「AWSエンジニアって何する仕事なの?」
「AWSエンジニアの年収や将来性が気になる…」
「AWSエンジニアへ就職・転職するには何から勉強すればいいの?」
と悩んでいませんか?
AWSという言葉は何となく聞いたことがあっても、「AWSのエンジニアってどんな仕事?」とイメージが湧かない方もいますよね。
また、目指すにしても実際に稼げるのか、今後の需要は大丈夫なのかなど詳しい事情を知りたい方も多いはず。
そこで今回は、AWSエンジニアの仕事内容から将来性、なるために必要なスキルや就職・転職のロードマップを詳しくご紹介します。
この記事を読めば、AWSエンジニアへの理解はもちろん、あなたが目指すべき最適な職業なのかも決められるようになりますよ。
AWS(Amazon Web Services)とは、Amazon社が提供しているクラウドコンピューターサービスの総称です。
AWSには、利用者へ提供するストレージやデータベース、サーバーといった100以上ものクラウドサービスが集められています。いわば「ネット版の貸出倉庫」ですね。
利用者はAWSにあるサービスを無料またはレンタル料を払うことで自由に使えます。
つまり、AWSは個人や法人に使い勝手の良いさまざまなクラウドサービスを貸し出す巨大な倉庫というわけです。
AWSは機能性の高い豊富なサービスを手軽に利用できることから、クラウド分野で30%以上の世界シェアを誇る人気サービスです。
AWSエンジニアとは?
AWSエンジニアとは、数あるクラウドサービスの中でもAWSに特化した技術者を指す言葉です。
上記の解説から、AWSを「ネット版の貸出倉庫」とするならば、AWSエンジニアは「貸出倉庫の管理を行う人」にあたります。
AWSの利用者が増え世界で30%以上ものシェアを誇るサービスになった背景もあり、AWSを専門にするエンジニアが生まれました。
100以上もの高性能なサービスを利用者へ問題なく活用してもらうのですから、AWSエンジニアのような専門の技術者が必要になったわけです。
さて、AWSエンジニアの役割はイメージできましたか?
下記からは、実際にAWSエンジニアが行う仕事内容を詳しく解説していきます。
AWSエンジニアの仕事内容
AWSエンジニアの主な仕事内容は、下記の3つです。
- システムの企画・設計
- 設計したシステムの構築
- 構築したシステムの運用・保守・点検
AWSエンジニアは1~3の手順に沿って仕事を行います。
そのため、1つひとつの仕事をバラバラに理解するのではなく、1~3の流れで頭に入れるとイメージしやすいですよ。
ではそれぞれ解説していきますね。
1. システムの企画・設計
システムの企画・設計は、AWSエンジニアが行う仕事の1つです。
主には、ストレージやデータベース、サーバーといったAWSのクラウドサービスに関する運用計画や管理方法などの企画・設計を行います。
ちなみに、もともとオンプレミスを導入していた企業の場合には、クラウドとの連携や移行も加味しながら企画・設計を行う必要がありますね。
オンプレミスとは、システムを動かしたりインフラを作るのに必要なストレージやデータベース、サーバーといったサービスを自社で保有し運用することを指す言葉です。
外部で提供されているサービスを使ってシステムの運用を行うクラウドとは対のやり方にあたります。
そのため、オンプレミスとクラウドの違いは、利用するサービスが「内部か外部か」で覚えるとわかりやすいですね。
2.設計したシステムの構築
企画・設計した内容に沿ってシステムを構築するのも、AWSエンジニアの仕事です。AWSの基盤となるインフラ作りを行います。
サーバーやネットワークの構築を担当する点で、インフラエンジニアと似た側面がありますね。
AWSエンジニアは、問題なくクラウドサービスを利用してもらえるよう、設計した内容を確認しながらシステムの構築を行うわけです。
3.構築したシステムの運用・保守・点検
構築したシステムの運用・保守・点検も、AWSエンジニアが行う仕事の1つです。
システムが問題なく動いているか、安全に利用できているかといった点検を定期的に行います。
もちろん、システムにトラブルが発生した際の対処や解決にあたるのも、AWSエンジニアの役割です。
また、AWSで利用できるサービスが増えた際には、導入するか既存のサービスと入れ替えるかの検討もAWSエンジニアが担当します。
作ったシステムが快適に利用してもらえるよう、管理するのもAWSエンジニアが担う重要な仕事なのです。
AWSエンジニアの平均年収
AWSエンジニアの仕事内容が理解できた方の中には、
「AWSエンジニアの年収ってどれくらいなの?」
と気になっている方もいますよね。
そこで、カスタマーエンジニアの平均年収をシステムエンジニア、会社員全体の年収とも比較できるよう次の表にまとめました。
平均年収 | |
---|---|
AWSエンジニア | 約580万円 |
システムエンジニア | 約551万円 |
インフラエンジニア | 約545万円 |
会社員の平均年収 | 約436万円 |
出典元:ITスキル研究フォーラム「IT技術者向けスキル診断 2016年度調査レポート」、「平成29年 賃金構造基本統計調査」厚生労働省、国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」
上の表から、AWSエンジニアの平均年収は一般会社員や似た仕事を担当する他のエンジニアよりも高いことがわかります。
これは、AWSエンジニアのようなインフラとクラウド分野の双方に精通するエンジニアは、希少かつ高い需要があるからです。
インフラを構築・運用・保守できる技術力に加え、クラウドに関する知見や経験を持つエンジニアは早々いませんからね。
そのため、AWSエンジニアは一般会社員や他のエンジニアよりも高い年収を獲得できているわけです。
年収の高さは、インフラやクラウドといった複数の専門技術を兼ね備えるAWSエンジニアならではといえますね。
AWSエンジニアに必要なスキル
AWSエンジニアが上記で解説した仕事を卒なく行うためには、次3つのスキルが必要です。
AWSエンジニアの仕事内容を頭に思い浮かべながら読んでいただくと、必要なスキルのイメージが湧きやすくなりますよ。
ではそれぞれ解説していきます。
AWSを扱う専門スキル
AWSに関する知見や扱うための専門スキルは、AWSエンジニアに必要なスキルの1つです。AWSエンジニアは、名の通りAWSを専門とする技術者ですからね。
クラウドサービスを扱うシステムの構築・運用スキル自体は、他のエンジニアを経験すれば身につけられます。
しかし、AWSは他のクラウドサービスを扱うシステムとは異なる側面も多いため、AWS専門の知見やスキルが必要です。
AWSを問題なく扱えるだけの知見や技術力は、AWSエンジニアになる上で欠かせないスキルといえますね。
開発スキル
開発スキルは、システムの構築を行うAWSエンジニアに欠かせないスキルです。
AWSに関する一連の管理を担当するAWSエンジニアに開発できるスキルがなくては、そもそも仕事が務まりませんからね。
もちろん、ただシステムを設計通りに開発できれば良いとは限りません。問題なくシステムを運用するには、設計した内容に不備がないかを確認しながら開発を行う必要があるからです。
AWSエンジニアには、健全なシステムを開発できるスキルが求められます。
サーバー・ネットワークに関するインフラ技術
AWSエンジニアには、サーバー・ネットワークに関するインフラ技術も欠かせません。サーバーやネットワークの構築は、AWSエンジニアが担当する仕事の大半を占めるからです。
サーバーインフラの構築に必要な知識はもちろん、ネットワークに関する知見も必要になります。
また、オンプレミス環境を利用する企業のインフラを整える場合もあるため、クラウドとの連携や移行がスムーズに行える技術も重要ですね。
AWSエンジニアに資格は必要?
結論、AWSエンジニアになる上で必要な資格はありません。AWSエンジニアの仕事に「この資格がないとできない」といった業務はないからです。
ただ、「AWS認定資格」と呼ばれるAWS専門の資格は存在します。そのため、資格の取得を通じてAWSエンジニアに必要な知見を深めておくのも良いですね。
AWS認定資格を取得していれば、就職や転職、フリーランスとして案件を獲得する際などに自身の信頼へ繋がる武器になりますよ。
ちなみに、AWS認定資格は「役割別認定資格」と「専門知識認定資格」の2種類があり、後者は前者を取得していないと受験ができません。
AWS認定資格の取得に向けた勉強は、役割別認定資格から始めると良いですよ。
AWSエンジニアの労働環境
「実際にAWSエンジニアとして働いている人の声が聞きたい!」
とAWSエンジニアの実態が気になっている人は多いはず。
AWSエンジニアを目指すなら、働いている人の感想や意見は事前に聞いておきたいですよね。
そこで下記からは、AWSエンジニアとして働く人の口コミを紹介しながら、その実態に迫っていきます。
AWSエンジニアってきついの?
フリーランスのミカタで調べたところ、AWSエンジニアへつらさやきつさを感じている方の口コミは見当たりませんでした。
上記でも解説しましたが、AWSエンジニアはインフラとクラウド分野の双方に精通する希少性や需要の高い技術者です。
そもそもなれる人が少なく、他のエンジニアと比べて年収が高い点なども踏まえれば、特筆してつらさやきつさを感じている方は少ないといえますね。
AWSエンジニアのやりがいは?
フリーランスのミカタで調べたところ、AWSエンジニアのやりがいに関する口コミは見当たりませんでした。
ただ、AWSエンジニアの希少性や需要の高さを加味すれば、年収の高い技術職を希望する方はやりがいを感じる可能性は高いといえますね。
AWSエンジニアの今後や将来性、需要は?
結論、AWSエンジニアの需要は現在、そして今後も増加する可能性が高いです。
こうまで言い切れる大きな理由の1つには、最近のニュースや討論番組でよく騒がれている「日本でのIT人材不足」が挙げられます。
出典元:独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター「IT人材白書2020」
画像からもわかるように、2021年現在でITに関する教養や専門スキルのある人材(IT人材)は、約31万人も不足しているとのこと。
また、この人材不足は今後も加速し、2030年には約45万人に上ると予測が出ています。
上記の理由だけでも「なるほど!」 と納得した方は多いでしょう。
しかし、それ以上にAWSの利用者が今後も増えていく可能性が高いという理由こそが、AWSエンジニアの需要を高める一因といえます。
出典元:INTERNET Watch【AWS Summit Tokyo 2019】
上の画像を見れば、一目瞭然ですよね。つまり、AWSを利用するユーザーが増えれば増えるだけAWSエンジニアの需要も自然と高くなるわけです。
今現在、AWSは世界シェアの30%以上を誇ります。今後もシェアを伸ばしていくことはもちろんですが、この人気が衰えない限りAWSエンジニアの需要も下がる可能性は低いといえますね。
AWSエンジニアへ就職・転職するためのロードマップ
いざAWSエンジニアへ就職・転職しようにも、道のりがわからなくては目指しようもないですよね。
また、AWSエンジニアになるなら、遠回りせずできれば最短で職に就きたいと望んでいる人は多いはず。
そんな方は、次のロードマップを参考にAWSエンジニアへの就職・転職を目指すと良いですよ。
上画像からもわかるように、AWSエンジニアへの就職・転職を目指すなら、まずシステムエンジニアやインフラエンジニアの経験を積むのが賢明です。
これまでも解説してきましたが、AWSエンジニアにはインフラやサーバー、開発技術といったさまざまな専門スキルが求められます。
エンジニア経験のない人がいきなり目指す職業にしては、ハードルが高過ぎますよね。また、そもそも実績や経験のない人をAWSエンジニアへ採用する企業なんてありません。
そのため、一度システムエンジニアやインフラエンジニアとして実務経験を積んでからAWSエンジニアになるのがおすすめです。
独学でもAWSエンジニアへ就職・転職できるの?
結論、独学のみでAWSエンジニアへ就職・転職するのは困難です。
上記でも解説したように、AWSエンジニアには複数の専門スキルやエンジニア経験が必要になりますからね。
そのため、AWSに関する知見を独学で深めた後、システムエンジニアやインフラエンジニアの経験を積みAWSエンジニアへの就職・転職を目指すと良いですよ。
未経験からでもAWSエンジニアへ就職・転職できるの?
AWSエンジニアへの就職・転職は、未経験からでも可能です。何かを始める、目指す時のスタートラインは誰もが未経験ですからね。
とはいえ、エンジニア経験もない状態で就職・転職を目指すのは無謀です。そのため、上記のロードマップを参考にAWSエンジニアを目指すのが賢明といえますね。
フリーランスのAWSエンジニアへ独立・転身できるの?
結論、AWSエンジニアがフリーランスとして独立・転身を果たすのは可能です。
上記でも解説したように、AWSエンジニアは希少かつ需要の高い仕事を担う技術者ですからね。仕事に有無に困る可能性は低いといえます。
しかし、会社に所属しないフリーランスの性質上、理想の報酬や仕事を獲得できるかどうかは、自身のスキルや実績次第です。次の引用は、フリーランスの働き方を端的に示していますね。
フリーランスの場合、得られる報酬は、本人の能力に比例する。最新の技術を保有し、高い開発能力を持つなど、需要が高い人材には高い報酬が支払われることになる。
フリーランスの収入は、個々に契約した仕事に対して支払われる報酬で成り立っているため、年功序列による年齢や勤続年数の影響を受けない働き方と言える。
引用元:IT人材白書2016
実績や経験を積んだ上でフリーランスとして独立するのが賢明ですよ。
AWSエンジニアになるおすすめの勉強方法
これまで解説してきた通り、AWSエンジニアには実務でしか培えないスキルや経験が必要です。しかし、実務に欠かせないAWSの基礎知識に関しては、自身で勉強できます。
そこで最後に、AWSの基礎知識を学ぶおすすめの勉強方法を紹介します。
自分に適した勉強方法で効率的にAWSの基礎知識を学びましょう。
ではそれぞれ解説していきますね。
学習本から学ぶ
AWSが学べる本は基礎から応用、使い方や資格の取得に特化したものまでさまざまです。
自分のレベルや目的に合わない本を選んでは、「向いていないかも…」と挫折しかねません。
そのため、今の自分に適した学習本が選べるよう前もって本の内容を確認しておくと良いですよ。
また、下の記事ではAWSが学べるおすすめ本を目的別に紹介しているので、良ければ参考にしてください。
AWSを学習サイトから学ぶ
AWSに関する基礎知識は、学習サイトで学ぶのもおすすめです。学習サイトであれば、通信ができる環境とデバイスさえあれば勉強できます。
しかし、本とサイトはどちらも一長一短です。そのため、先にも述べましたが、自分の肌に合う学習方法を選ぶと良いですよ。また、下におすすめの学習サイトを載せたので、良ければ参考にしてください。
まとめ
今回はAWSエンジニアの仕事内容から将来性、なるために必要なスキルや就職・転職のロードマップまで紹介しました。
AWSエンジニアは、IT技術職の中でも希少かつ需要の高い職業です。仕事の有無には困らないものの、理想の仕事や報酬を獲得できるかは、自分のスキル次第で決まります。
今回紹介したロードマップを参考に、先のキャリアを見据えながら進むべき企業を選べると良いですよ。