フリーランスエンジニアに個人事業税の申告は必要?対象者や条件も解説

「フリーランスエンジニアは個人事業税を払うの?」
「個人事業税の納税額ってどのくらい?」

個人事業税を支払う必要があるのか、あいまいなフリーランスエンジニアは多いですよね。「個人事業税は払わなくてもいい」といった噂も聞くため、自分が納税者に該当するのか判断できない人もいるはず。

とはいえ、フリーランスエンジニアも個人事業税を納めるのなら、納税額や支払い納期などを知らないと支払いに困りかねません。

そこで、今回はフリーランスエンジニアは個人事業税を納めるべきなのか、その対象者を納税額も交えわかりやすく解説します。個人事業税の納税方法や期間も紹介するのでぜひ参考にしてください。

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目次

そもそもフリーランスエンジニアは個人事業税の対象?

そもそもフリーランスエンジニアは個人事業税の対象?

フリーランスエンジニアで働くなら、個人事業税の納税義務があるのかを確認しておくのが賢明です。そこで、ここからはフリーランスエンジニアで個人事業税の対象になる人とならない人を紹介します。

フリーランスエンジニアで個人事業税の対象になる人

フリーランスエンジニアで個人事業税の対象者になるのは「請負業」の契約形態で年間290万円以上の収入がある人です。フリーランスエンジニアの契約形態には、次の2通りがあります。

スクロールできます
契約形態詳細
請負契約仕事の完成(納品)に対して報酬を支払う契約
準委任契約法律行為以外の仕事で、業務の遂行を委託する契約

具体的には、Webサイトの作成やシステム開発など納品物が明確な案件は「請負契約」であることが多いです。一方、アプリの運用・保守のような業務に手順や流れがある仕事は「準委任契約」を結ぶ傾向があります。

東京都によると、個人事業税を納めるのは指定された70の業種に限られます。フリーランスエンジニアで個人事業税に該当するのは「請負業」と「デザイン業」です。

フリーランスエンジニアで働き、「請負業」や「デザイン業」と見なされると個人事業税の対象になることを覚えておきましょう。

フリーランスエンジニアで個人事業税の対象にならない人

フリーランスエンジニアで個人事業税の対象にならないのは「準委任契約」で働く人です。

準委任契約では、主に稼働時間に対して報酬が支払われ、納品物の完成を目的としていません。むしろ、業務の遂行を目的にしており、工数や遂行行為が重要視される働き方です。

また、フリーランスエンジニアが準委任契約で働くなら、年収が290万円以上でも個人事業税を納める必要はありません。取引先との契約内容を確認し、個人事業税の支払い義務は契約形態で判断しましょう。

フリーランスエンジニアがおさえておきたい個人事業税の基礎知識

フリーランスエンジニアがおさえておきたい個人事業税の基礎知識

フリーランスエンジニアで個人事業税の支払い義務があるなら、納税額や支払い方法・時期が気になるでしょう。そこで、ここからはフリーランスエンジニアでおさえておきたい個人事業税の基礎知識を紹介します。

個人事業税の計算方法

個人事業税の計算方法は、次のとおりです。

(事業所得(収入-経費)-事業主控除290万円)×業種別税率(3~5%)

個人事業税では、事業主控除が290万円であるため、年収が290万円以下の場合はかかりません。前述したとおり、フリーランスエンジニアの場合は請負業かデザイン業が該当し、共に税率は5%です。

具体的に、事業所得(収入 – 経費)が500万円の場合には、個人事業税が約10万円かかります。

(500 – 290)×5%=10万5,000円

ただし、青色申告の場合には青色特別申告控除を加算するため、納税額が増える点に注意が必要です。

(500 + 65 – 290)×5%=13万7,500円

青色申告の有無で個人事業税の計算方法が異なることを覚えておきましょう。

個人事業税の支払い方法

個人事業税の支払い方法は、次のとおりです。

  • 口座振替
  • クレジットカード納付
  • スマートフォンの決済
  • コンビニでの納付
  • 金融機関のATM

個人事業税は多くの方法で支払えるため、利用しやすいものを選ぶといいでしょう。

個人事業税の納付時期

個人事業税の納付時期は、東京都の場合は8月末と11月末の年2回です。

個人事業税の申告は、確定申告の際に同時にできます。確定申告書の「事業税に関する事項」に必要事項を記入すると、都道府県税事務所から納税通知書が届く仕組みです。

通常、8月頃に個人事業税の納付書が届きます。個人事業税の1期納付期間が短いため、すぐに準備して支払うようにしましょう。

フリーランスエンジニアが活用できる個人事業税の控除制度・減免制度

個人事業税の納税義務がある場合には、可能な限り納税額を抑えたいと思うでしょう。そこで、ここではフリーランスエンジニアが活用できる個人事業税の控除制度と減免制度を紹介します。

個人事業税の控除制度

個人事業税には「繰越控除」の控除制度が適用されます。

繰越控除とは、事業で損失があった際に翌年以降に繰越して、利益と相殺できる制度です。損失を最長3年間繰り越せるため、数年間の税負担を軽減できます。

ただし、繰越控除を行うには繰越を行う期間、毎年確定申告をしなければなりません。確定申告をしなければ繰越控除が途切れて、税負担が増えます。

フリーランスエンジニアが繰越控除を利用することを決めたら、かなず繰越期間は確定申告を行いましょう。

個人事業税の減免制度

個人事業税には、障害者・生活保護受給者・災害被災者を対象に減免制度が利用できます。所得の要件や条件により、減額や非課税になるのです。

減免の対象者であり、減額や非課税を希望する場合には都道府県税事務所に申請を行います。必要書類を用意して、都道府県税事務所で手続きをしましょう。

ただし、個人事業税の減免制度は都道府県により、内容が異なります。詳細を知りたい場合には、都道府県税事務所に問い合わせましょう。

フリーランスエンジニアが個人事業税の確定申告をする際の注意点

フリーランスエンジニアが個人事業税の確定申告をする際の注意点

フリーランスエンジニアが個人事業税を納税した場合、必要な処理を行わないと所得税や住民税が増額されることもあります。そこで、ここではフリーランスエンジニアが個人事業税を納税した場合の注意点を、2つにまとめて紹介します。

個人事業税は租税公課で処理をする

個人事業税を納税したら、確定申告の際に租税公課で処理をします。租税公課とは、国や地方に支払う税金と地方公共団体などへの会費といった負担金をあわせた言葉です。

個人事業税といった事業に必要な税金は、租税公課で経費に計上できます。所得税や住民税は経費にできるほど、納税額を抑えられるのです。

租税公課で処理できる税金は個人事業税以外にも、固定資産税や印紙税、商工会費などがあります。経費にできるものは正確に計上しましょう。

納付した年の経費として計上する

個人事業税は、納付した年の経費で計上することが重要です。個人事業税は、納付した年以外の経費には計上できません。

もし、確定申告後に個人事業税を経費にし忘れたことに気が付いたら、修正手続きを行いましょう。5年以内であれば、確定申告の修正が可能です。

確定申告の修正を行えば、所得税の還付を受けられます。個人事業税は経費として扱えるため、納付した年の確定申告で計上しましょう。

フリーランスエンジニアが個人事業税以外に納税する税金

フリーランスエンジニアが個人事業税以外に納税する税金

フリーランスエンジニアが支払う税金の種類をおさえておきましょう。そこで、ここではフリーランスエンジニアが個人事業税以外に納税する税金を、3つ紹介します。

住民税

住民税とは、住んでいる地方自治体へ納める税金で、前年の所得に応じて納税する所得割と均等に割り当てられる均等割があります。

会社員の場合は給料から住民税を天引きするものの、フリーランスエンジニアは納付書に従い自分で納めなければなりません。住民税の所得割は、次のような計算で算出されます。

(所得-所得控除額)×所得割税率(10%)-税額控除額

住民税は、経費を抜いた所得から所得控除額(社会保険料控除や医療費控除など)を差し引き、10%の税率をかけます。次に、税額控除(住宅ローン控除など)を差し引くと住民税(所得割)を計算できます。

住民税の均等割は、市区町村民税3,000円・道府県民税1,000円・森林環境税1,000円の計6,000円です。住民税の通知書類が5〜6月頃に自宅へ届くため、コンビニや金融機関などで納付しましょう。

所得税

所得税とは、1年間で得た収入にかかる税金で、会社員・フリーランス関わらず収入があれば納税しなければなりません。

会社員の場合は給料から所得税が天引きされるものの、フリーランスでは確定申告を行い所得税を自己申告します。所得税の計算方法は、次のとおりです。

(所得-所得控除額) × 税額 – 税額控除

フリーランスエンジニアの場合は経費をどのくらい計上するのかで、所得税が大きく異なります。ただし、事業に関係ない経費を計上すると税務調査を受けることになるため、正確に経費を計上するのが賢明です。

所得税の納付期日は、原則毎年3月15日ですので忘れずに申告しましょう。申告方法は、スマホアプリ納付や銀行の振替納税、クレジットカード納付と様々で自分のやりやすい方法を選ぶといいでしょう。

消費税

消費税も支払う可能性のある税金です。フリーランスエンジニアの場合、クライアントから受け取った消費税から経費で支払った消費税を差し引き納税します。

フリーランスエンジニアが消費税を支払うのは、次のいずれかの条件を満たした場合です。

  • 売上が1,000万円以上
  • インボイス制度の登録者

インボイス制度へ登録しているフリーランスエンジニアは、売上が1,000万円以下でも消費税を必ず納めなければなりません。インボイス制度へ登録して免税事業者から課税事業者になった場合には、2割特例といった軽減措置があるため、上手に活用しましょう。

一方、売上が1,000万円以下でかつインボイス制度へ登録していなければ消費税を支払う必要はありません。消費税の納税方法は、金融機関か税務署、キャッシュレス納付と多くあります。

納付期日は、翌年の3月31日までとなっているので忘れずに消費税を納税しましょう。

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フリーランスエンジニアの個人事業税にまつわるよくある質問

フリーランスエンジニアの個人事業税にまつわるよくある質問

ここからは、フリーランスエンジニアの個人事業税にまつわるよくある質問へお答えします。

個人事業税の支払いに困ったらどうすればいい?

個人事業税の支払いが困難な場合には、猶予制度や延納制度を活用しましょう。

猶予制度とは、申請を行うと最大2年の延滞税が軽減または免除になる制度です。延納制度では納税額の半分以上を納税すれば、残りの支払い期日を延ばせます。

猶予制度と延納制度は、事業の売上が激減といった特別な理由がある場合にのみ認められます。万が一、個人事業税の支払いが困難な場合は、自治体へ相談しましょう。

何もせずに納税を放置すると延滞税がかかり、納税額が増える点に注意が必要です。

個人事業税の納税不要なのに納めてしまったらどうするの?

個人事業税の納付が不要なのに納めた場合には、還付が可能です。

たとえば、確定申告の際に申告ミスをして修正したら、個人事業税の納税義務がなかった場合もあります。上記の場合は都道府県税事務所へ問い合わせると、個人事業税の還付方法を案内してもらえます。

還付申請をすれば指定された口座へ返金されるため、必ず手続きを行いましょう。

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まとめ

今回は、フリーランスエンジニアの個人事業税の対応や個人事業税の基礎知識、納めるべき税金、よくある質問まで解説しました。

フリーランスになると納める税金の種類が増え、今まで存在を知らなかったものが出てくると焦ってしまうもの。個人事業税もその1つです。しかし、個人事業税は、以下のケースのみ支払いが必要です。

  • 課税所得が290万円以上
  • 決められた70業種に従事している

また、法律で決められた課税対象者でも契約形態によっては支払い義務がない可能性もあるので本記事を参考にしてください。

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