「そもそもインボイス制度ってなに?」
「フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するとどうなるの?」
「インボイス制度に登録すべきか判断がつかない…」
インボイス制度が導入されたものの、登録すべきか悩むフリーランスエンジニアは多いでしょう。なかには、周囲に登録したフリーランスエンジニアがおらず、実際に話を聞けない点から登録を避けている人もいるはずです。
だからこそ、インボイス制度そのものを知り、登録の可否で受ける影響などを把握するのが賢明です。インボイス制度のメリットやデメリットを比較したうえで、登録の可否を決めれば納得感を得られるでしょう。
そこで、今回はインボイス制度がフリーランスエンジニアに与える影響を、メリットやデメリットも交えて解説します。
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フリーランスエンジニアが長期間安定して活動するならインボイス登録が必要

結論、フリーランスエンジニアが長期間安定して活動するなら、インボイス制度への登録をおすすめします。取引先との契約では、インボイス制度の登録が実質的に必要なことがほとんどです。
取引先はインボイスに登録していないフリーランスエンジニアから消費税の控除(仕入税額控除)ができません。結果、取引先の税負担が大きくなります。
だからこそ、取引先はインボイス登録が済んでいないフリーランスエンジニアに次のような対応をするのです。
- 契約を避ける
- 消費税分(10%)の単価値下げを交渉する
そのため、インボイス制度に登録していないフリーランスエンジニアは不利な状況や条件になりやすいのです。もちろん、インボイス制度に登録しないとフリーランス活動ができないわけではないものの、活躍の幅は狭まる傾向があります。
インボイス制度の基礎知識

フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録すべきかを検討するなら、まず制度そのものについて知る必要があります。そこで、ここではインボイス制度の基礎知識を解説します。
そもそもインボイス制度とは
インボイス制度とは、2023年10月に開始された複数税率に対応する消費税の仕入税額控除を利用できる制度です。
インボイス制度を利用するには税務署に申請を行い、適格請求書発行事業者になる必要があります。フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録すると課税事業者になり、消費税の納税が義務になるのです。
インボイス制度に登録すれば、登録番号が付与されます。登録番号はTから始まる13桁の数字であり、フリーランスエンジニアの場合は請求書などに記載します。
登録者は、インボイスといった登録番号・税率・税額が記載された書類の発行が可能です。インボイス制度では、インボイスで正確な税率と消費税額を取引先に提示して、計算ミスや不正を防ぐ役割があります。
取引先がインボイスがなければ、仕入税額控除が受けられません。ただし、インボイス登録をしなくても制度開始の3年間(〜2026年9月まで)は80%、次の3年間(〜2029年9月まで)は50%の控除ができる経過措置が取られています。
2029年10月以降、取引先はインボイスがなければ消費税の控除を受けられなくなり、税負担が増えることになるのです。
免税事業者と課税事業者の違い
インボイス制度を調べると、免税事業者と課税事業者といった単語が使われることがたくさんあります。免税事業者と課税事業者の違いは、次のとおりです。
| 事業者の種類 | 詳細 |
|---|---|
| 免税事業者 | 前々年の収入が1,000万円以下などの条件を満たした消費税の納税が免除された事業者 |
| 課税事業者 | インボイス登録者や前々年の収入が1,000万円以上などの条件を満たし消費税の納税が義務の事業者 |
インボイス制度の導入までは前々年の収入が1,000万円以下なのか以上なのかで、免税か課税なのかが決められていました。インボイス制度導入後、登録者は売上額に関係なく自動的に課税事業者になります。
これまで消費税の納税をしていないフリーランスエンジニアがインボイス登録を行うと、納税義務が生じる点に注意が必要です。
フリーランスエンジニアがインボイス制度への登録で受ける影響

インボイス登録を行い後悔することがないように、フリーランスエンジニアは登録前に把握しておくべき内容があります。ここでは、フリーランスエンジニアがインボイス制度への登録で受ける影響を、2つにまとめて紹介します。
課税事業者として消費税の申告が必要になる
フリーランスエンジニアはインボイス制度に登録すると、消費税の申告が必要になります。インボイス制度に登録すれば、課税事業者になることが避けられません。
課税事業者には、消費税の申告が義務付けられています。確定申告の際に所得税の申告とあわせて、消費税の申告をしましょう。
万が一、消費税の申告を忘れると、無申告加算税や延滞税などのペナルティを受ける可能性があります。フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録したら、所得税と消費税を申告する必要があり、確定申告の手間が増えるのです。
経理・税務処理の負担が増える
経理や税務処理の負担が増えることも、フリーランスエンジニアがインボイス制度への登録で受ける影響の1つです。経理や税務処理の負担が増えると、事務作業にかける時間が増えます。
フリーランスエンジニアがインボイス登録をすれば、売上や経費を税率ごとに記帳しなければなりません。インボイス登録前と帳簿への記載方法が異なるため、慣れるまで事務作業に時間がかかります。
限られた時間の中でエンジニアリングの仕事と事務作業をこなす必要があり、フリーランスエンジニアの手間や労力が増えるのです。
フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するメリット

フリーランスエンジニアがインボイス制度への登録を判断するには、メリットを把握する必要があります。そこで、ここからはフリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するメリットを、2つにまとめて紹介します。
取引継続・拡大が可能になる
フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録すると、取引継続や拡大の可能性が高まります。取引先は消費税の負担軽減のため、インボイスを発行するフリーランスエンジニアと契約をしたいのが本音だからです。
だからこそ、インボイス登録をすれば取引の継続がしやすくなるうえに、新規案件の獲得も円滑に進む可能性が高まります。取引の継続や拡大が可能になれば、フリーランスエンジニアの活動が安定するのです。
新たな案件への機会も増えるため、フリーランスエンジニアは活躍の幅が広がる可能性があります。
ビジネスパートナーとしての信用が向上する
ビジネスパートナーとしての信用が向上する点も、フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するメリットの1つです。フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録すると、取引先からコンプライアンスの意識が高いと判断されます。
インボイス登録を行うと、消費税の申告と納税が義務になります。すると、インボイス登録をしたフリーランスエンジニアは適切な納税処理を行いながら事業をすると取引先に判断されやすいのです。
ビジネスパートナーとしての信用が向上すれば、安定した取引ができるようになります。
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フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するデメリット

メリットに加えてデメリットも把握すると、知らなかったといったリスクを軽減できます。そこで、ここからはフリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するデメリットを、2つ紹介します。
インボイス登録・申請の手間がかかる
フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するデメリットは、登録と申請に手間がかかることです。登録と申請に手間がかかるため、エンジニアリングの仕事をする時間が少なくなります。
インボイス制度には、e-Taxでの送信や管轄のインボイス登録センターへの郵送で登録が可能です。いずれの方法も必要事項を記載し、本人確認を行えば登録ができます。
e-Taxの場合は3週間ほど、郵送では1ヶ月半ほどで登録番号が届くため、番号が発行され次第取引先に伝えなければなりません。
フリーランスエンジニアはエンジニアリングの仕事をしつつ、インボイスの登録を行うと手間と時間がかかるのです。
消費税の納税義務が発生する
消費税の納税義務が発生することも、フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録するデメリットの1つです。消費税の納税義務が発生すると、税負担が増えます。
フリーランスエンジニアは、前々年の収入が1,000万円以下であれば、消費税の納税義務はありません。ただし、インボイス制度へ登録すると、年収に関係なく自動的に課税事業者になります。
消費税の納税期間は、原則翌年3月31日までです。所得税の納税期間とほぼ変わらないため、まとまったお金の準備が欠かせません。
フリーランスエンジニアはインボイス登録すべき?3つの判断基準

メリットやデメリットをおさえても、インボイスへ登録すべきか判断できないフリーランスエンジニアは多いでしょう。そこで、ここではフリーランスエンジニアがインボイス登録をすべきかの判断基準を、3つにまとめて紹介します。
年間の売上高で決める
フリーランスエンジニアがインボイス登録を判断する基準の1つに、年間の売上高があります。年間の売上高が1,000万円を超えるなら、すでに消費税の納税義務があるためインボイス登録がおすすめです。
インボイス登録を躊躇する要因の1つに、消費税の納税義務があります。そもそも消費税を納めているフリーランスエンジニアなら、インボイス登録のハードルが低い状態です。
むしろ、インボイス登録をすると事業を堅実に行うフリーランスエンジニアといった印象を与えられてプラスにはたらきます。取引先に安心感を与える点でも、年収が1,000万円以上ならインボイス登録をするのが賢明です。
取引先で決める
取引先で決めることも、フリーランスエンジニアがインボイス登録を判断する基準の1つです。取引先によっては、インボイス登録を求めないこともあります。
たとえば、取引先との信頼関係が築けており、インボイス登録をしなくても単価や契約内容に影響が出ないこともあるのです。
もし取引先からインボイス登録を求められなければ、無理に登録する必要はありません。ただし、現在の取引先以外にも契約を希望するなら、他の取引先の考え方次第ではインボイス登録が必要になることもあります。
報酬の支払い方・単価で判断する
フリーランスエンジニアは、報酬の支払い方や単価でインボイス登録を判断するのが賢明です。報酬の支払い方や単価で判断すれば、手取りの大幅な減少を避けられます。
たとえば、税込み単価の場合はインボイス登録しないと取引先から消費税分を報酬から差し引かれる場合があります。一方、税抜き単価の契約ではインボイス登録を条件に消費税分の単価引き上げを交渉することも可能です。
加えて、取引先によってはインボイス登録しないと、取引先から消費税分(10%程度)の単価引き下げを要求される可能性もあります。取引先との契約内容でインボイス登録の可否を決めることも重要です。
フリーランスエンジニアがインボイス制度へ登録する方法

いざインボイス登録を決めたら、スムーズに登録したいと感じるでしょう。そこで、ここからはフリーランスエンジニアがインボイス制度へ登録する方法を、3つにまとめて紹介します。
申請書を入手する
インボイス登録を決めたら、申請書を入手しましょう。
インボイスの登録申請書は、国税庁のサイトまたはe-Taxより取得できます。国税庁のサイトから申請書を取得すると、管轄するインボイス登録センターへ郵送しなければなりません。
e-Taxからでは電子送信が可能であり、メンテナンス時間を除き24時間利用が可能です。
必要事項を記入し提出する
インボイス登録の申請書を入手でき次第、必要事項を記入し提出します。
インボイス登録の申請書では、名前や住所といった個人情報と登録希望日などを記入します。登録希望日は、登録を受けようとする日から15日前までに届出をする必要がある点に注意が必要です。
あわせて、個人でインボイス登録を受ける場合には本人確認でマイナンバーカードなどの添付も欠かせません。
登録通知を受け取り次第、取引先に伝える
登録通知が届き次第、取引先に登録番号を伝えましょう。
インボイス登録の申請書を提出すると郵送の場合で1ヶ月半ほど、e-Taxでの送信で3週間ほどで登録番号が記載された通知が届きます。
登録番号が分かり次第、取引先に伝えるとインボイス制度を利用できるようになります。
フリーランスエンジニアのインボイス制度への登録にまつわるよくある質問

ここでは、フリーランスエンジニアのインボイス制度への登録にまつわるよくある質問へお答えします。
インボイス登録をした際の負担軽減措置ってあるの?
フリーランスエンジニアがインボイス登録をした際には2割特例といった負担軽減措置を利用できます。
2割特例とは、インボイス登録を機に免税事業者から課税事業者になった場合に消費税の納付を売上税額の2割に軽減できる措置です。
2割特例は2026年9月までであり、確定申告で消費税の申告の際に特例の適用を選択するだけで利用できます。
インボイス制度に登録後、取りやめることはできる?
フリーランスエンジニアがインボイス制度に登録後、取りやめることは可能です。国税庁の公式サイトより、適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書を入手し、必要事項を記載し提出します。
ただし、登録より原則2年間は免税事業者に戻れません。登録は失効しても、一定期間は課税事業者のままという点に注意が必要です。
インボイス対応に不安があるフリーランスエンジニアはフリーランスのミカタも検討しよう
インボイス登録に不安を抱える場合には、フリーランスエージェントに相談することもできます。ただし、エージェントサービスはたくさんあるため、どれを選べばいいのか迷う人もいるでしょう。
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そのため、応募する際はどれくらいの経験が必要なのかを前もってチェックしておきましょう。フリーランスのミカタを活用すれば、中・長期的に安定した収入を獲得できる案件が見つかりますよ。
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まとめ
今回はインボイス制度がフリーランスエンジニアに与える影響や登録へのメリットとデメリットなどを解説しました。
フリーランスエンジニアは免税事業者だと取引先からの消費税の請求、取引中止などのデメリットが発生します。取引中止を避けるためにも収入を増やして課税事業者になり、インボイス制度に登録しましょう。
ただし、課税事業者になると消費税の納税義務があることから、批判の声が多くあるのも確かです。インボイス制度の登録に不安を抱える場合には、フリーランスエージェントに相談し、同業者の動向を確認するのもいいでしょう。
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