インフラエンジニアがフリーランスになるには?独立までの5STEP

「インフラエンジニアはフリーランスに独立すべき?」
「フリーのインフラエンジニアが仕事を獲得できるイメージが湧かない…」

フリーランスに憧れを抱きつつも、独立するイメージが湧かず判断ができない人は多いですよね。

フリーランスのメリットやデメリットを理解しないまま独立しては「もっとちゃんと調べればよかった…」と後悔しかねません。

そこで、今回はインフラエンジニアがフリーランスになるメリット・デメリットを、案件例や年収も交えて紹介します。インフラエンジニアがフリーランスに独立する手順や仕事を獲得する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インフラエンジニアの独立は副業でフリーランスを体験した後がベスト

結論、インフラエンジニアの独立は副業でフリーランスを体験した後がベストです。

独立前に副業を経験すれば、フリーランスの働き方が自分にあうのか判断できます。副業を行うには、自分で選んだ仕事を納期までに終わらせなければなりませんからね。

同様に、フリーランスになると好きな時間と場所で仕事ができたり、仕事内容も選べます。

ただ、案件は自分で獲得しなければなりません。加えて、帳簿への記載といった会社員時代には経験しないフリーランスの用務も増えるのです。

自由に働きながらもスケジュール管理を怠らないよう、仕事に計画性が求められます。そのため、フリーランスに向いている人は、自己管理ができる人です。

自己管理ができれば、仕事が途切れないよう案件を獲得する行動を起こしたり、納期までに仕事を終わらせる段取りを立てられます。

自分がフリーランスに向いているのかを判断するためにも、独立前に副業でフリーランスの働き方を経験することが賢明です。

フリーランスインフラエンジニアの基礎知識

ここからは、次のトピック別にフリーランスインフラエンジニアの基礎知識を紹介します。

未経験からの独立は困難

未経験からフリーランスインフラエンジニアへの独立は困難といえます。

次のように、求人サイト等に掲載されているフリーランスインフラエンジニア案件の多くが『実務経験3年以上』といった採用条件を設けているからです。


出典:フリーランスのミカタ

インフラエンジニアの実務経験がなければ案件獲得が困難なため、未経験からの独立は難易度が高いのです。

もし未経験で独立する場合は、次のように実務経験を採用条件としない案件から実績を積み上げる必要があります。

出典:PE-BANK

上画像のような実務経験とスキルを問わない案件は少なく、思うように稼げない場合が多いです。

とはいえ、未経験の場合はインフラエンジニア案件の採用条件を満たすことを目標に実績を積み上げる以外に方法はありません。

時間をかけながら実績とスキルを身につける必要があるため、未経験からインフラエンジニアの独立は困難なのです。

平均年収は約816万円

インフラエンジニアの平均年収は、約780万円です。インフラエンジニアの会社員に比べ、フリーランスの平均年収は高い傾向にあります。

平均年収 平均単価または平均月給
フリーランスインフラエンジニア 816万円(※1) 68万円
会社員インフラエンジニア 520万円(※2) 43万円

※1:『レバテックフリーランステキスト』に掲載されている案件単価をもとに算出
※2:『求人ボックス』をもとに記載

フリーランスの収入は、実務経験年数やスキルに応じて高くなります。加えて、取引先と単価交渉が可能なため、希望に近い収入を得やすいです。

一方、会社員の場合は勤続年数や年齢により、収入が決まることが多いです。そのため、新入社員や若手のうちはそれほど稼げません。

インフラエンジニアのフリーランスになると、スキルアップしたり単価交渉を行うといった自分の努力次第で収入を上げられるようになります。

インフラエンジニアがフリーランスに独立する3つのメリット

ここからは、インフラエンジニアがフリーランスに独立するメリットを、3つにまとめて紹介します。

在宅(フルリモート)でも仕事ができる

在宅(フルリモート)でも仕事ができる点は、インフラエンジニアがフリーランスに独立するメリットの1つです。

AWSといったクラウド技術が普及してから、従来のサーバーがクラウドへ置き換わりつつあります。

サーバーがクラウドになれば、インターネットを通じて必要なシステムへのアクセスが可能になります。サーバーや周辺機器に直接触れずともパソコンがあれば、インフラエンジニアは仕事ができるのです。

そのため、これまでインフラエンジニアは客先常駐がメインでしたが、次の案件のようにフルリモートの仕事も増えています。


出典:フリーランスのミカタ

もちろん、インフラエンジニアの案件には客先常駐案件もたくさんあります。自分の都合に合わせて在宅と常駐案件の選択が可能なことは、フリーランスに独立するメリットなのです。

やりたい仕事が選べる

やりたい仕事が選べる点は、インフラエンジニアがフリーランスに独立するメリットの1つです。

前述したとおり、フリーランスになると自分で案件を獲得するため、次のような基準で自由に仕事を選べるようになります。

  • 仕事内容
  • スキル
  • プロジェクトの大きさ

一方、会社員は、会社や上司の方針に従い仕事を進めます。上司が部下に仕事を割り振るため、自分で仕事を選べません。

会社員は、上司面談で今後のキャリアを見据えて仕事の希望を伝えることは可能ではあるものの、必ず叶えてもらえるわけではないのです。

自分のやりたい仕事を選ぶには、フリーランスが最適です。仕事を選べるようになれば、希望するキャリアを積みやすくなるといった利点もあります。

自身で収入を決められる

自身で収入を決められる点は、インフラエンジニアがフリーランスに独立するメリットの1つです。

独立すると、必ずしも毎月働く必要はありません。仕事のペースを自分で決められるため、たとえば目標の年収に到達すれば年内に新しい仕事を獲得しなくてもいいのです。

もちろん、高単価案件を獲得し続け、上限なく収入を得ることもできます。

一方、会社員は就業規則に従い、稼働日や始業と終業の時間が決められています。給料は固定給のため、月々の収入が大きく変わることはありません。

会社員が稼働日に仕事を休む場合、有給休暇を利用します。もし、有給休暇の日数が足りず仕事を休む場合には、休んだ日数分の給料が天引きされるのです。

インフラエンジニアがフリーランスになれば、仕事をした分だけ収入を得られます。自分の希望に沿った収入を自分で決められる点は会社員では実現できないメリットです。

インフラエンジニアがフリーランスに独立する3つのデメリット

メリットに続き、ここからはインフラエンジニアがフリーランスに独立するデメリットを、3つにまとめて紹介します。

収入が安定しづらい

収入が安定しづらい点は、インフラエンジニアがフリーランスに独立するデメリットの1つです。

フリーランスになると、次の点で収入が安定しづらくなります。

  • 案件ごとで単価が異なる
  • 必ず仕事が得られるわけではない

フリーランスの案件は、スキルレベルや実務経験年数に応じて、単価が高くなります。案件ごとで必要なスキルや経験が異なるため、一定の単価ではないのです。

加えて、取引先に採用されなければ仕事と収入は得られません。取引先が指定する採用条件を満たした応募者はたくさんいます。

取引先は応募者の中からスキルや実績を比較し採用する人を決めるため、応募すれば必ず仕事を獲得できるわけではないのです。

一方、会社員の場合は問題なく働けば、毎月一定の収入が得られます。加えて、営業部や上司が仕事を取ってくるため、仕事がなくなる心配もありません。

安定的に働ける会社員とは異なり、インフラエンジニアがフリーランスになると毎月一定の収入は得づらくなる点はデメリットなのです。

自身で税金・保険の手続きが必要

自身で税金・保険の手続きが必要な点は、インフラエンジニアがフリーランスに独立するデメリットの1つです。

独立すると、収入を申告し納税を自分で行う必要があります。合わせて、退職すると会社で加入していた厚生年金や健康保険から抜けます。

各種保険からの脱退後は、いずれかの社会保険へ加入義務があるため、自身で切り替え手続きが必要です。

一方、会社員の場合は、納税と各種保険の手続きを自身で行いません。会社に必要書類を提出すれば、担当部署が行います。

会社員とは異なりフリーランスになると、自分で納税と社会保険の手続きが必要な点はデメリットなのです。

孤独を感じやすい

孤独を感じやすい点は、インフラエンジニアがフリーランスに独立するデメリットの1つです。

フリーランスになると、個人で仕事を受けます。一人作業が多いため、孤独を感じやすくなるのです。

特に、悩みや心配ごとを相談できる相手が近くにいなければ、一人で抱えることになります。次第に、孤独から精神を病みやすくなるのです。

一方、会社員であれば上司や同僚と共に仕事をするため、すぐに近くの人と話ができます。困りごとや悩みを相談できる環境で働けると、行き詰ったり精神的に追い込まれづらいのです。

会社員とは異なり、フリーランスの一人作業が多い仕事環境は、孤独を感じやすい点で独立するデメリットになります。

フリーランスインフラエンジニアに必要な5つのスキル

フリーランスインフラエンジニアに必要なスキルを知らないまま独立すると、希望に沿う案件を獲得できず、のちに転身したことを後悔しかねません。

そこで、ここからはフリーランスインフラエンジニアに必要なスキルを、5つにまとめて解説します。

ネットワーク・サーバーの基礎知識

ネットワークやサーバーの基礎知識は、フリーランスインフラエンジニアに必要なスキルの1つです。

インフラエンジニアは、ネットワークやサーバーといったITインフラの構築や設計などを専門に行います。

取引先の要求を満たす最適なITインフラを構築するためには、次のような知識が必要です。

ネットワーク ネットワーク機器の仕様と設計スキル、ネットワークへの接続スキル など
サーバー 従来型とクラウドサーバーの知識とスキル、WindowsやLinuxなどのOSに関する知識 など

ネットワークでは、負荷を分散させトラブルを防ぐような設計や接続を行うことが求められます。
加えて、サーバーでは従来型サーバーと合わせて、現在主流になりつつあるクラウドサーバーの知識も身につけることが不可欠です。

クラウド関連のスキル

クラウド関連のスキルは、フリーランスインフラエンジニアに必要なスキルの1つです。

インフラエンジニアがクラウド関連のスキルを身につけると、獲得できる案件が増えるだけでなく、在宅で仕事もしやすくなります。

クラウドサーバーが登場し、従来型サーバーが主流であった頃とは、インフラ環境が変わりつつあります。

フリーランスインフラエンジニアとして活動を続けるためには、次のようなクラウド関連スキルが必要です。

  • IPアドレスの設定
  • サーバーの立ち上げ
  • ルーティングの設定(※)
  • 監視の設定
  • バックアップの設定 など

※:ルーティングとは、最適な経路を選択して情報を送信すること

クラウド関連の技術は、幅広い領域の知識やスキルが必要です。そのうえ、登場して間もない技術のため、常に最新情報をキャッチアップすることが重要になります。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、フリーランスインフラエンジニアに必要なスキルの1つです。

フリーランスの仕事は、チーム単位で行います。取引先に加え、チーム内で円滑なコミュニケーションが取れなければ仕事がスムーズに進みません。

たとえば、仕事で不明点や問題点が出た際に「まぁこれでいいか!」と自己判断してしまうと、のちに修正となることもあります。

修正が多ければ納期遅れにつながります。納期を守るためにも、自発的な報告や相談が必要です。

フリーランスインフラエンジニアが自発的にコミュニケーションを取れると、取引先の仕事を計画通りに進められます。

セルフマネジメント能力

セルフマネジメント能力は、フリーランスインフラエンジニアに必要なスキルの1つです。

ここでいう、セルフマネジメント能力とは次のことばを指します。

  • スケジュール管理
  • 体調管理

フリーランスになると、自分でスケジュールを管理し納期までに仕事を終わらせなければなりません。思うように作業が進まないことも考慮に入れて、計画に余裕を持たせることも大切です。

スケジュールに余裕があれば、多少計画から遅れても納期までに終わる可能性があります。

ただ、最適な作業スケジュールを立てても、体調を崩しては計画通りには進みません。スケジュール通りに進めるには、体調管理も必要です。

フリーランスインフラエンジニアが計画的に仕事を進めるには、スケジュールと体調を管理することが不可欠です。

営業スキル

営業スキルは、フリーランスインフラエンジニアに必要なスキルの1つです。

フリーランスになると、仕事が途切れないよう営業スキルが必要になります。技量やコミュニケーション力といった強みをアピールし、取引先に自分を売り込むのです。

営業スキルが高ければ、案件の応募者と差別化ができ、案件を獲得しやすくなります。

加えて、より多くの人に自分を知ってもらうために、これまでの実績やスキルをまとめたポートフォリオを作成しホームページに掲載します。

つづいて、ホームページURLをX(旧:Twitter)で配信すれば、たくさんの人に見てもらえる可能性があるのです。

実際に取引先を訪問したり、直接的に電話で営業するだけでなく、様々な手段を活用するとより仕事を獲得しやすくなります。

フリーランスインフラエンジニアが案件を獲得しやすくするには、営業スキルとさまざまな営業方法を駆使することも大切です。

インフラエンジニアがフリーランスに独立する5STEP

ここからは、インフラエンジニアがフリーランスに独立する手順を、5つのSTEPで紹介します。

STEP1:必要なスキルを磨く

はじめに、必要なスキルを磨きます。

前述したとおり、フリーランスインフラエンジニアには次のようなスキルが必要です。

  • ネットワーク・サーバーの基礎知識
  • クラウド関連のスキル
  • コミュニケーション能力
  • セルフマネジメント能力
  • 営業スキル

仕事をスムーズに進めるには、技量だけでなくコミュニケーション能力も不可欠です。いくら知識やスキルが豊富でも、取引先と綿密な報告や連絡ができなければ効率よく仕事ができます。

加えて、計画的に仕事を進めるには、セルフマネジメント能力も大切です。作業スケジュールを考え、計画通りに仕事をするには体調管理にも注力しなければなりません。

また、仕事が途切れないようにするためには、営業スキルも必要です。自分の強みを取引先にアピールする力やプランニングも身につけましょう。

STEP2:会社で経験を積む

スキルを磨いたら、会社での経験を積みます。

前述したとおり、フリーランスインフラエンジニアの案件は実務経験3年以上を採用条件にする仕事がたくさんあります。

会社員インフラエンジニアとして3年ほど経験を積めば、独立後に案件を獲得しやすいのです。

スキルや知識は独学でも身につけられるものの、実務経験は仕事を得なければ作れません。
また、上司や先輩に不明点を相談しやすいことも会社で働くメリットです。

スキルや知識がある人に相談すれば、すぐに不明点を解決できます。不明点をわからないままにしておくと知識を積みあげられず、スキルアップがしづらくなりますからね。

フリーランスになり案件を獲得しやすくするためにも、会社で働き、効率よくインフラエンジニアの実務経験を積みましょう。

STEP3:人脈を形成する

会社で経験を積んだら、人脈を形成します。

ここでいう、人脈とは『取引先』や『同業者』とのつながりを指すことばです。人脈を作れば、案件の獲得先や相談相手を増やせます。

より多くの人と人脈を形成するには、次のような方法があります。

  • コミュニティに参加する
  • セミナーや勉強会に参加する
  • 知人に声をかけ紹介してもらう

独立前に人脈を形成するには、WorkshipDMMオンラインサロンといったコミュニティがおすすめです。

上記のようなコミュニティに登録すると、イベントや交流会にも参加ができるため、より多くの人とつながりを持てます。

可能な限り多くの方法で人脈を形成しましょう。

STEP4:副業で業務委託を経験する

人脈ができたら、副業で業務委託を経験します。

独立前に業務委託を経験すると、フリーランスとして働くイメージが湧きます。副業をするには自分で案件を獲得し、計画的に仕事を進めつつ納品しなければなりません。

フリーランスの働き方を経験することで、独立後は案件の獲得方法や仕事の進め方の要領がわかるのです。

副業では、次のような方法で業務委託の案件を獲得します。

  • 知人からの案件を紹介してもらう
  • クラウドソーシングサービスを利用する

副業案件を効率的に獲得するには、すでに独立した知人から仕事を紹介してもらえるよう声をかけることです。

もし、知人から副業の仕事を紹介してもらえれば、独立した後も引き続き案件を得られる可能性があります。

なお、クラウドソーシングサービスに関しては以下で詳しい内容を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

STEP5:フリーランスへ独立する

副業で業務委託の経験が済んだら、フリーランスへ独立しましょう。

STEP4まで手順を進めると、フリーランスとして働く準備とイメージができます。

フリーランスとして活躍するためにも、まずは会社とトラブルを起こすことなく退職手続きを行わなければなりません。

就業規則に沿って退職の旨を上司に伝え、引き継ぎを確実に行います。円満に退社ができれば、独立後に仕事を紹介してもらえることもあります。

案件の獲得先が多いほど仕事が途切れづらくなるため、フリーランスの活動がしやすくなります。 

会社とのつながりが途切れないよう退職手続きや引き継ぎを確実に行い、フリーランスへと独立するのが理想的です。

インフラエンジニアがフリーランスへの独立を判断する5つのポイント

なかには、会社員インフラエンジニアから独立を決めかねてる人もいますよね。

そこで、ここからはインフラエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントを、5つにまとめて紹介します。

独立する目的は明確か

独立する目的は明確かは、インフラエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

フリーランスになる目的が明確な人は、フリーランスに向いています。ただし、独立する目的が明確でなければ、用務の多さから、すぐに会社員に戻る可能性があります。「なんとなく」や「かっこいいから」といった曖昧な理由で独立しようと考えている人はフリーランスには向きません。

フリーランスになると、エンジニアリング以外の仕事に『案件獲得』や『帳簿への記載』などの用務が山積みなのです。

用務が多いなかでフリーランスとして働くには『目的や目標』を明確にしなければなりません。「収入を上げたい」や「好きな時間に働きたい」といった目的や目標があれば、フリーランスの用務をやり抜けます。

もし、独立目的が明確でなければ独立せずとも転職で職場を変えたり、副業でいまよりも収入を増やすといった選択肢もあることを念頭におきましょう。

そのため、独立する目的が明確なのかは独立を判断するための重要なポイントなのです。

収入の高さか安定性か

収入の高さか安定性かは、インフラエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

ここでいう、収入の高さと安定性は次の言葉を指します。

  • 『収入の高さ』とは高収入である一方で、毎月一定の収入を得られる保証がない
  • 安定性とは毎月一定の収入は得られるが、高収入ではない

収入の高さを求めるなら、フリーランスに向きます。逆に、収入の安定性を重視するなら、フリーランス向きではないため、独立しない判断が賢明です。

先ほど解説したとおり、フリーランスは自分で収入を決められるため、高収入を得やすくなります。ただ、応募した案件に必ず採用されるとは限らず、収入が安定しないのも事実です。

一方、会社員は固定給のため、退職時まで毎月安定した収入が得られます。ただし、定期昇給や昇進での収入アップのため、フリーランスほどの高収入は期待できません。

もし、会社員のように安定した収入を希望しながらも年収を上げたいなら、転職をする方法もあります。

収入の高さと安定性のどちらを選ぶかで、フリーランスへの独立を判断すべきなのか決まるのです。

仕事場は在宅か常駐か

仕事場が在宅か常駐かは、インフラエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

在宅勤務を選択するなら、フリーランスに向きます。一方、常駐を選ぶなら会社員のままといった選択肢もあります。

前述したとおり、フリーランスは自分で案件を選べるため、在宅案件の獲得が可能です。ただし、会社員の場合は、会社の方針に従うため、自分の意思で仕事場を決められないのです。

そのため、仕事場の希望が在宅か常駐なのかは、フリーランスへの独立を判断するポイントになります。

自己管理は得意か不得意か

自己管理が得意か不得意かは、インフラエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

ここでいう、自己管理とは次の意味合いを指しています。

  • 体調管理
  • スケジュール管理

自己管理が得意な人は、フリーランスに向いています。逆に、自分でスケジュール管理ができない人はフリーランスに向いているとはいえません。

前述したとおり、フリーランスになるとエンジニアリングの仕事をしながら案件を獲得し、帳簿へ経費などを記載しなければなりません。やるべき用務に優先順位をつけながら、計画的に進めることが必須です。

ただし、いくら計画を立てても体調を崩しては、思うように進みません。計画的に仕事や用務を進めるには、体調管理は大切です。

一方、会社員インフラエンジニアならエンジニアリングの仕事に注力できます。仕事のスケジュール管理は上司が行う場合が多いうえに、体調不良で作業遅れが起きても、上司や先輩が仕事を進めるサポート体制が整っているのです。

自己管理はフリーランスの活動を続けるうえで不可欠なため、自己管理が得意か不得意かは独立を判断するポイントになります。

人とのコミュニケーションは得意か不得意か

人とのコミュニケーションが得意か不得意かは、インフラエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

ここでいう、人とのコミュニケーションとは『自発的な報告や相談』を指します。自発的な報告や相談ができる人なら、フリーランス向きです。取引先から指示を待つ人や自己判断で作業を進める人は、フリーランスは向きません。

たとえば、フリーランスになり仕事で問題点や不明点が出た場合、自発的に発言しなければ取引先は事態に気が付きません。

「これでいいか…」と自己判断し仕事を進めると、修正作業が増え納期遅れを起こす可能性があります。納期に遅れると、取引先との信頼関係は崩れかねません。

一方、会社員インフラエンジニアであれば、上司や先輩と仕事を共有することが多いです。自らコミュニケーションを取らずとも、困っていることを察知した上司や先輩が声をかけてくれます。

加えて、会社員の場合は上司や先輩の業務に部下の指導も含まれるため、自発的にコミュニケーションが取れなくても仕事はスムーズに進むことが多いです。

フリーランスで働くには取引先への報告や連絡が必要なため、人とのコミュニケーションが得意か不得意かは独立を判断するポイントになります。

フリーランスインフラエンジニアが仕事を獲得する5つの方法

なかには、独立後どのように仕事を獲得すればいいのか、イメージが湧かない人もいますよね。

そこで、ここからはフリーランスインフラエンジニアが案件を獲得する方法を、5つにまとめて紹介します。

クラウドソーシングサービスを活用する

クラウドソーシングサービスの活用は、フリーランスインフラエンジニアが案件を獲得する方法の1つです。

クラウドソーシングとは、依頼主と受注者がオンライン上でやりとりを行い、仕事をする業務形態を指します。実務経験が浅い人でも応募可能な案件や単発の仕事が多く、案件数も豊富なことが特徴です。

加えて、クラウドソーシングサービスでは案件への応募時に書類選考や面接を行うケースがほとんどありません。受注者は、依頼主が掲載する案件にオンライン上で応募し、採用されれば仕事を得られます。

そのため『すぐに仕事がほしい』や『単発の仕事をしたい』場合には、クラウドソーシングサービスの利用が有効です。

なお、活用するクラウドソーシングサービスは、フリーランスインフラエンジニア向けの案件数が多い次のサイトをおすすめします。

ちなみに、クラウドワークスには、次のような案件があります。


出典:クラウドワークス

クラウドソーシングサイトは、オンライン上のみのやりとりではありますが、報酬が払われない心配はありません。

依頼主が事前に仮払いをしてから仕事を始めるしくみのため、安心して利用できるサービスです。

求人サイトを活用する

求人サイトの活用は、フリーランスインフラエンジニアが案件を獲得する方法の1つです。

求人サイトとは、主に転職の際に利用する転職サイトのことを指します。フリーランスが求人サイトを利用する場合は、雇用形態を『業務委託』で絞りこみます。

求人サイトは正社員や契約社員の求人紹介がメインのため、業務委託の案件はそれほど多くありません。

実のところ、求人サイトに掲載されている案件の多くが、フリーランス向けエージェントでも紹介される仕事のことが多いです。

ただし、仕事内容が詳細に記載されているため、求人サイトを活用すれば自分で手早く希望に沿う案件を見つけられます。

そのため「自分で最適な仕事を見つけたい」場合には、求人サイトの活用が有効的です。

なかでも、案件数が多い次のサイトの活用がおすすめです。

ちなみに、求人ボックスには次のような案件があります。


出典:求人ボックス

求人サイトは仕事内容が詳細に記載されているため、働く環境を想像しやすいメリットがあります。

フリーランス向けエージェントサービスを活用する

フリーランス向けエージェントサービスの活用は、フリーランスインフラエンジニアが案件を獲得する方法の1つです。

フリーランス向けエージェントとは、案件紹介から契約締結までの全工程を代行するサービスです。

『効率よく仕事を得たい』や『より希望に合う案件を獲得したい』場合に、フリーランス向けエージェントサービスの利用がおすすめです。

案件紹介前にエージェントの担当者と仕事内容や希望単価など条件の擦り合わせを行うため、希望に沿った仕事を獲得しやすくなります。

加えて、フリーランス向けエージェントサービスが抱える案件は中・長期的に参画できる仕事が多く、安定的に仕事を獲得しやすい特徴もあります。

特に案件数が多いのは、次のようなエージェントサービスです。

なかでも、案件数の多さに加え、高単価案件を安定して獲得したい人には、『フリーランスのミカタ』をおすすめします。

フリーランスのミカタは、通常のサイトには掲載されていない15,000以上の非公開案件と高単価な案件を豊富に取り揃えるエージェントサービスです。

出典:フリーランスのミカタ

具体的には下記のような案件が多く掲載されているため、自ら営業せずとも仕事を中・長期的に獲得できます。

出典:フリーランスのミカタ

また希望年収や稼働時間だけでなく、扱うプログラミング言語などを細かく指定して案件を探せるため、自分にあう仕事を見つけやすいサイト仕様になっています。

ただし、上記のような案件は条件として2〜3年の実務経験が求められるケースが多いです。そのため、応募する際はどれくらいの経験が必要なのかを前もってチェックしておきましょう。

フリーランスのミカタを活用すれば、高単価案件が中・長期的に見つかりますよ。

どんな案件が掲載されているか気になる人は、下のボタンから自分にあう案件を探してみてください。

なお、フリーランスのミカタがどんなサービスなのか詳しく知りたい方は、次の記事もあわせて参考にしてください。

→ フリーランスのミカタとは?サービス内容や特徴、メリット・デメリット、口コミも紹介

知人・友人から仕事を紹介してもらう

知人や友人からの仕事紹介は、フリーランスインフラエンジニアが案件を獲得する方法の1つです。

互いに知った間柄の知人や友人なら、スキルレベルや人間性を熟知しているため、仕事でのトラブルを防げます。

また、信頼関係が成立していることもあり、案件の依頼をしやすいうえ継続的に仕事を任せてもらえる可能性が高いです。

『案件の獲得先を増やしたい』や『仕事を得るのと同時に営業力も身につけたい』場合に、知人や友人からの案件紹介がおすすめです。

ただし、知人や友人からの案件紹介は、単価交渉がしにくいといったデメリットもあります。知人や友人からの案件紹介はトラブルこそ少ないものの、万が一仕事で大きなミスをした場合には人間関係にも影響することを念頭におきましょう。

知人や友人から案件を紹介してもらうには「自分に任せてもらえる仕事はありませんか」と声をかけます。

前職での知人や独立した友人などより多くの人に声をかければ、案件を獲得できる可能性が高まります。

仕事の依頼先に直接営業をかける

仕事の依頼先へ直接営業をかけることは、フリーランスインフラエンジニアが案件を獲得する方法の1つです。

依頼先へ直接営業をすることで、ビジネスに注力している印象を取引先に与えれば、安定的に案件をもらえる可能性があります。

そこで、依頼先へ電話やメールで問い合わせを行い『熱心さ』を伝えることが大切です。

取引先は仕事を依頼したい一方で、これまで取引のない人に案件を任せることへの不安を抱えることもあります。誰しもが取引先の求めるレベルで、作業を終わらせてくれるとも限りませんからね。

そこで、以前に仕事を一緒に行った間柄であれば、取引先は作業の正確さといった仕事ぶりを熟知しているため、依頼しやすいのです。

ただし、依頼先が忙しい場合や不在時は対応できないこともあります。加えて、仕事の依頼先への連絡頻度が高すぎると、執拗な印象を与え逆効果の場合もあるのです。

取引先にとってベストな問い合わせ方は、1~2ヶ月ごとにメールで連絡をします。ただし、メールの場合は見てもらえない可能性があるため、3ヶ月に1度の頻度で電話するのがおすすめです。

依頼先へ直接営業を行うと、継続的に案件を任せてくれる可能性もあるため、有効な案件獲得方法になります。

フリーランスインフラエンジニアに関するFAQ

最後に、フリーランスインフラエンジニアにまつわる質問に答えます。

独立するベストなタイミングってある?

フリーランスインフラエンジニアへの独立は、実務経験3年以上積んだあとがベストです。

インフラエンジニアの案件検索をすると、次のように実務経験3年以上を採用条件にする案件がたくさんあります。


出典:フリーランスのミカタ

インフラエンジニアの実務経験を3年以上積めば、好きな案件を選べるようになります。案件を選べるようになれば、独立後にフリーランスの活動がしやすくなるのです。

独立前に取得しておくべき資格は?

インフラエンジニアが独立する前に、次のような資格を取得すると有効です。

資格名 詳細
基本情報技術者試験 IT分野全般から出題
AWS認定 AWS(Amazonのクラウドサービス)に関する試験で、レベルや専門分野別に12種に分類
シスコ技術者認定 ネットワークに関する内容を出題

最近のインフラエンジニアの案件では、クラウド化でのインフラ構築やネットワークの知識を有するものが多くあります。

そのため、上表の資格を取得すれば、インフラエンジニアに必要な知識やスキルを身につけた証になります。

ただし、上表の資格はいずれも合格率30%ほどの試験のため、難易度は高めです。難関資格を取得すれば、取引先へスキルレベルの証明ができ、案件応募者との差別化ができるといったメリットがあります。

まとめ

今回は、インフラエンジニアがフリーランスになる方法を、案件例や年収と交えて解説しました。

インフラエンジニアの案件は、実務経験3年以上を採用条件にすることが多いです。スキルや知識を必要とするため、未経験や実務経験が浅い人は、好きな仕事を選ぶことが困難です。

しかし、インフラエンジニアの実務経験やスキルがあれば、独立後に仕事内容や働き方を選びやすくなります。好きな時間と場所で働けるうえに、会社員よりも平均年収は高いのです。

ただし、独立前に副業を経験し、フリーランスの働き方が自分にあうのか判断することが重要です。もし、イメージと違うならば、会社員に戻ることになりかねませんからね。

独立前に、人脈形成や業務委託の案件を経験するなどできる限りの準備を行い、フリーランスへと転身するのが賢明です。