フリーランスに国民健康保険は必須!種類や自分にあう保険の選び方とは

「フリーランスに必要な健康保険ってどれだろう?」
「健康保険に入らないとどうなるの?」
「支払う保険料って安くできるの?」

これまで気に留めていなかった健康保険。フリーランスへの独立をきっかけに、関心が芽生えた方も多くいるのではないでしょうか。

とはいえ、加入が義務付けられている公的医療保険にもいくつか種類があるため、どれにしようか迷っている方も多いはず。

そこで、今回はフリーランスに必要な健康保険の特徴を、種類や選び方も交えてご紹介します

この記事を読めば、健康保険について理解できるだけでなく、あなた最適な健康保険を選ぶことができますよ。

目次

フリーランスの健康保険加入は必須!入らないと一大事に

フリーランスには、国民健康保険や国民健康保険組合といった公的医療保険への加入が必要です。

国民健康保険は、公的医療保険を代表する制度の1つですね。

そもそも、日本ではけがや病気にかかった人が負担する医療費の一部を、働いている人達で補っています。

国民皆保険制度と呼ばれるこの仕組みは、1人が負担する医療費をみんなで抑える、いわば支え合いの制度なのです。

そのため、働く人達が公的医療保険へ加入しないと支え合いが実現できません。

だからこそ、フリーランスも何らかの公的医療保険へ加入が義務付けられているわけです。

公的医療保険の種類については後述しますが、保険ごとに支払う額や保障内容が異なります。

ただ、共通して加入者は毎月保険料を支払うことで、本来負担する医療費の一部が軽減されているのです。

保険が適応されない特別なケースもありますが、基本加入者は医療費の3割を負担します。

7割もの医療費が軽減されているわけです。

ちなみに、保険料を払わないまたは滞納した際には、延滞金が発生したり医療費の全額を負担する可能性があります。

最悪の場合、財産を差し押さえられるケースもあるため、毎月忘れずに支払いましょう。

フリーランスに必要な健康保険の種類

フリーランスに必要な健康保険の種類は、次の4つです。

  • 市区町村の国民健康保険
  • 国民健康保険組合の健康保険
  • 会社の健康保険を任意継続(会社員からフリーランスになった場合)
  • 家族が加入する健康保険の被扶養者になる

4つとも公的医療保険なので、フリーランスはいずれかに加入すれば良いわけです。

ではそれぞれの特徴を解説していきますね。

市区町村の国民健康保険

市区町村の国民健康保険は、各都道府県がそれぞれの自治体とともに運営する公的医療保険制度の1つです。

公的医療保険の中でも、知っている方が多いのではないでしょうか。

世帯主が国民健康保険に加入する家族の保険料をまとめて納めます。

また、所得はもちろん住んでいる都道府県や市区町村によって、保険料の計算方法や支払額が違うんです。

つまり、所得が高いかつ納める保険料の高い自治体であればあるほど、負担する保険料は増えることになります。

納める保険料を正確に知りたい方は、住んでいる市区町村の公式サイトで確認してみると良いですよ。

国民健康保険組合が運営する健康保険

国民健康保険組合の健康保険は、特定の業種で仕事をするフリーランスが加入できる公的医療保険です。

ちなみに国民健康保険組合とは、同じ業種を仕事にする人達で構成された団体のこと。医療、建築や食品など、さまざまな業種の組合が存在します。

また、市区町村の国民健康保険は地域ごとに保険料が決められていたのに対し、国民健康保険組合の保険料は加入する組合によって違うんです。

保険料は所得に限らず一定額なのも魅力の1つ。自分の業種に当てはまる組合があれば、加入できるフリーランスに優しい制度ですね。

会社の健康保険を任意継続する

会社員からフリーランスへ独立した場合には、もともと加入していた健康保険を継続することもできます

「健康保険の任意継続」と呼ばれる制度ですね。

退職前に2ヶ月以上健康保険へ加入していれば、独立後の2年間は健康保険を継続加入できるんです。

ただ、保障内容を継続できる一方、会社員の時と同じ保険料を納める必要があります。

会社員の今なら支払う保険料は勤務先が半分負担してくれますよね。

しかし、任意継続後は保険料の全額を自ら負担しなくてはなりません。

つまり、今よりも保険料は高くなるわけです。

そのため、フリーランスへ独立してからの収入変化を考慮した上で、検討するのが賢明ですよ。

家族が加入する健康保険の被扶養者になる

家族が加入する健康保険の被扶養者になるのも、手段の1つです。

被扶養者になれば自ら保険料を支払う必要はありません。

また、保険料を支払わない分だけ手取り額も多くなります。

ただ、被扶養者として認められるには自分の月収が10万8000円(年収130万円)を超えてはならない、家族が加入する健康保険の被扶養者枠に当てはまるかなどの条件を満たす必要があるんです。

そのため、条件に見合うかどうかをチェックしてから検討するのが賢明といえますね。

あなたに合う健康保険の選び方

「結局どの健康保険に加入すれば良いの?」

と悩んでいる方もいますよね。

そこでここからは、上記で解説した健康保険それぞれの選び方を、検討するおすすめの順番ごとに紹介します。

この記事を参考にすれば、あなたの条件に合う健康保険を選べますよ。

①条件に合うなら「家族が加入する健康保険の被扶養者になる」

条件に合うなら、「家族が加入する健康保険の被扶養者になる」のがおすすめです。

上記でも解説しましたが、被扶養者になれば自ら保険料を支払う必要がないため、手取り額が多くなります。

また、被扶養者でも保障の中身は自ら国民健康保険に加入する方と変わりません。

家族の加入する健康保険が国民健康保険の内容よりお得なケースもあるんです。

ただ、被扶養者として認められるには次の条件を満たす必要があります。

  • 自分の月収が10万8000円(年収130万円)以内
  • 家族が加入する健康保険の被扶養者枠に当てはまる

もちろん、「月に10万円以上は稼ぎたい!」「被扶養者になりたくない!」などと感じている方におすすめはしません。

しかし、保険料を負担したくないフリーランスの方であれば、真っ先に検討すべき選択肢といえますね。

②今の保障内容を変えたくないなら「会社の健康保険を任意継続する」

フリーランスへ独立後も今の保障を受けたい方は、「会社の健康保険を任意継続」するのがおすすめです。

前述の通り、任意継続は会社員からフリーランスへ独立する方に限ります。

会社員が加入する健康保険の中には、無償で定期的健康診断が受けられたり、被扶養者を優遇してくれるものも少なくありません。

つまり、加入する健康保険を変えない方がお得な方もいるわけです。

また、任意継続後は保険料の半分を会社が負担してくれないため、今よりも保険料は高くなる可能性があります。

仮に、フリーランスへ独立してからの月収や年収が会社員より少なくなれば、任意継続しても生活が困難になるだけです。

そのため、任意継続は今加入している健康保険の保障内容やフリーランスへ独立してからの報酬を考慮した上で検討すると良いですよ。

③組合がある業種なら「国民健康保険組合の健康保険」

組合がある業種なら、「国民健康保険組合の健康保険」へ加入するのがおすすめです。

上記で解説しましたが、国民健康保険組合の健康保険は、所得に関わらず保険料が一定額なフリーランスに優しい制度。

どれだけ稼いでも保険料の負担が増えないため、フリーランスの方でも安心して加入できます。

デザイナー・ライター・作家といったクリエイティブな仕事をする方へ向けた文芸美術国民健康保険組合や、関東圏内でIT関連の方へ向けた関東ITソフトウェア健康保険組合など、組合の種類も豊富です。

自分の業種で運営している組合があるかを探してみて、気になるところがあればと合わせてみると良いですよ。

④他の3つに当てはまらないなら「市区町村の国民健康保険」

①~③の健康保険に当てはまらない場合は、「市区町村の国民健康保険」へ加入しましょう

というのも、市区町村の国民健康保険は住民票を登録している都道府県・市区町村であれば、誰でも加入できるからです。

また、納める保険料は所得や住んでいる都道府県・市区町村によって異なります。

そのため、少しでも負担を減らしたい方は、保険料が低い自治体を住まいにすると良いですよ。

自分が住んでいる自治体の保険料を調べてみるのはもちろん、次のサイトを参考に保険料が低い自治体への引っ越しを検討してみるのもおすすめです。

まとめ

今回はフリーランスに必要な健康保険の特徴を、種類や選び方も交えて紹介しました。

当てはまる組合があるかにもよりますが、フリーランスが健康保険へ加入するなら、納める保険料が定額の国民健康保険組合がおすすめです。

あなたの条件に合う健康保険を選び、理想のフリーランス生活を送る地盤を固めましょう。

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この記事を書いた人

クラウドエンジニア歴4年。
AWS・Azure・GCPなど主要クラウドは一通り触っているが一番得意なのはAWS。
最近ではTerraformでIaCもやっていて、某AWS書籍で執筆の経験も。三度の飯よりクラウドが好き。

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