「確定申告ってどうやるの?」
「用意しておくものってなに?」
「節税対策って何がある?」
確定申告の準備を始めようとすると上記のような疑問や悩みを感じませんか?
やらなければならないとわかっていても、手間がかかるからこそ時間が空いた時にやろうと後回しにしたい気持ちが膨らむもんですよね。
ですが、時間が経てば経つほど追い込まれてしまい、申告ミスが増えてしまうのも事実。
早い段階から確定申告の準備をして、スムーズに申告したいと思っている方も多いでしょう。
そこで今回は、フリーランスデザイナーの確定申告をスムーズに行うために用意しておくべきものを紹介!合わせて注意するべきことや節税するコツも解説します。
この記事を読めば、スムーズに確定申告の準備ができ、申告期限に余裕を持って必要書類を提出できるようになりますよ。
また、フリーランスデザイナーについて網羅的に知りたい方は、以下の記事も合わせて見てくださいね。
→【2022年最新】フリーランスデザイナーとは?仕事内容・年収・独立方法
フリーランスデザイナーが確定申告をする前に決めておくべきこと
フリーランスが確定申告を行う方法は以下の2パターンあります。
申告方法 | 帳簿の記載 | 事前申請 | 控除額 |
---|---|---|---|
青色申告 | 単式簿記 複式簿記 |
〇 | 単式簿記の場合:10万 複式簿記の場合:65万 |
白色申告 | 単式簿記 | ✖ | ✖ |
青色申告には事前に届け出が必要になるので、青色申告で行うか白色申告で申請するのか事前に決めておきましょう。
また、「複式簿記は大変だから、白色申告でいいや!」と判断している人は考え直す必要があるかもしれません。
というのも、青色申告で申請すると所得税から10万(単式簿記)または65万(複式簿記)が控除される軽減措置を受けられるんですよ。
青色申告でも白色申告の場合もどちらも帳簿への記載は必須なので、可能な限り青色申告をしておくと税制上お得になるのでおすすめです。
青色申告にするか、白色申告にするかは、あなたの考え方によるところでもあるので申請前にしっかり判断していきましょう。
フリーランスデザイナーが確定申告をするために用意しておくもの
いざ確定申告の準備を始めようと考えても「あれ?何を用意するの?」「必要なものってなに?」といきなりつまずきませんか?
確定申告をするために用意しておくものがありますので、あなたが迷わないようにしっかりと解説していきますね。
フリーランスデザイナーが確定申告をするために用意しておくものは以下の3選です。
- 領収書と各種控除証明
- 事業用のクレジットカードと口座
- 経費として購入したリスト
順にお伝えしていきますね。
領収書と各種控除証明
確定申告書を作るのに必要であるため、経費の領収書や各種控除証明を準備しましょう。
フリーランスの場合は申告書Bで作成していきます。書式を見て分かるように記載する内容が多く複雑だと思いますよね?
でも大丈夫。慌てずにゆっくりと記入していきましょう。
経費としてかかった金額を直接記載する項目はありません。
ですが、領収書から経費としてかかった金額を算出し対応する収入から差し引くことをします。
また各種控除証明では生命保険や社会保険、医療費控除を行うのであれば医療費の証明書は原本の添付が必要になります。
生命保険と社会保険ともに原本は時期が近づいてきたら郵送されてきますので、すぐ出せるようにまとめておきましょう。
もちろん各種控除証明は記載する項目がありますので、必ず原本を用意して下さいね。
事業用のクレジットカードと口座
確定申告後の納税手続きで必要となるので、クレジットカードまたは口座を用意して下さい。
無事に確定申告書を提出してホッと一安心してもいられないんですよ?確定申告期間に納税まで終わらせて完了だからです。
確定申告書の作成が終われば納税金額も分かるので、納税を忘れないためにも一緒に納税も行えるようにしましょう。
納税方法もたくさん選べますよ。クレジットを使って自宅からも可能ですし、口座を利用してネットバンキングや金融機関の窓口でも対応可能です。
あなたの納税しやすい方法を選んで下さいね。ただし、納税が遅れてしまうと延滞金が発生するので、確実に期日までに納税を終わらせることが重要です。
経費として購入したリスト
所得金額欄を記載するために必要なので、経費として購入したもののリストを作っておいた方がスムーズになります。
先ほどもお伝えしましたが、経費はまとめて計算しても記載する場所がないんですよ。これって初めて確定申告する時に一番わからないポイントだったりします。
すると経費を計算しても意味ないと感じませんか?全くそんなことはないんですよ。
というのも、収入金額等に記載した金額から経費の総額を引いた額を所得金額等に書く作業をします。
そこで、経費として購入したものをリスト化しておくと、経費の総額をすぐに出せると思いませんか?
必要なものを購入する度にリストに加えていけば、そんなに面倒な作業ではないはずなのでぜひ経費をリスト化してみて下さいね。
フリーランスデザイナーが確定申告で節税するコツ3選
「できれば税金を安くしたい!」
「何か節税できることがあるなら教えてほしい!」
誰でも税金は安いに越したことはありませんもんね。もし確定申告で節税するコツがあるとしたら知りたくありませんか?
あなたが少しでも節税できるようにお伝えしていきますね。フリーランスデザイナーが確定申告で節税するコツは以下の3選です。
- 1:経費を最大限利用する
- 2:利用できる控除を全て使う
- 3:法人化にする
1つ1つ丁寧に解説していきます。
1:経費を最大限利用する
業務を行うためにかかった費用は全て経費として上げられるため、経費漏れには注意しましょう。
少しでも事業を行うために使われたお金なら経費扱いになるので、業務に関わる費用は全て経費として計上することをおすすめしますよ。
とはいうものの「これって経費になるの?」と感じるものもあるでしょう。判断基準としては業務を行う上で必要なコストだったのかそうでは無かったのかです。
経費として具体的に以下のものが上げられますよ。
- 家賃や光熱費
- 通信費
在宅で業務を行っているケースでは上記の費用は仕事とプライベート両方で使うことになります。
ですが業務に使っている分は経費として計上できるので、申告することをおすすめしますよ。
2:利用できる控除を全て使う
控除を全て差し引くかどうかで納税額に差が出るので、当てはまる控除がないか必ずチェックすることをおすすめします。
所得控除は現在15種類あります。どの控除をあなたが受けられるかは申告者の家族構成や事情によって異なるんです。
なので1つ1つ丁寧に確認をして控除を受けられるのか判断して下さいね。受けられる控除が多いほど税額が少なくなるからですよ。
少し手間のかかる作業ですが、面倒な作業でも納める金額が減ると考えるとやった方がいいと思えませんか?
利用できる控除は全て使い、税金を多く納めないようにしましょうね。
3:法人化にする
所得面の税率を低く抑えられる可能性があるので、法人化を検討してみるといいかもしれません。
事業が軌道に乗ると当然所得も増えていきます。すると課税される所得金額も増えてくるため税率も上がり、納税額が増えていくんです。
そこで法人化をすれば税率を下げられます。税率を考えたベストなタイミングは所得が600~800万円くらいになった時です。
ですが法人化すれば登記の手間などがかかります。なので法人化を考える一つの目安になったら総合的に判断していくとよいでしょう。
フリーランスデザイナーが確定申告をする際に注意するべきこと3選
ここまで読み進めてくれたあなたは確定申告に関してやるべきことが見えてきて、少し心に余裕ができていませんか?
「確定申告が少し恐ろしく無くなってきた!」と安心しているかもしれませんね。良いことです。
もちろんずっと緊張感を持っていると精神的に疲れてしまうので、リラックスも必要。ですが、心の余裕が重大なミスにつながってはもったいないですよね?
そこで、頭の隅に残して欲しいことをお話しておきますね。フリーランスデザイナーが確定申告をする際に注意するべきことは以下の3選です。
- 1:申告期限を確実に守る
- 2:申告漏れに注意する
- 3:青色申告はe-taxで行う
忘れてはいけないことですので、把握しておきましょう。
1:申告期限を確実に守る
ペナルティが課せられたり青色申告特別控除が減額になることもあるので、申告期限内に申告と納税を済ませましょう。
新年が明けると「そろそろ確定申告の時期だ!」と感じてくるでしょう。最初は頭に残っているものですが、少し時間が経つとどうでしょうか?どんどん記憶から薄れてしまいますよね。
だからこそ申告期限を守るために、見につきやすいところに記載しておくことも一つの手です。例えばアプリで週1回通知するやパソコンの画面横にメモを張り付けるなど対策をしましょう。
最悪な事態としては申告期間が過ぎてしまうとペナルティが発生してしまう可能性があるということです。もちろん申告期間が遅れても受け付けてはくれます。
しかし、無申告加算税がかかる可能性があり、せっかく節税対策を行っても納税額が多くなってしまうかもしれませんよ。
2:申告漏れに注意する
追加課税される可能性があるため、申告漏れは起こさないように気をつけましょう。
申告漏れと聞くとなんとなく悪いことをしているように感じてしまうかもしれません。しかし、売り上げの計算ミスなどうっかり起こしてしまうこともあります。
確定申告は慣れない人も行うのでお金の計算ミスは付いて回るものだからです。
ですが、間違えたことによって追加課税を受けてしまうことはもったいないため、慌てて作業を行わないようにしましょう。
申告前に最低でも2回は間違いがないかや計算ミスがないかをチェックしてくださいね。
3:青色申告はe-Taxで行う
青色申告特別控除で65万の満額控除を行うために、e-Taxで送信することが必須になります。
65万の控除を受けられるのはe-Taxのみだからですよ。
「e-Taxなら自宅から申請できて楽だ!」と率直に思いますよね。ですが、e-Taxで送信を行うには準備が必要なんです。
マイナンバーカードを持っているなら問題はありませんが、まだ取得していない場合は一度税務署に出向いてID・パスワード方式で行うための登録が必要になります。
確定申告の期間以外でもID・パスワード方式の登録は可能なので登録を先に済ませておくと便利ですよ。
登録が終わっていれば、申請書を作り終えた後すぐにe-Taxでの申請を行えるのでスムーズにできます。
フリーランスデザイナーの確定申告についてよくある質問
確定申告の準備を始めると「これってどうなの?」と頭を悩ませることがでてきてしまうもの。
そこであなたが確定申告の準備を少しでもスムーズにできるように、確定申告に関するよくある質問を3つお伝えしますね。
- 請求書のないやりとりってどうやって記帳すればいい?
- 賃貸は経費?自分で所有している住居は経費になる?
- 飲み会やランチは経費で落とせる?
しっかりと解説していきますね。
請求書のないやりとりってどうやって記帳すればいい?
請求書のない業務は口座の入金を確認し、金額通りに計上しましょう。
請求書がないケースでももちろん通常通り収入となります。なので請求書を見ながら帳簿をつけている場合は注意してくださいね。記載漏れが出てしまう可能性があります。
毎回、請求書と合わせて口座に振り込まれた金額を確認すると記載漏れを防げますので、ダブルチェックをして記載していくことをおすすめしますよ。
賃貸は経費?自分で所有している住居は経費になる?
仕事場として使っているなら、賃貸でも自分所有の住宅でも経費に上げられます。
賃貸の場合は、自宅の中で仕事場として使っている割合分の家賃は経費として計上できます。もちろん持ち家の場合も経費として上げられますが、注意が必要なことがあるんです。
それは住宅ローン控除が受けられなくなるケースがあること。 持ち家で住宅ローン控除を受けている場合は、経費として計上した分の控除は受けられなくなります。
さらに自宅の50%以上を経費としたケースではまったく住宅ローンは受けられません。
しかし自宅の10%を経費とするなら住宅ローン控除は満額の100%受けていいんですよ。 なので、持ち家の場合は自宅の10%を経費として計上することがおすすめです。
飲み会やランチは経費で落とせる?
事業のための飲食なので、取引先との接待やランチミーティングは経費になります。
重要なことは『業務上必要な食事なのか自分のためのものなのか』です。
気分転換にカフェで仕事をした時のドリンク代はもちろん経費になりますよ。ですが、疲れたから休憩で立ち寄った飲食店での食事代は経費ではありません。
食事代を経費として計上するには、領収書と帳簿の両方に打合せを行った仕事先を記載する必要がありますので忘れないでくださいね。
まとめ
今回は、フリーランスデザイナーが確定申告を行うために用意することや注意するべきことを紹介しました。
確定申告を行う上で、誰もが納税額を少なくしたいと望んでいるでしょう。節税するためにも以下3つのコツを実践してみてください。
- 1:経費を最大限利用する
- 2:利用できる控除を全て使う
- 3:法人化にする
悩み過ぎず、少しリラックスした気持ちで確定申告の準備を進めていきましょう。 確定申告の期間までに完了するのは、申告と納税の両方なので忘れずに申告してくださいね。