フリーランスの確定申告はいくらから?条件やおすすめの会計ソフトも紹介

フリーランスになり毎年3月の時期になると慌ててやりだす確定申告。初めてのフリーランスは確定申告に対して、

「確定申告するのがめんどくさい……」

「税理士にお願いしたいけど、高くて頼めない…」

などといったネガティブな考えをお持ちでないでしょうか?

確定申告ってややこしい説明資料とか書類の多さ、めんどくさい経理関連で、いいイメージがないですよね。筆者も今年確定申告をしましたが、すごく大変でした。

そんな中でも迷ったのは、

「フリーランスの確定申告っていくらからすればいいの?」

「扶養の範囲内に納めるためにはどうしたらいいの?」

「できる限り税金を安く収めたい!」

なんて思っていませんか?

所得税をはじめ、税金は稼いだ分必ず払わなければいけないお金です。しかし、払うべき金額をできる限り安くしたいと思うのは当然ですよね。

そこで今回は、フリーランスの確定申告はいくらからすればいいのか?について解説していきます。また、扶養に入るためにはどうすればいいのか?確定申告をするおすすめのソフトもご紹介。

ぜひこの記事を2022年以降の確定申告に役立ててください。

フリーランスの確定申告は絶対必要?

基本的にフリーランスは確定申告が必要です。確定申告をしなくてもいいケースもありますが、所得の金額に応じて確定申告はしなくてはいけません。

フリーランスの確定申告は絶対必要?

上記2点について以下で詳しく見ていきましょう。

基本的には確定申告は必要

冒頭でも説明しましたが、フリーランスは基本的に確定申告が必要と理解しておきましょう。なぜなら、憲法上で定められた国民の義務だからですね。それ以上でもそれ以下でもありません。

確定申告はあなたの所得税を決めるためのものです。確定申告の収入の結果、翌年の住民税や社会保険料などの金額が決まります。

したがって、確定申告をしなければあなたが納める税金が不明確となるということですね。

また、クライアント側が源泉徴収を行うこともあり、所得税を先に納付しているケースもあります。

確定申告をしなければ、還付金といわれる払いすぎた所得税を返してもらえる制度を活用できず、本来払うべきではない所得税を納めることになります。

いわゆる損してしまうってことですね。

上記の理由を踏まえ、フリーランスは確定申告をする必要があると考えておきましょう。

所得金額によって変わる

上記で確定申告はするべきとお伝えしましたが、例外もあります。どんな例外かというと、事業所得が48万円以下の場合、確定申告はしなくても大丈夫です

なぜ48万円かというと、これは確定申告における基礎控除の額なのです。

たとえば、収入(売上)が50万円で、経費が30万円かかったとすると、以下のような計算式になります。

50万円-30万円-48万円(基礎控除)= -28万円

このように、基礎控除を差し引いた後の所得金額がマイナスであったり0円だった場合には、確定申告をして納める所得税は発生しないことになります。

つまり、所得48万円をボーダーラインに確定申告をするかしないかの判断が分かれてくるのです。

フリーランスの確定申告はいくらからすればいいの?

所得が38万円以下の場合は扶養

フリーランスでも、その年の事業所得が38万円以下なら扶養に入ったままでいられます。詳しくは後述しますが、これは、配偶者控除を受ける条件のひとつです。事業所得が38万円を超えると配偶者控除の対象とはなりません。

この金額だけでみると、月換算して、約3万円弱しか稼げないことになってしまいます。「たいして稼げないな」と思うかもしれませんが、青色申告を利用すれば、103万円まで稼ぐことが可能です。

また、事業所得が48万円を超えなければ、確定申告の必要はありませんが、フリーランスが扶養控除を利用するためには、青色申告が必要となってきます。

扶養控除を利用するのなら、確定申告はしたほうが良いといえます。

フリーランスで扶養に入っている場合の確定申告

基本は扶養に入っていないときと同じ

扶養に入っていても、基本的には確定申告の必要性・やり方は、扶養に入っていない場合と同じです。

ですが、扶養に入ったまま「ある程度の収入を得たい」という場合、青色申告特別控除を利用したほうがいいため、確定申告を行ったほうがよいケースもあります。

配偶者控除に限っていうならば、確定申告はしたほうがいいでしょう。

確定申告をしても扶養からはずれるとは限らない

詳しくは後述しますが、確定申告をしたからといって、必ずしも扶養からはずれるとは限りません。

いくつか条件がありますが、たとえフリーランスで扶養に入ったまま働いていても、というよりも扶養に入っているからこそ確定申告をすることが必要になってきます。

「103万円の壁」「130万円の壁」

よく、扶養されている人が働いていると「103万円の壁」や「130万円の壁」などといった言葉を耳にすることがあるでしょう。

これらは、その金額を超えると扶養からはずれるというボーダーラインのことです。以下の2つの点から詳しく解説してきますね。

「103万円の壁」「130万円の壁」

税法上と社会保険上の違いがありますので、早速みていきましょう。

税法上の扶養

税法上の扶養とは、「配偶者控除(38万円、70歳以上は48万円)」を受けることができるかどうかです。

配偶者控除を受けるにはいくつかの条件がありますが、「103万円の壁」とは、この配偶者控除の条件のひとつである、「その年の合計所得金額が38万円以下(給与所得の場合は103万円以下)」からきています。

給与所得の場合は、給与所得控除65万円がありますので、計算上、

103万円-65万円=38万円

となります。しかし、フリーランスにはこの給与所得控除はありません。そこで、利用すべきなのが、青色申告特別控除65万円です。

これを利用すれば、フリーランスでも103万円まで稼いでも配偶者控除の対象から外れることはありません。

社会保険上の扶養

一方、社会保険上の扶養とは、自分で社会保険料を払うかどうかです。社会保険とは厚生年金や健康保険、介護保険などのことをさします。

これらは基準として、扶養されている人の年収が130万円未満とされている場合が多いです。これが、いわゆる「130万円の壁」です

しかし、扶養者(扶養している人)の加入する健康保険の規定により、条件が異なりますので必ず確認しておきましょう。

「年収130万円未満」だけの場合もあれば、「年収に加えて、月収108,334円(108,334円×12ヶ月=1,300,008円)未満であること」が条件になっていることもあります。

さらに、フリーランスの場合は、「年収130万円未満」でも、経費を引いた後の金額なのか、引く前の金額なのかの条件もありますので、扶養者の加入保険に確認を取りましょう。

扶養範囲内で働くには

以上のように、扶養範囲内で働くには所得をある程度制限しなければなりません。その制限内で、できる限り多くの収入を得るためには青色申告をして確定申告をすることが必須となるでしょう。

個人により求める収入の額に差はあると思いますが、上手に青色申告特別控除を利用するなどして、収入を得るのが得策と言えます。

フリーランスの確定申告におすすめの会計ソフト

弥生会計

やよい青色申告オンライン
出典元:やよい青色申告オンライン

弥生会計は、初心者向けのソフトです。初めて利用する際も、ナビゲーションが現れて、それに沿って入力をしていくだけで設定ができますよ。

また、伝票などを入力する際も、あらかじめ仕訳が登録されているので、家計簿感覚で入力していくことができ銀行口座やクレジットカードとの連携もできます。

データを自動的に取り込み、AI(人工知能)が自動的に仕訳をしてくれるので、帳簿付けの手間も省けるんですね。

インストール型とクラウド型がありますが、インストール型はWindowsのみ対応となっています。

freee

freee
出典元:freee

freeeはクラウド型の会計ソフトです。インターフェイスも使いやすく、弥生会計同様、家計簿感覚で記帳ができます。

こちらも銀行口座やクレジットカードと連携して、自動的にデータを取り込むことができますよ。また、請求書の作成などもでき、作成すると自動的に売上として帳簿に計上されます。

freeeの良いところは、スマホアプリを使うと、レシートをスキャンするだけでもデータの取り込みができるところです。これにより、パソコンを開かなくても記帳ができます。

マネーフォワード

マネーフォワードクラウド確定申告
出典元:マネフォワードクラウド確定申告

マネーフォワードもクラウド型の会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードとの連携もでき、AIによる自動仕訳などもあります。

freee同様クラウド型のため、データのバックアップが必要なく、ソフトの自動アップデートも行われますよ。

クラウド型の会計ソフトとしては、freeeと肩を並べる使い勝手の良いソフトであり、マネーフォワードもスマホアプリもあります。

フリーランスの確定申告に関するよくある質問

Q. フリーランスの確定申告はどうやればいいの?

フリーランスの確定申告には、会計ソフトを使うのが簡単です。

たとえばfreeeなら、確定申告の時期になるとログインした後の画面に「確定申告をしましょう」のようなバナーが表示されます。

また、質問に答えていくだけで簡単に確定申告書・青色申告書の作成ができます。詳しくは、以下の記事を参照してみてください。

【完全ガイド】フリーランスの確定申告についてやり方・節税・オススメ方法も解説

Q. 確定申告の必要書類って?

確定申告には、「確定申告書B」「青色申告決算書」(白色申告の場合は「収支内訳書」)が必要になります。

入手方法については、「税務署でもらう(もしくは郵送してもらう)」「国税庁のホームページからダウンロードしてプリントアウトする」「会計ソフトで作成入力してプリントアウトする」などの方法があります。

詳しい入手方法については以下の記事を参考にしてみてください。

【完全ガイド】フリーランスの確定申告のやり方をステップ形式でわかりやすく解説!

Q. 源泉徴収なしの場合、源泉徴収ありの場合と違う手続きや書類は必要?

源泉徴収なしの場合でも源泉徴収ありの場合と大きな違いはありません。

「確定申告書B」の記入が変わるだけで、源泉徴収なしの場合は確定申告書の「所得金額等」の欄に総収入の金額を記入し、その中に源泉徴収ありの分が含まれていたら、「源泉徴収税額」の欄に源泉徴収された金額を記入してください。

これも、会計ソフトを利用して確定申告書を作成すると自動的に入力されます。

まとめ

ここまで、いくらから確定申告が必要になるのか、扶養に入っている場合の確定申告などについてお話ししてきました。

  • フリーランスの確定申告は48万円をボーダーラインに考える
  • 扶養に入っている場合の確定申告の金額目安
  • 扶養には税法上・社会保険上の2種類がある

などについて、お伝えしました。

フリーランスと一言で表しても、扶養に入っているか・いないかで稼げる金額が限られてくることもお解りいただけたかと思います。

この記事を参考にして、ご自身の働き方について考えていただけると幸いです。