フリーランスになったばかりで、これから確定申告が必要となってくる方もいるのではないですか?
毎年必ずやってくる確定申告ですが、多くの方は
「確定申告ってどうやればいいんだろう?」
「確定申告ってめんどくさそうだな…」
「確定申告を簡単に済ます方法ってないの?」
と考えているのではないでしょうか。
確かに確定申告はやることも多いので面倒であり、初めての方にとっては特にハードルが高いものですよね。
ですが、確定申告を行うことは国民としての義務であり、疎かにしていては罰則を科せられてしまう場合もあります。
そこで今回は、確定申告のやり方をSTEP形式で分かりやすく解説していきます!また、確定申告を簡単に済ませるコツと注意点も合わせて紹介していきますね。
この記事を読めば、面倒な確定申告も簡単に行うことができるようになりますよ。
【前提知識】確定申告とは?
そもそも、なぜ確定申告をするの?
そもそも確定申告とは、収入から経費を差し引き、所得を確定させることです。
確定申告の役割としては、所得税の計算・確定をして、その後の住民税や社会保険料などを決定します。
この確定申告をしなければ諸々の納税額が決まらないのです。
これらの確定申告は会社員の場合だと、会社がやってくれますがフリーランスの場合は、あなた自身で行わなければなりません。
仮にこの確定申告をやらなければ、脱税扱いになります。所得を得た分は必ず収めるようにしましょう。
フリーランスの確定申告について詳しく知りたい人は、以下の記事でより詳細な解説をしていますのでどうぞ。
→【脱税対象?!】フリーランスの確定申告のやり方から申告しない場合の罰則
青色申告と白色申告
確定申告制度には、下記の2通りがあります。
- 青色申告
- 白色申告
青色申告は手続きが手間で難しい、白色申告は簡単にできるといった印象を持っていませんか?
しかし実はそこまで違いはなく、フリーランスの場合であれば青色申告の方が得をするケースが多いのです。
そこで青色申告と白色申告の違いについて紹介していきます。
確定申告の前に、青色申告と白色申告については前提知識になるのでしっかりと覚えておきましょう。
青色申告
青色申告は、事業者が日々の取引を帳簿へ記録し、その結果を確定申告書に記載して申告する制度のことです。
事業者とは、事業所得や不動産の所得、山林所得のいずれかの所得がある個人事業主のことを言います。
青色申告の場合は最大65万円まで、事業の儲けから差し引けるのが特徴。控除額が白色申告と比べて大きいのです。
青色申告を行うためには、開業届を出していて青色申告の手続きを行っている場合に使えるようになります。
上記の手続きができていれば、青色決算書を提出することで、青色申告が可能となるんです。
青色申告について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
→【65万の控除?!】フリーランスの青色申告の特徴から申告方法5STEP
白色申告
白色申告は、青色申告の申請書を提出していない、または提出をし忘れてしまった事業者が確定申告を行う確定申告の制度です。
「白色申告の方が簡単!」って思っている人もいますが、それは過去の話。
2014年(平成26年)からは、すべての白色申告者にも帳簿への記帳と帳簿などの保存が義務付けられました。
これにより、白色申告でも青色申告でもそれほど手間が変わりません。
フリーランスの確定申告のやり方5STEP
ここからは、フリーランスとしての確定申告のやり方をSTEP形式で解説します。
これまでに自分で確定申告をしたことがない方は、難しく感じてしまいますよね。
確かに、初めての方にとっては不慣れなことも多いでしょう。
ですが、今回解説する手順に沿って行ってもらえれば混乱することなく、確実に確定申告を行うことができますよ。
フリーランスの確定申告のやり方は以下の5STEPです。
- STEP1:所得の計算を行い、確定申告の有無を判断する
- STEP2:必要書類を揃える
- STEP3:確定申告書を作成する
- STEP4:確定申告書類を提出する
- STEP5:納税する
それぞれ解説していきますね。
STEP1:所得の計算を行い、確定申告の有無を判断する
初めに、前年度の1月1日から12月31日まで1年間の所得の計算を行い、確定申告の有無を判断してください。
所得の算出方法は以下の通りです。

上記の計算を行い『課税所得額』に残額が残る場合は、確定申告を行う必要がありますよ。
所得控除とは、基礎控除の48万円や社会保険料控除などのその他控除額のことです。
つまり、事業所得が48万円以下で『課税所得額』が残らない場合は、確定申告を行う必要はありません。
所得控除の額は納税者によって異なるので、自分の状況をもとに確認してみましょう。
所得控除の具体的な種類は以下のサイトにて一覧で紹介されていますので、ご確認ください。
→参考:所得控除のあらまし
STEP2:必要書類を揃える
確定申告が必要であった方は、必要書類を揃えましょう。
確定申告に必要な書類は、主に以下の4つです。
- 確定申告書B 第一表
- 確定申告書B 第二表
- 収支内訳書(白色申告者)、青色申告決算書(青色申告者)
- 控除証明書(該当者のみ)
確定申告書B、収支内訳書・青色申告決算書は税務署から郵送してもらうことも、国税庁のホームページからダウンロードすることもできますよ。
また、記入方法など直接話を聞きたい方は、税務署や市区町村役場の税務課、確定申告相談会場からも書類を受け取ることができますので、一緒に相談してみましょう。
必要書類をダウンロードしたい方は、以下のサイトから行ってください。
→参考:所得税の確定申告
STEP3:確定申告書を作成する
必要書類を揃えられたら、さっそく確定申告書を作成しましょう。
確定申告書の作成方法は以下の3つです。
- 手書き
- 国税庁ホームページにある『確定申告書作成コーナー』の利用
- 会計ソフトの利用
上記の中で最もおすすめなのは、会計ソフトを利用する方法です。
画面に表示される手順に従って情報を入力するだけで、ソフトが自動的に計算して確定申告書を作成してくれるので、記入ミスを減らし短時間で終えることができますよ。
また、サポートチャットサービスが付いているところもあるので、不慣れな方でも安心して行えます。
逆に他の2つの方法では、記入項目も多く自分で計算を行う必要もあるため、手間がかかってしまい、記入ミスの可能性も高くなってしまうでしょう。
そのため、初心者の方や会計に自信のない方は特に会計ソフトを活用した方が良いですよ。
おすすめの会計ソフトを以下の記事にて紹介していますので、会計ソフトを利用したい方は参考にしてください。
→フリーランスの確定申告に使える会計ソフトおすすめ5選【2021年版】
STEP4:確定申告書類を提出する
確定申告書の提出方法は以下の3つがあります。
- 税務署に持参する
- 郵送する
- e-Taxで電子申告する
上記の方法いずれかで、2月16日~3月15日までに確定申告書類を提出しましょう。
記入ミスや不備により再提出を要求されることもあるので、余裕をもって提出したほうが良いですよ。
税務署に持参する場合は、その場で書類を確認してもらえますので不備があった時の対処が早くできます。
しかし、時期によっては大変混雑しているので時間がかかってしまうのが難点です。
その点、e-Taxによる電子申告は、土日祝日を含む前日、24時間利用可能ですので忙しい方におすすめですよ。
STEP5:納税する
確定申告を終えられたら、所得税を納税します。
納税期限は原則として、3月15日までとなっていますよ。
確定申告を終えて安心してしまい、納税するのを忘れてしまう方もいるため期限内に忘れずに行いましょう。
現金による納税の場合、税務署・コンビニ・各種金融機関から支払うことができます。
他にも、申請手続きをすることにより納税期限になると自動で口座から引き落とすことも可能です。
引き落とし日は例年4月下旬になるため、現金による支払いと比べて1ヶ月以上の猶予が生まれ、払い忘れ防止にもなるので便利ですよ。
フリーランスが確定申告のやり方を簡単に済ませる3つのコツ
ここまで、確定申告のやり方を見てきた方の中には
「確定申告って大変そう…」
「もっと簡単にする方法はないの?」
と思った方もいますよね。
安心してください。少しの工夫で確定申告による負担を軽くすることができますよ。
フリーランスが確定申告のやり方を簡単に済ませるコツは以下の3つです。
- 定期的に帳簿を付ける
- 領収書・各種証明書を日々保管する
- 請求書を一括で管理する
以降の解説を元に、日々の生活を送ってもらえれば面倒な確定申告も楽に済ませることができますよ。
それぞれ詳しく解説していきます。
定期的に帳簿を付ける
定期的に帳簿を付けることにより、圧倒的に確定申告の時間を短縮できますよ。
確定申告を行う際には1年間の売り上げと経費の計算を行う必要がありますが、1年間分をまとめて計算しようとすると、膨大な時間がかかってしまいます。
その点、1ヵ月に1度でもいいので定期的に帳簿を付けることにより、負担を分散し時間の短縮に繋がりますよ。
また、会計ソフトを利用することにより日々のデータを入力するだけで帳簿が付けられるのでおすすめです。
加えて、会計ソフトに口座やクレジットカードを連携させておくことにより、自動でデータを取り込んでくれるので、入力の手間も省けますよ。
領収書・各種証明書を日々保管する
領収書や所得控除に必要となる各種証明書は日々保管しておきましょう。
領収書を月ごとや科目ごとに分けて保管しておくことにより、帳簿を付ける際に楽なのでおすすめですよ。
確定申告後に税務署から調査を受けた時や、確定申告時の必要書類として必要になった時に慌てて準備をしていては手間ですし、最悪の場合紛失してしまっていることも考えられます。
領収書や証明書が無いがために、税金を多く支払うのは嫌ですよね?
そのため、失くさないよう日々ファイリングするなどして大切に保管しておきましょう。
納税後も原則として白色申告の場合は5年間、青色申告の場合は7年間の保管期間が定められているので、納税が済んだからといってすぐ捨ててしまうことがないように注意してくださいね。
請求書を一括で管理する
請求書を発行したら、番号を付けて1つのファイルに分かりやすく保管しましょう。
何の仕事でいくら収入が得られたのかを分かりやすく管理することにより、確定申告時の収入計算が楽になりますよ。
また、請求書の管理にも会計ソフトの利用がおすすめです。
作成した請求書は自動で保存され、登録した取引先ごとに管理することもできますよ。
加えて見積書から自動で請求書に変換できたり、メールの文面もすでに作成されていたりと、機能面も優秀なため日々の作業効率の向上にも繋がります。
フリーランスが確定申告をする際の注意点
ここでは、フリーランスが確定申告をする際の注意点について解説していきます。
事前に知っておくことにより、損することを未然に防げたり、無駄な手間を防げますので必ず確認しておきましょう。
フリーランスが確定申告をする際の注意点は以下の3つです。
- 申告期限を守ろう
- スマートフォンの申請制限を確認しよう
- 申告方法を安易に決めない
それぞれ解説していきます。
申告期限を守ろう
確定申告の申告期限は、必ず守りましょう。
もし、申告期限を過ぎてしまった場合には意図的でなかったとしても、ペナルティとして罰金が科せられてしまいますよ。
税務署の調査による事前通知前に自主的に申告した場合は5%、指摘を受けてから納税する場合には15~20%の『無申告加算税』が納税額に対して加算されてしまいます。
また、意図的に納税を逃れていたと認定された場合には、重加算税として納税額に対して40%が加算される結果となってしまいますよ。
そのため、申告期限の3月15日までに忘れずに確定申告を行いましょう。
スマートフォンの申請制限を確認しよう
スマートフォンからでも確定申告ができるようになりましたが、これには条件があり、フリーランスではスマートフォンから確定申告を行うことはできません。
アプリなどを使えば確定申告書類を作成したり、「確定申告書類等作成コーナー」で確定申告書類を作成することはできます。
しかし、残念ながら今のところ提出をすることはできません。
現段階では、スマートフォン利用時の対象所得に給与所得や雑所得などの制限が設けられており、そこに事業所得が含まれていないため、フリーランスの方は行えなくなっています。
申告方法を安易に決めない
フリーランスで気をつけないといけないのは、白色申告を選ぶと確定申告書類の作成は簡単に済みますが、青色申告のような所属控除はないことです。
青色申告であれば最高で65万円の所得控除を得ることができます。
ですが、白色申告の場合所得控除がありません。
昨今では会計ソフトも使いやすいです。
できれば会計ソフトを導入して、青色申告を行った方が節税面では有利となりますのでお忘れなく。
まとめ
今回は、確定申告のやり方をSTEP形式で解説してきました。
準備することや、用意する書類も多く初めての方にとっては混乱することもあるでしょうが、今回解説したSTEPに沿ってもらえたら確実に確定申告を行うことができますよ。
また、確定申告のやり方を簡単に済ませるコツは以下の3つです。
- 定期的に帳簿を付ける
- 領収書・各種証明書を日々保管する
- 請求書を一括で管理する
上記のコツと合わせて、会計ソフトを活用してもらえれば一層確定申告の手間を軽減することができるでしょう。
是非、試してみてください。
本記事により、あなたの確定申告の負担を少しでも軽くすることができたら幸いです。