Javaにおけるnullとは?
nullは、変数の値に何も定義されていない状態を表す値です。
Javaには2つのデータ型があります。
- プリミティブ型(int、char)
- 参照型(String)
上記のデータ型のうち、プリミティブ型(int、char)にnullはないです。
プリミティブ型は、値を直接格納するデータなのでnullは定義できません。
一方、参照型(String)は値を直接持たず、値のある場所を参照するデータです。
そのため値の参照先がない状態をnullとして定義します。
なお、Javaのnullについてより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
→ Javaでnull判定する方法!Optionalクラスの基礎も解説
NullPointerExceptionとの関係
Javaにおいて、String型をnullで初期化したまま、メソッドで呼び出そうとするとNullPointerExceptionという例外が発生してしまいます。
NullPointerExceptionは、java.langパッケージ内のクラスです。
NullPointerExceptionが発生すると、エラーのためアプリケーションが終了してしまう可能性があります。
条件分岐などで、nullが入っていないかどうか事前に確認しましょう。
なお、下の記事ではJavaのboolean型について詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
→ Javaのboolean型とは?使い方やBooleanクラスとの違いも解説
空文字列との違い
空文字の場合、参照先に空の文字列(長さ0の文字列)がある状態なので、nullとは異なります。
違いは下記のとおりです。
- null:何も定義されていない状態
- 空文字:空の文字列がある状態
下記の判定式で確認しましょう。
public class Main {
public static void main(String[] args) throws Exception {
String str1 = null;
String str2 = "";
if (str1 == null) System.out.println("str1はnullです");
if (str2 == null) System.out.println("str2はnullです");
}
}
上記の場合、出力結果は「str1はnullです」となります。
空文字はnullとして判定されません。
public class Main {
public static void main(String[] args) throws Exception {
String str1 = null;
String str2 = "";
if (str2.equals("")) System.out.println("str2は空です");
}
}
上記の場合、「str2は空です」が出力結果です。
nullをequalsで判定してしまうと、String型にnullを代入したままの状態なので「NullPointerException」が発生してしまいます。
public class Main {
public static void main(String[] args) throws Exception {
String str1 = null;
String str2 = "";
if (str1.equals(null)) System.out.println("str1はnullです");
}
}
上記ではNullPointerExceptioが発生してしまいます。
Javaにおけるnullの判定方法
Javaでのnullの判定方法をご紹介します。
public class Main {
public static void main(String[] args) throws Exception {
String str1 = null;
String str2 = "";
if (str1 == null) System.out.println("str1はnullです");
if (str2 == null) System.out.println("str2はnullです");
}
}
出力結果は「str1はnullです」です。
このように「==」や「!=」などの比較演算子でnullを判定することができます。
JavaにおけるOptionalクラスの基礎知識
Java8以降でOptionalクラスが追加されたことで、新しいnullの扱い方ができるようになりました。
Java8以降ではOptionalクラスを用いたnullの判定が推奨されます。
Optionalクラスは、「java.util.Optionalパッケージ」をインストールすることで使用可能です。
ここでは、Optionalクラスの代表的な使い方を紹介します。
import java.util.Optional;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
// Optionalオブジェクトの生成
String str = "test";
Optional optional = Optional.ofNullable(str);
// nullチェックと値の取得
String result = optional.orElse("値はnullです");
System.out.println("結果: " + result);
}
}
上記コードでは、Optional.orElseメソッドを使ってnullかどうかをチェックしています。
出力結果は「結果: test」です。
import java.util.Optional;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
String str = null;
Optional optional = Optional.ofNullable(str);
String result = optional.orElse("値はnullです");
System.out.println("結果: " + result);
}
}
上記の場合は「結果: 値はnullです」が出力されます。
nullかnull以外かを判定できていることを確認できました。
なお、下の記事ではJavaのメソッドについて詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
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まとめ
nullは多くの開発者を悩ませます。
そのため上級者であろうと注意しなければなりません。
本記事では、nullの基本や判定方法などを解説しました。
nullを正しく理解し、nullをうまく判定しながら、NullPointerExceptionなどのエラーが発生しないプログラムを作成しましょう。
なお、下の記事ではJavaのコンパイルについて詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。