「ITエンジニアは会社員と個人事業主のどちらで働く方がいいのかな?」
「個人事業主として働くイメージが湧かない…」
「フリーランス」と呼ばれる個人事業主の働き方に興味はあるものの、会社員以外の形態で働くイメージが湧かない人は多いですよね。
年収や仕事内容など、会社員と個人事業主の違いを理解したうえで、独立するかを判断したい人もいるはず。
そこで、この記事ではITエンジニアが個人事業主に独立するメリット・デメリットを、必要なスキルも交えわかりやすく解説します。個人事業主として働くITエンジニアの平均年収や会社員時代との年収変化、仕事内容なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ITエンジニアが個人事業主として働くのは可能
ITエンジニアは個人事業主という働き方も選択可能です。
事実、アン・コンサルティング株式会社が正社員を経験しフリーランスとして働くITエンジニアに実施した調査で「独立前に抱いていた働き方が実現できているか」を聞いたところ、73.3%が「自分の理想とする働き方を実現している」と回答しました。
また、同調査にて「正社員に戻りたいと思うか」を聞いたところ、86%が「戻りたいとは思わない」と回答しています。
出典:フリーランスエンジニアへの転向意識調査
上の調査から、会社員から個人事業主になることで理想を実現しているITエンジニアがいるとわかります。会社員に戻りたくないと回答している人が多い点からも、個人事業主には会社員とは違う利点があるといえます。
個人事業主として働くITエンジニアにまつわる基礎知識
なかには、個人事業主として働くイメージが湧かない人もいますよね。
そこで、ここからは次のトピック別に個人事業主として働くITエンジニアにまつわる基礎知識を紹介します。
- 平均年収
- 会社員時代との収入変化
- 主な仕事内容
- 働いている時間
- 働いている場所
平均年収
Relanceが1021名のフリーランスエンジニアへ実施した調査によれば、個人事業主として働くITエンジニアの平均年収は約576万円です。
出典:Relance
会社員ITエンジニアの平均年収が484万円(求人ボックス調べ)である点を踏まえると、会社員に比べ個人事業主として働くITエンジニアの平均年収は高い傾向にあるといえます。
また、同調査から個人事業主として働くITエンジニアの平均年収は年代ごとで異なる傾向にあります。
出典:Relance
年収1200万円以上稼いでいる人がいる点から、個人事業主として働くことで高収入が目指せるのがわかります。ただ、なかには年収200万円未満の人もいるため、実績やスキル次第で年収の幅は大きく変動するといえます。
会社員時代との収入変化
前述したRelanceの調査にて「独立前後での年収変化」を聞いたところ、約54%が「年収が上がった」と回答しました。
出典:Relance
具体的な増加金額は、約200万円が中央値です。本調査から、会社員から個人事業主へ転向することで、収入が増加するITエンジニアは多いとわかります。
出典:Relance
独立したての頃は会社員時代より収入が減る可能性はあるものの、仕事を重ね実績が伴えば、着実に年収を増やすのも可能です。
ただし、個人事業主は得られる年収に上限がない反面、会社員に比べ収入が安定しづらい点には注意が必要です(詳しくは後述)。
主な仕事内容
Relanceの調査にて「担当している主な業務」を聞いたところ、次のような回答が多くを占めました。
- フロントエンド開発(Webサイトやアプリにおいて利用者が直接触れる表側部分の開発):18.61%
- バックエンド開発(サーバーといった利用者が直接触れないWebサイトやアプリの裏側部分の開発):17.04%
出典:Relance
フロントエンドやバックエンド業務が多くを占めているのは、日本国内におけるWebサイトやアプリの利用率が右肩上がりに伸びている(※1)点が大きな要因といえます。また、フリーランススタートや求人ボックスといった案件掲載サイトには、数千件以上ものフロントエンド・バックエンド開発の仕事が掲載されているのです。
案件数が豊富な点からも、フロントエンドやバックエンド業務は個人事業主として働くITエンジニアの主な仕事内容であるといえます。
参考:MrakeZine
働いている時間
Relanceの調査によれば、個人事業主として働くITエンジニアの稼働時間は中央値にして週4日、1日あたり3~5時間です。
出典:Relance
また、同調査にて「1ヶ月で受けている案件数」は3件が中央値であるとわかりました。
出典:Relance
上記から、個人事業主として働くITエンジニアの多くは週4日・1日3~5時間の稼働時間で、月に3件の案件に取り組んでいるのです。
自身で働く時間を調整しやすい点は、会社員にはない個人事業主ならではの魅力といえます。
働いている場所
Relanceの調査から、個人事業主として働くITエンジニアの主な仕事場は「自宅といった好きな場所でのリモートワークと依頼先の会社へ出社が半分ずつ」の割合が多くを占めているとわかりました。
出典:Relance
自身で働く場所を選べるかは、請け負う仕事内容や依頼先の方針で異なります。「出社はしたくない」「100%リモートワークしたい」などを希望する人は、案件サイトに掲載されている案件ページを確認し、実現できるかを確かめておくのがおすすめです。
ITエンジニアが個人事業主として働く3つのメリット
なかには、個人事業主に独立すべきか悩んでいる人もいますよね。
そこで、ここからはITエンジニアが個人事業主として働くメリットを、3つにまとめて紹介します。
- 自身で働く場所を決められる
- 働く時間が調整しやすい
- 得られる収入に上限がない
なお、Relanceが1021名のフリーランスエンジニアに「独立して感じたメリット・満足している点」を聞いたところ、次のような回答が多くを占めました。
出典:Relance
メリット1:自身で働く場所を決められる
自身で働く場所を決められる点は、ITエンジニアが個人事業主として働くメリットの1つです。
前述したとおり、請け負う仕事内容や依頼先の方針次第で、働く場所が指定されるケースもあります。ただ、基本的に個人事業主として働くITエンジニアはインターネットに繋がる環境とパソコンさえあれば、好きな場所で仕事が可能です。
仕事の生産性に直結する点でも、自宅やカフェなどの場で仕事ができるのは、ITエンジニアが個人事業主として働く大きなメリットといえます。
メリット2:働く時間が調整しやすい
働く時間が調整しやすい点も、ITエンジニアが個人事業主として働くメリットの1つです。
会社員と違い、個人事業主には働く日や曜日・稼働時間などの決まりがありません。前述した「週4日・1日3~5時間」といった形で、働くペースは自身で調整するのです。
そのため、朝早くから働く朝型の人、夜遅くまで作業をする夜型の人のどちらにも合わせやすい働き方です。また、稼働時間を調整できるため、趣味に費やす時間や家族との時間も作りやすい側面もあります。
仕事とプライベート双方の観点で、自分が集中しやすい時間帯に効率よく働けるのは、ITエンジニアが個人事業主として働くメリットといえます。
メリット3:得られる収入に上限がない
得られる収入に上限がない点も、ITエンジニアが個人事業主として働くメリットの1つです。
会社員として働く場合、収入は年俸制や固定給となることが多いです。しかし、個人事業主は自身の稼働時間やスキル、実績次第で収入が変動します。
そのため、専門性や需要が高い仕事ほど、高い報酬を獲得できるのです。自身の成長次第で高収入が目指せる点は、ITエンジニアが個人事業主として働くメリットといえます。
ITエンジニアが個人事業主として働く3つのデメリット
メリットに続き、ここからはITエンジニアが個人事業主として働くデメリットを、3つにまとめて紹介します。
- 社会での信用度が落ちる
- 自身で仕事を獲得しなければならない
- 福利厚生や手当がない
なお、Relanceが1021名のフリーランスエンジニアに「独立して感じたデメリット・不満な点」を聞いたところ、次のような回答が多くを占めました。
出典:Relance
デメリット1:社会での信用度が落ちる
社会での信用度が落ちる点は、ITエンジニアが個人事業主として働くデメリットの1つです。
個人事業主は会社に所属していないため、会社員のような企業からの後ろ盾がありません。そのため、いくら高い収入を稼いでいたとしても、一般的に個人事業主は会社員に比べ信用力に欠ける側面があります。
個人事業主の場合、住宅ローンや車のローン・クレジットカード登録などにおける審査が通らないといったケースもあるのです。
上記から、社会での信用度が落ちる点はITエンジニアが個人事業主として働くデメリットといえます。
デメリット2:自身で仕事を獲得しなければならない
自身で仕事を獲得しなければならない点も、ITエンジニアが個人事業主として働くデメリットの1つです。
会社からある程度の仕事が与えられる会社員と違い、個人事業主には営業活動が不可欠です。会社員時代に必要のなかった営業活動が仕事の1つになるのです。経験のない営業活動や思うように仕事が獲得できないことで、ストレスが伴う可能性もあります。
上記から、自身で仕事を獲得しなければならない点は、ITエンジニアが個人事業主として働くデメリットといえます。
デメリット3:福利厚生や手当がない
福利厚生や手当がない点も、ITエンジニアが個人事業主として働くデメリットの1つです。
育児休暇や住宅手当など、所属企業から何らかの福利厚生や手当が受け取れる仕組みを活用している会社員は多くいます。
しかし原則、会社へ所属していない個人事業主に福利厚生や手当はありません。また、税金の支払いも確定申告といった形で、自ら申請する必要があります。
会社からの後ろ盾がない点で、福利厚生や手当がない点はITエンジニアが個人事業主として働くデメリットといえます。
個人事業主のITエンジニアに欠かせない能力5つ
ここからは、個人事業主のITエンジニアに欠かせない能力を、5つにまとめて紹介します。
- 自走力
- 営業力
- 交渉力
- 自己管理能力
- 学習力
能力1:自走力
自走力は、個人事業主として働くITエンジニアに欠かせない能力の1つです。ここでいう自走力とは、自身のモチベーションを維持し、誰かの指示を待たずに行動できる力を指します。
個人事業主として働くITエンジニアは、会社でいう上司や同僚のサポートなく、自分だけで仕事を進める場面が多いです。プロジェクトの進行に必要な技術調査や問題解決など、自走力は多くの場面で必要になります。
個人事業主が会社に所属せず自身で仕事を進めていく働き方である以上、自走力は不可欠な能力といえます。
能力2:営業力
営業力も、個人事業主として働くITエンジニアに欠かせない能力の1つです。
前述したとおり、個人事業主は自身で仕事を獲得する必要があります。固定給といった形で毎月一定の収入が得られる会社員と違い、個人事業主は稼働時間やあげた成果に応じて報酬が発生します。そのため、仕事が獲得できれなければ自身の収入は0円になるのです。
またいくら高いスキルを有しており仕事の品質が高くても、依頼先へ適切にアピールできなければ、採用されず案件は獲得できません。
案件の獲得時に「自分に何ができるのか」を適切に伝えられる点でも、営業力は個人事業主のITエンジニアに不可欠な能力といえます。
能力3:交渉力
交渉力も、個人事業主として働くITエンジニアに欠かせない能力の1つです。
報酬や納期・担う仕事の範囲など、個人事業主には依頼主と請け負う仕事の条件を直接交渉する必要に迫られる機会が多くあります。交渉力があれば、自分のスキルや時間に見合う報酬を獲得できるだけでなく、無理な要求を適切に断ることも可能です。
しかし、交渉力がなければ仕事内容に見合う報酬がもらえないケースや、報酬以上の作業内容を課され自身が疲弊しかねません。
上記から、交渉力は個人事業主のITエンジニアに不可欠な能力といえます。
能力4:自己管理能力
自己管理能力も、個人事業主として働くITエンジニアに欠かせない能力の1つです。
稼働時間の調整や納期・体調管理など、個人事業主にはあらゆる管理が求められます。自己管理能力が高い個人事業主は、体調不良になることも少ないため、効率よく仕事も進められます。
また、納期内に仕事が完了できれば依頼主と良好な関係を構築でき、収入も安定しやすくなるのです。
上記から、自己管理能力は個人事業主のITエンジニアに不可欠な能力といえます。
能力5:学習力
学習力も、個人事業主として働くITエンジニアに欠かせない能力の1つです。
日々更新されるIT技術の進歩に対応するため、ITエンジニアは常に最新の技術やツールを学ぶ必要があります。もちろん、学ぶだけでなく、その知識を仕事に活かす能力も重要です。
学習力が高いITエンジニアは、新しい情報や技術を迅速に収集しスキルを更新しながら、実務に応用できます。
依頼主から求められ続ける可能性が高い点で、学習力は個人事業主のITエンジニアに不可欠な能力といえます。
まとめ
今回は、ITエンジニアが個人事業主に独立するメリット・デメリットを、必要なスキルも交えて解説しました。
個人事業主は、年収や仕事場・稼働時間などを自身で決められる魅力的な働き方です。ただし、理想の条件で働くには相応の実績やスキルが求められます。
独立するかは、会社員との違いや個人事業主の働き方を加味したうえで決めましょう。