近年、AI技術の急速な進化に伴い、機械学習を扱うAIエンジニアの需要が増加しています。
これにより、AIエンジニアとしてのキャリアには将来性があると考えられており、多くの人がこの分野で働きたいと考えるでしょう。
一方で、AIエンジニアとしてのキャリアを避けるべきだとする意見も存在します。
この記事では、AIエンジニアがやめとけと言われる理由を、わかりやすく解説します。実態も交え、AIエンジニアを目指すべきなのかも解説するので、ぜひ参考にしてください。
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AIエンジニアは目指すべきなのか
AIエンジニアを目指すべきかは、下記を確かめたうえで判断しましょう。
- AIエンジニアへの適性
- AIプログラミングに触れてみる
AIエンジニアの需要が高い一方で、「AIエンジニアにはならない方がいい」という意見も存在します。これにより、一部の人々はAIエンジニアという職業を選ぶことに疑問を持つかもしれません。AIエンジニアを目指している人は、上記の2点に重点を置いて考えてみるのもよいでしょう。
そもそもこんな理由でAIエンジニアになるのはやめとけ
「今、需要が高いから」といった理由だけで、AIエンジニアを目指せば、後悔しかねません。下記のような理由でAIエンジニアを目指す人は、その決断を慎重に考えるべきです。
ここでは、上記の理由について詳細に解説します。
理由1:今話題の仕事だから
近年AIという言葉を耳にするようになり、「AIエンジニア」という仕事が話題のテーマに挙がるようになりました。
このような流行りの職業に魅力を感じ、「AIエンジニアになりたい」と考える人が多いのは自然なことでしょう。
しかし、AIエンジニアとして成功するためには、高度なスキルと専門知識が求められます。例えば、AIエンジニアの仕事にはPythonというプログラミング言語が頻繁に使われますが、この言語をマスターすることは決して簡単ではありません。未経験者がPythonを習得するには、少なくとも数か月の時間が必要です。
数か月学習するためには、時間や労力がかかります。それにより挫折する人が増え、AIエンジニアは辞めとけと言われるようになってきました。
理由2:AIを作るのが楽しそうだから
多くの人がAIと聞いて、回転寿司店で見かけるPepperのようなロボットを思い浮かべるかもしれません。ロボット開発に興味を持ち、「ロボットを作ってみたい!」と考える人もいるでしょう。
AIエンジニアはロボット制作に携わる職業の一つですが、実際には人と会話するようなロボットよりも、さまざまな業務を自動化するためのロボットを開発することが多いです。これらのロボットは特定のプログラムに基づいて動く「プログラムの塊」として機能します。つまり、AIエンジニアリングは主にプログラミングに焦点を当てた仕事です。
この分野ではディープラーニングなどの複雑な技術も扱いますので、実際に仕事を始めてみると「思っていたのと違う」と感じる人もいるかもしれません。AIエンジニアとして成功するためには、これらの技術に対する理解と興味が必要とされます。
理由3:収入が高そうだから
AIエンジニアが高年収を得やすいという点は、確かにこの職業の魅力の一つです。AIエンジニアリングは高度な専門知識を要求されるため、誰もが容易にこなせる職業ではありません。そのため、スキルセットを持つ人材への需要は今後も増加する見込みです。
この高まる需要に対応するため、多くの企業は優秀なAIエンジニアを確保する目的で、高い給与や良い労働条件になっています。このような待遇は、AIエンジニアリングの分野で必要とされる複雑な技術や知識の習得が前提とされているため、これらのスキルを持つ人材にとっては、非常に魅力的なオファーとなっていますよ。
しかし、収入が高いという理由だけでAIエンジニアになると自身の知識と現場で求められるスキルが合わず挫折する原因になります。
収入が高いというだけでAIエンジニアを目指すのは辞めておきましょう。
AIエンジニアはやめとけと言われる5つの理由
AIエンジニアとしてキャリアを志す際には、はっきりとした目標や興味を持っている人でも、直面する困難が多いことを理解しておくことが重要です。実際に、AIエンジニアとして働くことの難しさを示すいくつかの理由が挙げられます。
ここからは、AIエンジニアはやめとけと言われる理由を、5つにまとめて紹介します。
- 理由1:残業や休日出勤を迫られる
- 理由2:高度な知識が求められる
- 理由3:日々スキルアップしなければならない
- 理由4:デスクワークなので運動不足になりがち
- 理由5:将来、市場での価値がなくなる可能性がある
理由1:残業や休日出勤を迫られる
残業や休日出勤を迫られる可能性がある点は、AIエンジニアがやめとけと言われる理由の1つです。
未経験からAIエンジニアになる場合、基本的なプログラミング知識から始め、徐々にAI特有の技術やツールに慣れていくことが重要です。また、実践的な経験を積むためには、継続的な学習と実践的なプロジェクトへの参加が欠かせません。企業側も、未経験者が成長できるような研修プログラムやサポート体制を整えることが望まれます。
理由2:高度な知識が求められる
AIエンジニアは、大学で学習するような高度な知識が要求されます。具体的には、統計学、微分積分、線形代数などの分野が頻繁に使われるでしょう。
文系出身者がAIエンジニアになる場合、これらの数学的な基礎を身につけることが一つの大きなハードルになり得ます。数学が苦手な人、特にこれまで高度な数学教育を受けてこなかった人にとっては、職務の中で直面する計算や理論が理解しにくいかもしれません。
理系出身であっても、数学が苦手な場合、AIエンジニアとしての業務は困難になる可能性があります。AIプロジェクトは、データ分析やアルゴリズムの設計に数学を頻繁に使用するため、この分野の知識が不足していると効率的に作業を進めることが難しくなるでしょう。
そのため、自己学習ができない人や未経験の人であればAIエンジニアになるのは難しくなります。
理由3:日々スキルアップしなければならない
AIエンジニアになるには機械学習やディープラーニング・数学・プログラミングなど、幅広い分野の知識とスキルを身につける必要があります。この分野は多岐にわたり、学ぶべき内容が非常に多いため、一部のエンジニアは学習の量に圧倒されかねません。
さらに、AI技術は急速に進化しており、新しい技術やツールが常に登場しています。このため、AIエンジニアは常に最新の動向を追いかけ、新しい知識を習得し続ける必要があるでしょう。これには多くの時間と努力が必要で、自由時間の多くを学習に費やすことになります。
このような背景から長時間の自由時間を保ちたい人や、継続的な学習に抵抗がある人には、AIエンジニアという職業は向いていないかもしれません。AIエンジニアは学習意欲が高く、技術の変化に柔軟に対応できる人に最適です。この職種に就く前に、それぞれのライフスタイルやキャリア目標と照らし合わせて検討することが重要。
理由4:デスクワークなので運動不足になりがち
AIエンジニアの仕事は他の多くのオフィスワーク同様、長時間のデスクワークが中心です。このため、体を動かす機会が少なく、運動不足やそれに伴う職業病のリスクが高まります。適度な運動を行わないと、生活習慣病に罹患しやすくなることも懸念されるでしょう。そのため、AIエンジニアとしてのキャリアを避けるべきだと考える人もいます。
さらに、AIエンジニアは長時間にわたってコンピューターの画面を見続けることが多いため、目の疲れやその他の視覚障害を引き起こしやすくなりますよ。特に年齢が上がるにつれて、目の老化が進み、疲れやすくなる可能性が高まるでしょう。
これらの問題を防ぐための対策としては、仕事の合間に適度に休憩を取り、目を休ませることが推奨されます。また定期的にジムに通う、仕事帰りや週末に適度な運動を取り入れるなどして、健康維持を心掛けることが重要です。職場での健康促進プログラムやエルゴノミックな職場環境の整備もリスクの軽減となるでしょう。
理由5:将来、市場での価値がなくなる可能性がある
2020年に日本で小学校におけるプログラミング教育が必修化されたことは、将来の労働市場に大きな影響を与えるでしょう。文部科学省によれば、どのような職業に就くにしても、プログラミング的思考として問題を論理的に解析し、順序立てて解決する能力を育てることが重要とされています。
この政策変化により、今後のAIエンジニアを目指す若者たちは、以前の世代よりも早い段階からITと密接に関わることになります。結果として、若い時期からプログラミングスキルを身につけた世代は、技術力やITに関する知識が豊富になり、労働市場において有利な立場を確保することが予想されますね。
この変化は、プログラミング教育を受けてこなかった世代にとっては挑戦となるかもしれません。未来の労働市場では、これまでに培ったスキルや経験だけでなく、継続的な学習と技術のアップデートが求められることになるため、常にスキルを磨き続ける必要があります。
目指す前におさえておきたいAIエンジニアの実態
ここからは、次のトピック別にAIエンジニアの実態を解説します。
平均年収
求人ボックスから、AIエンジニアの平均年収は約598万円となっており、日本全体の平均年収と比較しても高い水準にあります。月給に換算すると大体50万円ですが、初任給は平均22万円程度で、この数字は新卒の入社初年度の一般的な給与を示していますね。
派遣社員やアルバイト、パートタイムの労働者の場合、平均時給はそれぞれ2,241円と1,300円となります。これは、フルタイムの正社員と比較して低いですが、一時的なプロジェクトや特定のスキルが必要な場合に依存する仕事形態が反映されていることが考えられるでしょう。
正社員の給与分布に目を向けると540万円から627万円の範囲があり、平均年収598万円もこの範囲内に収まっています。給与の全体的な幅は367万円から1,060万円と比較的広く、これは勤務先の業種、個々の経験、持っているスキルによって大きな差が出ることを示していますね。
仕事内容
AIエンジニアの仕事は、AIの開発、学習、分析という3つの主要な領域に分類されます。以下に、それぞれの業務内容を詳しく説明。
AI開発はAIエンジニアの主な役割で、プロジェクトの要件定義から始まります。この段階で、AIが解決すべき具体的な課題を特定し、解決策の設計を行います。これには、システムの設計、プログラミング、テストなどが含まれ、実際のAIシステムの構築にはPythonなどのプログラミング言語が広く使用されます。
開発したAIに対しては、適切なデータを用いて学習させる必要があります。この過程では、大量のデータを収集し、有効なデータの選定やクレンジング(不要なデータの削除)を行うことが含まれるでしょう。
AIが学習を終えた後は、学習したデータを基にして分析を行います。AIは集めたデータからパターンやルールを抽出し、これを基にしてさまざまな状況を判断します。AIによる分析は画像・音声・文章・販売データなど、多様なデータタイプに対応しており、これらの情報を利用してより良い意思決定をサポートすることが可能です。
需要・将来性
AIエンジニアの需要は、今後も増加していく見込みです。経済産業省の「IT人材供給に関する調査」によると、2030年までにはAIエンジニアの需要が約14万人に達すると予測されています。
これはAI技術の進化と普及が進む中で、さまざまな産業でのAI導入が拡大していることによるものです。企業は競争力を維持し、イノベーションを推進するために、AI技術を駆使するスキルを持つエンジニアを積極的に求めています。そのため、AIエンジニアは今後も非常に有望な職業として注目されるでしょう。
働きがい
AIエンジニアのやりがいは、所属する組織や部署によって異なりますが、共通して言えるのは「影響力の大きさ」でしょう。その会社の事業や経営、さらには社会の姿まで変革する可能性を秘めています。
政府は「Society 5.0」を提唱し、それによってSDGs (Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)の達成を目指しています。「Society 5.0」とは、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義されています。
一例としては、少子高齢化に伴う人手不足の解消や予防検診や災害の被害軽減、エネルギーの安定供給などあらゆる領域で新しい価値を生み出すでしょう。また、より豊かな社会を築くためAI技術が必要とされていますね。
AIエンジニアに向いている人の特徴3つ
ここからは、AIエンジニアに向いている人の特徴を、3つにまとめて紹介します。
数学・統計学が得意な人
AIエンジニアに向いている人として、数学や統計処理が得意な人が挙げられます。AI技術の基盤となるのは数学や統計学であり、これらの分野に対する深い理解が必要とされます。特に以下の数学的知識がAIエンジニアリングで頻繁に用いられますよ。特に以下の2つは、重要です。
1. 微分積分学 :AIモデル、特にニューラルネットワークの学習プロセスで使われる最適化アルゴリズム(例:勾配降下法)で重要です。
2. 線形代数学:多くの機械学習アルゴリズムが行列とベクトルの演算に基づいており、特にディープラーニングでは線形代数の知識が不可欠です。
これらの数学の知識は学ぶことで習得可能ですが、問題解決に対する数理的アプローチや複雑な理論を理解し、応用する能力は、理数系の素質がある人にはより自然に身につくことが多いです。そのため、理数系の背景を持つ人々はAIエンジニアとして成功する可能性が高いと言えます。
新しい知見を得るのが好きな人
AIエンジニアとして成功するためには、常に最新の技術動向に敏感であり、新たなアイデアやビジネスモデルを構築する意欲が重要です。
AI技術の進歩は驚異的であり、常に新しい研究成果やライブラリが登場します。AIエンジニアは、学術論文やコミュニティサイトなどから情報を収集し、最新の技術を習得することが求められますよ。また、公開されたライブラリやツールを積極的に試し、実践的な経験を積むことも重要です。
このような状況下で、AIエンジニアは常に新たなアイデアやビジネスモデルを模索し、最先端の技術を追求することができるタイプの人に向いています。彼らは技術の進化をリードし、革新的なソリューションを生み出すことができるでしょう。
直面した問題に向き合える人
AIエンジニアとしての仕事は多くの独立性と自律性を要求されます。特に、AIの専門スキルがまだ希少であるため、多くのプロジェクトではAI担当が一人だけということがあるでしょう。このため、一人で問題を解決できる能力が非常に重要になります。
AIエンジニアは、基本的なプログラミング技術に加えて、深いAIの専門知識を有している必要がありますよ。これにはデータサイエンス、機械学習、ディープラーニングなどの分野が含まれます。それぞれの技術には独自の複雑さがあり、日々の業務はこれらの知識を活用して新しい課題を解決することが求められるでしょう。
さらに、AI業界は常に進化しており、新しい技術や情報が絶えず登場します。
このような環境で効果的に機能するためには、単に技術的なスキルを超えた、問題に立ち向かう粘り強さと持続的な学習意欲が求められるでしょう。課題に直面した際に諦めず、解決策を模索し続ける能力は、AIエンジニアにとって必須の資質です。これにより、技術の追求だけでなく、社会への影響力を持ち、重要な問題の解決に貢献することができます。
AIエンジニアへの適性を確かめる3つの方法
ここからは、AIエンジニアへの適性を確かめる方法を、3つにまとめて紹介します。
適性診断サービスを活用する
自身にAIエンジニアの適性があるかわからない場合は、適性診断サービスを活用しましょう。Questiの「AIエンジニア適性診断」では、自身の適性からAIエンジニアに向いているのか数値として算出してくれます。
そのため、客観的な視点から適性を判断できますよ。
現役AIエンジニアから話を聞いてみる
現役AIエンジニアからの話は、理論だけでなく実務における知識や経験を得る機会になります。彼らは日々AI技術に携わりながら、問題解決やプロジェクト実施に関する具体的な情報を現場レベルで教えてくれるでしょう。
現役のAIエンジニアから話を聞くことで、自身に合っているのか客観的に判断が可能です。
実際の仕事に触れてみる
実際に副業でAIの案件に挑戦してみることで、 AIエンジニアへの適性を確かめることも可能です。開発案件を通して自身の適性の判断が可能です。
「フリーランスのミカタ」では、フリーランスが成功するための専門知識やノウハウを提供しています。特にプロジェクト管理のテクニック、効果的な顧客獲得の方法、契約交渉のポイントなどが含まれます。これらの知識は、AIエンジニアになる人やフリーランスがより効率的に仕事を進めるために役立つでしょう。
まとめ
今回はAIエンジニアの実態について解説しました。
現在AIエンジニアは、採用人数を増やしているため誰でもなれるチャンスがあります。
しかしその裏側では、記事で取り上げたような大変な部分がたくさんあるんですね。
一方で未経験でも採用されるチャンスはあるので、AIについてたくさん学習すれば活躍できる可能性もあります。
年収が高いことでも知られている職業ですので、気になっている人は応募してみるのもいいかもしれませんね。