Javaは広く企業やプロジェクトで利用されるプログラミング言語の一つです。Java言語の学習において、不可欠な概念の1つが「引数」になります。この記事では、「引数」に初めて触れる初心者の方々が、理解しやすいように引数の基本的な概念や役割を詳しく解説。
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Javaにおける引数・戻り値の基礎知識
Javaでの引数と戻り値の基本について解説します。引数とは、メソッドを呼び出す際に渡す値のことでメソッドが処理を行う上で必要な情報。
戻り値は、メソッドが処理を終えた後に返す値であり呼び出し元に結果を伝える役割を担いうます。例として、足し算を行うメソッドを考えましょう。
引数には足される数と足す数を渡し、戻り値として計算結果を受け取ります。このように、引数と戻り値をうまく利用することで、メソッド間で情報の受け渡しがスムーズになるでしょう。
ここでは、Javaにおける引数・戻り値の基礎として以下を紹介します。
引数の基本的な役割
引数の役割は、メソッドに必要な情報を提供し、処理内容をカスタマイズすることです。引数を受け取るメソッドでは、渡された値をもとに処理を行い、異なる引数を渡すことで処理結果が変わることがあります。
例えば文字列を連結するメソッドでは、引数に与えられた2つの文字列を結合し、結果を戻り値として返すでしょう。この場合、引数の値によって戻り値が変化します。引数を利用することで、メソッドの再利用性を高め、コードの見通しも良くなります。
メソッドに引数を用いて値を渡す方法
メソッドに引数を渡す方法は簡単です。まず、メソッド定義にて引数を受け取る変数を記述し、呼び出し元で値を渡します。例として、二つの整数を引数として受け取りその和を計算するメソッドを作成しましょう。
メソッド定義
public int add(int a, int b) {
return a + b;
}
呼び出し元
int sum = add(3, 5);
この例では、引数として3と5を渡しています。メソッドが呼び出されると、引数の値がaとbに代入され、その和が戻り値として返されるでしょう。このように、メソッドに引数を渡すことで、値の受け渡しを容易に行うことができます。
なお、下の記事ではJavaのメソッドについて詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
戻り値の基本的な役割・使い方
戻り値は、メソッドが実行された結果を呼び出し元に返す役割を果たします。戻り値を使うことで、メソッドを再利用可能にし、コードの可読性や効率を向上ができるでしょう。
戻り値を使いこなすためには、以下の要素を理解することが大切です。
- 戻り値の型
- メソッドの定義
- メソッドの呼び出し
戻り値の型は、メソッドが返すデータの型を指定します。Javaでは、戻り値の型を指定せずにメソッドを定義することはできません。
メソッドの定義では、return文を使って戻り値を指定します。この際、戻り値の型に合った値を指定することが重要です。
メソッドの呼び出しでは、呼び出し元で戻り値を受け取るために、適切な型の変数に代入します。これにより、呼び出し元でメソッドの結果を利用可能です。
戻り値がnullの可能性とOptionalの活用
戻り値がnullになる可能性がある場合、それを呼び出し元で適切に処理しないと、NullPointerExceptionが発生するリスクがあります。これを防ぐために、Java 8から追加されたOptionalクラスを活用することが推奨。
Optionalは、値が存在しない場合にnullではなく、Optional.empty()を返すことで、nullによるエラーを回避する目的で使用されます。戻り値をOptionalで定義することで、呼び出し元は以下のようにnullチェックを行うことなく値の有無を確認が可能です。
- isPresent(): 値が存在するかどうか
- ifPresent(): 値が存在する場合のみ処理を実行
- orElse(): 値が存在しない場合のデフォルト値を指定
これらのメソッドを活用することで、nullチェックを簡潔かつ安全に行い、コードの可読性を向上できます。
なお、Javaのnullについてより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
→ Javaでnull判定する方法!Optionalクラスの基礎も解説
メソッド引数にfinal修飾子を付ける意味
メソッド引数にfinal修飾子を付ける目的は、引数の値がメソッド内で変更されないように保証することです。final修飾子が付与された引数は、メソッド内で再代入することができず、一度設定された値が変更されることがありません。
このような制約を設けることで、以下の利点が得られます。
- 引数の値が意図しない変更によりバグを引き起こすリスクを減らす
- メソッド内での引数の使い方が明確になり、コードの可読性が向上する
- メソッドの安全性を向上させ、他の開発者が安心して使用できる
しかし、final修飾子を付けることでコードが冗長になり、書きづらくなることもあるため、適切なバランスを考慮して使用することが大切です。
Javaにおける引数の基本的な使い方
Javaでは、メソッドを呼び出す際に引数を用いてデータを受け渡します。引数の基本的な使い方は、メソッド名の後ろにカッコをつけ、その中に値や変数名を記述することです。
例えば、int型の引数xとyを受け取るaddメソッドがあるとしましょう。このメソッドを呼び出す際は、「add(3, 5)」のように記述します。
メソッド定義時には、引数を仮引数として受け取り、データ型と変数名を指定。上記のaddメソッドでは、「public static int add(int x, int y)」のように定義されていることでしょう。
引数は、メソッドの中で変数として利用されます。仮引数には実引数の値がコピーされるため、メソッド内で仮引数の値を変更しても、呼び出し元の実引数の値は変わりません。引数を使うことで、メソッドは汎用性の高いコードを書くことが可能になります。
ここでは、Javaにおける基本的な使い方として以下を紹介します。
可変長引数の使い方
Javaでは、可変長引数を利用することで、任意の個数の引数を受け取るメソッドを作成できます。可変長引数は、データ型の後に3つのドット「…」を付けて宣言し、引数の個数に制限を設けずにメソッドを呼び出せるようになるでしょう。
例えば、int型の可変長引数numsを受け取るsumメソッドを作成する場合、「public static int sum(int… nums)」と記述します。このメソッドは、任意の個数のint型引数を受け取ることが可能です。
可変長引数は、メソッド内で配列として扱われます。そのためsumメソッドでは、nums配列の要素をループで処理して合計値を求めることが可能です。
注意点として、可変長引数はメソッドの引数の最後に1つだけ設定できます。また、可変長引数を含むメソッドをオーバーロードする際は、引数の組み合わせに注意が必要です。
引数の順番とデータ型の振る舞い方
Javaのメソッドでは、引数の順番とデータ型が重要です。引数の順序が異なると、異なるメソッドとして扱われます。
例えば、「public static void method(int a, String b)」と「public static void method(String a, int b)」は、引数の順序が違うため別のメソッドとして認識されるでしょう。
また、引数のデータ型によって振る舞いが変わることがあります。プリミティブ型の場合、値渡しが行われるため、メソッド内で引数の値を変更しても呼び出し元に影響しません。
しかし、参照型の場合、参照先のオブジェクトが変更されると呼び出し元にも影響します。引数の順番とデータ型を考慮して、適切にメソッドを設計することが重要です。
また、オーバーロードを利用する際には、適切な引数の組み合わせを選ぶことが求められます。
不正な引数を検出する方法
不正な引数を検出するためには、まず引数が妥当な範囲にあるか確認して異常があれば例外を送出することが重要です。
具体的な手順は以下の通りです。
- 引数の型や値の範囲を定義する
- 引数が定義された範囲を満たしているかをチェックする
- 範囲外の引数が検出された場合、例外を発生させる
この方法で、プログラムの安全性が向上し、バグの発生を防止できます。
Javaにおける引数の応用的な使い方
Javaにおいて、引数を応用的に使用する方法には、可変長引数やオブジェクト指向プログラミングの特性を利用した継承・多態性があります。
可変長引数を用いれば、任意の数の引数を受け取れるため、柔軟なコードが書けるでしょう。また、継承を使えば、親クラスのメソッドを子クラスでオーバーライドし、引数を活用して挙動を変更ができます。
ここでは、Javaにおける引数の応用的な使い方として以下を紹介します。
メソッドオーバーロードと引数の活用法
メソッドオーバーロードは、引数の型や数が異なるメソッドを同じ名前で定義する技法です。これにより引数の違いを吸収し、同じ機能を提供するメソッドを複数用意できます。利点は以下の通りです。
- コードの可読性が向上する
- 引数の違いによる処理の分岐を簡素化できる
ただし、オーバーロードされたメソッド間の違いが明確でないと、使い勝手が悪くなるため注意が必要です。
Javaの変数についてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
APIやライブラリを利用した引数の活用法
APIやライブラリを利用する際にも、引数の活用が重要です。これにより、簡単に機能を追加・拡張できます。
特に、外部APIを利用する際には、引数を使ってリクエストパラメータを送信し、結果を受け取ることが一般的です。様々なライブラリが提供されているため、適切なものを選んで引数を活用しましょう。
Javaのインターフェースについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ Javaのインターフェースとは?コード例も交え使い方を紹介
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まとめ
プログラムを作成する際には、引数の使用が不可欠です。引数には種類や修飾子があり、それぞれの意味を理解する必要があるでしょう。
引数の理解を深めることはJavaの機能を拡張することに繋がります。そのため、この記事で紹介した引数の扱い方や応用例を覚えることで、Javaの開発がしやすくなるでしょう。
なお、下の記事ではJavaのコンパイルについて詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
→ Javaのコンパイルとは?実行方法からjavacコマンドの基礎知識も紹介