額の引き上げをご検討いただけると幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
示す成果は取引先の仕事内容に近いプロジェクトでの実績にすると仕事振りを想像できるため、より単価アップの期待が高まります。
方法2:他取引先の提示単価をもとに交渉する
他取引先の提示単価を示すことも、フリーランスエンジニアが単価交渉を行う方法の1つです。
フリーランスは仕事が途切れないように、またはすぐに案件を獲得するため同時に案件へ応募することもあります。
類似の仕事内容へ応募するなら、各々の案件単価を比較するのが賢明です。案件単価が低い取引先に他の取引先で提示された金額を次のように示せば、単価交渉ができます。
いつもお世話になっております。〇〇です。
これまで仕事をご一緒させていただいた経験から、少しづつ開発スキルが向上していると感じております。
そこで、本日は契約金額を上げていただきたく、ご連絡差し上げました。
お引き受けいただいた際には、より高品質の状態で納品できるよう精進していく所存です。
なお、他の取引先様より単価○○円の提示をいただいております。この金額を基準にご相談させていただければと思います。
大変恐縮ですが、ご検討いただけると幸いです。何卒宜しくお願い致します。
他取引先の提示単価を示すと金額の基準ができるため、取引先との単価交渉がスムーズに進みやすくなります。
方法3:今後の貢献を織り込んで交渉する
フリーランスエンジニアが単価交渉を行うには、今後の貢献を織り込む方法もあります。
フリーランスは案件獲得の幅を広げるために、スキルアップし続けることが欠かせません。新たに習得するスキルを仕事内容に関連のある知識にして次のように追加で仕事を得られるようにすれば、継続的に取引できる可能性が高まります。
いつもお世話になっております。○○です。
本日は契約金額を上げていただきたく、ご連絡差し上げました。
改めて、御社とは次のような仕事内容で契約させていただいております。
~仕事内容を記載~
現在の仕事内容を行うスキルに加え、私は今後○○のスキルを習得予定です。このスキルを身につけることで、御社の仕事で○○に貢献できると考えています。
引き続き御社のお役に立ちたいと考えておりますので、大変恐縮ではありますが、契約金額の引き上げをご検討いただけると幸いです。何卒宜しくお願い致します。
今後の貢献を織り込むと、単価アップに加えて長期的に契約を継続できる可能性があるため、フリーランス活動を続けやすいといった利点があります。
フリーランスエンジニアが単価交渉する5STEP
ここからは、フリーランスエンジニアが単価交渉する際の具体的な手順を、5つのステップにまとめて解説します。
- STEP1:交渉に必要な根拠を整理する
- STEP2:取引先との交渉日時を決める
- STEP3:単価相場を確認し希望単価を決める
- STEP4:希望単価に見合う作業量を明示する
- STEP5:取引先との認識にズレがないかを確認する
STEP1:交渉に必要な根拠を整理する
まず、単価交渉に必要な根拠を整理しましょう。
単価交渉に必要な根拠を次のように、具体的な実績や単価に加えて習得中のスキルとともに書き出し、ポートフォリオにまとめます。
これまでの成果 | 例)取引先の売上10%向上に貢献 |
単価相場との相違 | 例)取引先A:70万、取引先B:80万 |
今後の貢献度 | 例)機械学習を習得中につき、AI開発に貢献可能 |
取引先に単価交渉の根拠を示すと単価アップの判断材料になるため、実績や習得中のスキルは多いほど望ましいです。
加えて、プロジェクトをスムーズに進めるため改善提案や問題点の共有を実施した経験があれば、さらに書き加えて単価アップの説得力を増すのが賢明です。
自らの実績や経験を振り返りつつ、ポートフォリオへの記載漏れがないよう確認しながら交渉に必要な根拠を整理しましょう。
STEP2:取引先との交渉日時を決める
つづいて、取引先との交渉日時を決めます。
単価交渉が成功しやすいタイミングでなければ取引先が応じる可能性は低いため、前述したとおり、次のようなタイミングで日時を設定しましょう。
- 契約の更新時
- 追加の仕事依頼を受けた時
STEP1の準備を整えておけば、取引先から話を受けて翌日にも単価交渉を行えます。単価交渉がうまくいかない可能性も考慮し、可能な限り早めに行動するのが賢明です。
できれば取引先から話を受けた翌日に単価交渉を行いましょう。
STEP3:単価相場を確認し希望単価を決める
次に、整理した根拠をもとに希望単価を決めます。
他取引先からの提示単価をもとに、STEP1でまとめてポートフォリオを照らし合わせ、スキルや経験、実績に合う単価を決めるのが賢明です。
加えて、案件サイトで単価相場を確認することも欠かせません。ただし、必要スキルや経験で同じだとしてもサイトごとで多少単価が異なるため、複数サイトで単価を把握しましょう。
STEP4:希望単価に見合う作業量を明示する
希望単価を決めたら、見合う作業量を明示します。
単価アップに合わせて取引先へ貢献する誠意を示すと、単価交渉がうまくいきやすくなります。
たとえば、習得中のスキルを伝え現状の仕事内容に加えて新たな仕事も受けられるというように、作業量を増やせば、単価アップに応じやすくなるのです。
さらに習得中のスキルにより、これまで以上に高品質の状態で納品可能なことを示せば、取引先の満足度も高まります。
継続的に更新できたうえで、作業量を増やせることを示すことが賢明です。
STEP5:取引先との認識にズレがないかを確認する
最後に、取引先との認識にズレがないかを確認します。
互いに仕事内容や今後発揮可能な価値への認識が一致しなければ、フリーランスエンジニアの希望単価では契約できません。
互いに相違がないように、仕事内容に加えてSTEP4で増やせる作業量や習得中のスキルで取引先にどのような価値を提供できるのかを示し伝えることが大切です。
取引先が満足し納得しなければ単価交渉には応じないため、STEP1~4の最終確認を行うといった細かな準備が欠かせません。
フリーランスエンジニアが単価交渉に失敗した際の対処法
最後に、フリーランスエンジニアが単価交渉に失敗した際の対処法を、3つにまとめて紹介します。
取引先に希望単価が見込める条件を提示してもらう
希望単価が見込める条件を提示してもらうことは、単価交渉が失敗した際に行う対処法の1つです。
仕事内容といった契約条件の変更または追加をすれば、取引先は希望単価に応じる可能性があります。
たとえば、取引先で受ける仕事量を増やすことや契約期間を長くするといった新しい条件に対応できれば、希望単価で契約できる可能性があるのです。
単価交渉がうまくいかないことは珍しくないため、すぐに諦めるのは避けましょう。交渉力を身につけるためにも、取引先とあなたが相互に納得できる条件を見つけるのが賢明です。
新たな案件を獲得する
フリーランスエンジニアが単価交渉に失敗した際には、新たな案件を獲得する方法もあります。
前述したとおり、取引先には予算があるため交渉を重ねても、希望単価で契約できないこともあるのです。
あなたが対応可能な条件を提示しても取引先が応じない場合は単価交渉を諦めて、別の案件へ応募すれば希望単価で働きやすくなります。
フリーランス案件なら案件数が豊富なため、同様の仕事内容で案件単価を上げることは可能です。案件検索を行い希望条件で働ける仕事を見つけつつ取引先を変えるといった判断が賢明な場合もあります。
新たな案件を獲得することは思い切りのいる判断ではあるものの、新たな挑戦ができる機会でもあるため、恐れずチャレンジしましょう。
フリーランスエージェントを利用する
フリーランスエージェントを利用することも、単価交渉が失敗した際に行う対処法の1つです。
フリーランスエージェントは単価交渉の方法を熟知しているため、エージェントに相談し、担当者に交渉を任せることもできます。
フリーランスエージェントは、案件紹介から単価交渉、契約までの全工程を代行するサービスです。多くのフリーランスに仕事を紹介し取引先と契約を締結しているため、単価交渉の経験も数多くあります。
そのため、フリーランスエンジニアが交渉術を学び実践するよりもエージェントに任せることで、単価交渉が成功する可能性が高まるのです。
数多くあるフリーランスエージェントのなかでも、実績が豊富なエージェントを利用すれば、単価交渉を任せられます。
単価交渉をフリーランスエージェントに任せると、スキルアップに時間を使えるといったメリットもあります。
フリーランス活動の全てを自分でこなす必要はないため、時間を有効に使うのが賢明です。
まとめ
今回は、フリーランスエンジニアの単価交渉ガイドを、やり方やタイミングを交えて紹介しました。
フリーランスエンジニアが単価交渉を行うには、事前準備が大切です。単価アップをお願いする理由を、根拠とともに取引先に伝えなければ取引先は単価交渉に応じてくれません。
これまでの経験や実績をまとめて成果を示して、単価を上げれば貢献度が高いと取引先を納得させることが重要です。
加えて、単価交渉を行うタイミングにも注意点があります。取引先には予算や人員の都合があるため、新年度や契約更新の時期がベストタイミングです。
事前準備や情報を整理して、希望単価に近い金額で契約できるように単価交渉を行いましょう。